こんにちは!
今回は、第二次大戦当時としては珍しいアメリカ軍の迷彩服を分析します。
せっかく開発されたのに、限定使用で終わってしまった悲劇(?)の迷彩服ですよ。
目次
- 1 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)とは?
- 2 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)の全体及び細部写真
- 3 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)その特徴とは?
- 4 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)製造とサイズのデータ
- 5 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)まとめ
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1 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)とは?
戦闘時における個人迷彩被服の重要性は、アメリカも第二次大戦前から強く認識していました。
そのため各種迷彩服の試験を繰り返していましたね。
そして1940年代に開発されたのが、一連の「ダックハンター」又は「フロッグスキン」と呼ばれる斑点迷彩服です。
一説によりますと、迷彩パターンは、民間で出回っていた狩猟用のジャケットが原型だとか?
しかし、満を持して導入された迷彩服ですが、ヨーロッパではドイツ武装親衛隊の迷彩似ていた(?)ため、友軍相撃の危険性があるとして、早々に撤収されました。
そして、その多くは太平洋で主に海兵隊が限定的に使用したのでした。
でも南太平洋で使用するには、生地が厚く、通気性が悪かったからので不評だったようです。
この迷彩生地の種類としては、ジャケットとトラウザースの2ピース、空挺用のスモック、そして今回ご紹介するカバーオール(ワンピース)などがありましたよ。
さてさて、それはどんな迷彩カバーオールなのでしょうか?
今回は、大戦中のアメリカ軍マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)の全体及び細部写真
上半身前面
特徴的な斑点迷彩ですね。
下半身前面
上半身背面
下半身背面
上半身前面裏側 春夏面が目立ちますね。
下半身前面裏側
上半身背面裏側
下半身背面裏側
前合わせはジッパー
ジッパーはおなじみ「コンマー」
一番上はダットファスナーで開閉
胸のマチ付きパッチポケット シンプルです。空自のセージグリーン作業服タイプに似ています。
袖の調整テープ と13星の金属ボタン
腰のポケット 胸より容量大 サイドに付いています。
ポケットの位置関係
背中のアクションプリーツ
サイズスタンプ 40R 40は胸囲が40インチ、Rはレギュラーという意味です。
インナーサスペンダーを通すループが鎖骨付近に縫い付けられています。色はカーキでヘリンボーンの薄い生地
インナーサスペンダーの残骸①(胸ポケットの下辺り。)
股の補強布 おそらく後付け(縫われてる糸が本体の糸ではありません。)
秋冬面の袖口は、色調の違う迷彩生地が使用されています。
足の裾は本体と同色のようです。
腰のインナーサスペンダーの残骸②
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3 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)その特徴とは?
迷彩のパターンは概ね統一されていますが、色調はメーカーや製造時期によって微妙に違っています。
(アメリカは、ウッドランド迷彩までそんな傾向がありましたね。)
今回のモデルは、ベースとなる色調がライトグリーンのタイプで、これに濃淡2色のグリーン、ダークブラウンの斑点が春夏面。
アイボリーベースにカーキと濃淡2色のブラウン斑点が秋冬面となっています。
(色を変えることによって使用する季節を分けているのは、他国でも例がありますね。)
一応リバーシブルで着用できそうに見えますが、完全リバーシブルではありません。
生地は丈夫なヘリンボーンツイル(杉綾織)です。
本来なら、インナーサスペンダーが縫い付けられているのですが、今回のモデルは、前のオーナーが途中から乱雑に切り取ってあります。
このカバーオールでは、よく見られる改造ですね。
余程邪魔だったのでしょうね。
(サスペンダーが現存してると価格が倍増しますよ。)
また、股がカーキの布で補強されています。
ポケットは春夏面のみ胸と腰に、マチのついたパッチポケットがあります。やはり完全リバーシブルではないですね。
背中にはアクションプリーツがあります。
アメリカの衣料では多いですよね。
いつかアクションプリーツのついた衣類を着て現場に行った時、木の枝や針金に引っかかってプリーツが破れたことがあります。
腕は動かしやすいのですが、本当に必要なものなのでしょうか?
(CWU-36Pや45Pでは、のちに廃止されましたよね。)
4 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1940年代
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材質 コットン
・表記サイズ 40R
・各部のサイズ(平置)
着丈 約155センチ
肩幅 約49センチ
身幅 約60センチ
袖丈 約61センチ
股下 約78センチ
裾幅 約24センチ
・状態 中古良品
・官民区分 官給品
・入手方法 ヤフオク
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5 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンターパターン)まとめ
個人的には春夏面のベース色がライトカーキのタイプが欲しかったのですが、今回のモデルもなかなか綺麗ですね。
中には、ベース色がライトグレイタイプもあって、別の迷彩かな?なんて思うものもありますよ。
迷彩効果としては、静止している場合はともかく、移動している時にはむしろ目立つという指摘もあります。
現在出回っている現代版のダックハンターは、随所にブラックやブラックグリーンの斑点を散りばめ、視覚的分裂効果を出しているようですが、この頃は考えられなかったようですね。
日本のフィールドでの効果は疑問ですが、逆にシティユースには向いているかもしれません。
(TOKIOの松岡さんが、ダッシュ島等のロケで、この迷彩パターンのトラウザース(米軍BDUタイプのモデル品)を着用していたりします。欲しかったベース色カーキのタイプでした。)
「迷彩は一つだけ」というファッション界暗黙のルール(?)に基づくコーディネートですね。
衣装さん、GJです!
今回は、折角開発されたのに、あまり活躍しなかったアメリカ軍の迷彩カバーオールを分析しました。
次回は、再びダイヤモンドの採れる国の迷彩服を分析します。
お楽しみに!
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参考:この迷彩に影響を受けたと思われる各国の迷彩服関連記事はこちらです。⬇︎
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アメリカで、生まれて間もない子犬7頭を一つのレジ袋に入れて、ゴミ集積所に捨てた女性が逮捕されましたね。
許せないですね!
子犬と女性の関係は不明ですが、母犬の気持ちを考えると、胸が詰まります。
子犬がみんな無事で本当に良かったです。
逮捕された女性には、生命の意味をもう一度考えて、猛省して欲しいものです。
読んでいただき、ありがとうございました。
追記(20191128)
欲しかったベース色がカーキのカバーオールを入手しました。
詳細は、後日分析します。
今回は、色調の差をご覧ください!
左:今回のモデル
右:新しく入手したモデル
同時期の同じモデルとは思えない色調さですね。
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