今回は、1970年代のアメリカ空軍フライトジャケットMA-1を分析します。
当時の人気をアルファー社と二分したスピワック社の製品ですね。
MA-1ながらアルファ社とは少々違う雰囲気なのが特徴です!
なんと航空自衛隊の隊員が使用していた中古品ですが程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ空軍フライトジャケットMA-1(エアフォースブルー・スピワック社製・モデル品)とは?
映画「トップガン(1981)」封切り以降、爆発的に知名度を上げたMA-1。
でもMA-1は、それ以前から普通にミリタリーショップには輸入されていました。
それどころか、入手経路は不明ですが一部の航空自衛隊のBX(基地内売店)でも販売されていましたよ。
今回のモデルは、官給品ジャンパーの防寒能力の低さに閉口したある航空自衛隊員が私費で購入したMA-1になります。
メーカーはスピワック社。
でも一部に問題もあって、購入後あまり着用せずそのままにしてあったのを譲っていただいたものになります。
MA-1といえば「アルファ社」製(韓国アルファ社製も含めて)が有名ですが、もう一方の雄ともいえるスピワック社製品にはどういった特徴があるのでしょうか?
また、そもそもその問題点とは?
今回は、コアなMA-1ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
左胸には航空自衛隊用のネイムタグと階級章用のマジックテープが縫い付けられています。
(一部手縫い)
前合わせはジッパーのみ。
ジッパーはアルミ製で、現時点では動きが少々悪いです。
取扱注意ですね。
ストームフラップ(ウインドシールド)はジグザグのステッチ。
ジッパーのプルタブは表裏一枚ずつあります。
ジッパー刻印は「SCOVILL」
内ポケット
左右にあります。
ダットファスナーで開閉。
腰ポケット
ダットファスナーで開閉。
ポケット内側の生地は起毛したコットン製
タグ
SPECは8279E相当です。
サイズは「40」で胸囲のインチ表示。
左ポケットには別のロットのタグが!
袖ポケット
ペン用のキャップはありません。
袖ポケットのジッパーは「IDEAL」
袖及び腰ニット
黒に近いブルー。
背面上部のステッチはSPECどおり。
袖
テーパー付
フロントジッパー不調の原因
アルミジッパーの動きもさることながら、ライニングの一部がジッパースライダーと干渉しライニングが痛んでいました。
この辺りの処理(縫製)は、アルファ社と全く違っていますね。
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3 その特徴とは?
シェル及びライニングは、細い糸で緻密に編まれたナイロン製。
意外に防風性能が高いですね。
カラーは、官給品MA-1にはないエアフォースブルー、ライニングはインディアンオレンジです。
インターライニング(中綿)はポリエステル製で、やや厚く保温性能も十分ですね。
デザインは、タグからサブタイプ「C」を参考にしているようです。
(少々疑問点あり。)
シルエットや細部比較
(再現している型式が違っているのでパーツも少々違っています。
今回のモデル
以前分析した1968年度版復刻モデル
シェルのカラー、各部のサイズそしてレイアウトも両社で微妙に違っていますね。
(あなたはどちら派?)
構成は、エポレットなし、腰ポケット×2、左袖ポケット(シガレットポケット)、内ポケット×2で、襟、袖口、裾にはニットで冷気を遮断するようになっています。
ゴールデンフリース社のエアフォースブルーMA-1は、ニットがブラックに近いブルーなのが特徴ですね。
全体的な縫製は、官給品に比べるとやや丁寧で正確です。
ただしアルミジッパーは動きが悪く(何かコツがあるのかも?)、今回のモデルにはジッパースライダーがライニング生地に干渉しているよいう不具合がありました。
これはライニングがジッパースライドギリギリまで縫い付けられている仕様だからですね。
この当時の同社MA-1は、仕様が共通なのでジッパー取り扱いには要注意です。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1979年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ナイロン
ポリエステル
ウール
表記サイズ 40
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約44cm
身幅 約58cm
着丈 約62cm
袖丈 約65cm
状 態 中古上品
官民区分 民生品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、一応MIL-SPECに準じた仕様で製造されているがずなのですが、比べてみるとアルファ社のMA-1とは大きく雰囲気が違っていますね。
当時は、どちらの製品を購入するかで迷う人も多かったようですよ。
両者とも官給品納入メーカーでもあり、同時に官給品及び市販品のMA-1を製造していました。
でも現在では、スピワック社は競争でアルファ社に水を開けられているのが現状です。
その一例として、東京にある老舗SHOPでは、かつて大々的にスピワック社製品を推していましたが、今ではカタログからも外れていますね。
元々スピワック社は、同社の高級ブランドである「ゴールデンフリース」(今回のモデルもそのブランド)が存在していて、「メイドインアメリカ」を売りにしていました。
一方アルファ社は製造国を発展途上国である韓国にまで拡大するとともに、日本のフライトジャケットブームに乗じて廉価版を大量に製造・販売して知名度を向上させました。
また過去の官給品納入実績を基に、1960年代のMA-1を復刻するなど、新しい路線での製品も開発しましたね。
その結果商業的にアルファ社が成功を収めたようです。
…しかし今回比べてみると、スピワック社のMA-1はアルファ社にはない魅力も存在していますね。
(ジッパーとライニングの問題は別にして…。)
残念ながらこの魅力的なMA-1は、現在入手困難です。
でもスピワック社自体は存続しているので、いつかまたMA-1の製造を始めるかもしれませんね。
探しているあなたは、オークションや古着屋さんを覗いてみましょう!
購入の際には、サイズに加えて、フロントジッパーの動きを確認して決定しましょう!
今回は、アメリカのアパレルメーカースピワック社のエアフォースブルーMA-1を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に面白いですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20241004更新)
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参考:アルファ社のMA-1に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです、⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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