こんにちは!
今回は、古い陸上自衛隊の作業服を紹介します。
サイズは小さくて使用感もありますが、だからこそ判るところもありますよ。
目次
- 1 陸上自衛隊作業服(1963年製)とは?
- 2 陸上自衛隊作業服(1963年製)の全体及び細部写真
- 3 陸上自衛隊作業服(1963年製)の特徴とは?
- 4 陸上自衛隊作業服(1963年製)の製造とサイズのデータ
- 5 陸上自衛隊作業服(1963年製)まとめ
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1 陸上自衛隊作業服(1963年製)とは?
現在でこそ、世界に誇る個人装備を保有している陸上自衛隊。
しかし自衛隊の前身である警察予備隊、それに続く保安隊、そして初期の陸上自衛隊においては、その装備たるや惨憺たるものでした。
アメリカ軍の戦車、装甲車、アメリカ軍消火器に、ガーランドの弾丸を発射できる様に改造された旧日本軍の小銃等々、数え挙げればキリがないくらい、オンボロ中古装備のオンパレードでしたね。
(私は結構好きなのですが…特に戦車は。)
個人装備も同様で、アメリカ軍のお下がりだったり、補助的に旧軍の装備を使用していたりしました。
かつての敵国装備で国を守る…先輩たちはどんな気持ちで勤務したのでしょうね。
今回のモデルは、そんなジリ貧の状態から約10年後の、何とか自分たちの装備を自分たちで開発しようとした時期の作業服です。
涙なくしては観られないアイテムですよ。
早速確認していきましょう!
2 陸上自衛隊作業服(1963年製)の全体及び細部写真
前面
アメリカ軍のM43、M50の影響を強く受けています。
背面
前面裏側
ライニング(裏地)はありません。つまり、防寒防水を考慮していません。
作業外被や作業用雨衣を支給したからでしょうか?
背面裏側
肩から背中上部は布が二重になっています。
迷彩服1型や航空自衛隊の野戦用迷彩服まで踏襲されていますね。
前合わせはボタンのみです。
(下から二番目のボタンが割れています。(T . T))
胸ポケット ボタンで開閉 ポケットフラップは中央先端が鋭くないですね。
腰スラッシュポケット ボタンはありません。 現代の作業外被に踏襲されています。
サイズスタンプ「③」
タグ プリントですが手書きの文字をプリントしてあるようです。
エポレット 約半分は縫い付けられています。 アメリカ軍のウールシャツによく見られる処理ですね。
袖口 ボタンで開閉、調整
肘の補強布 ピンポイントで縫製?
襟にはチンストラップが付いています。これもM43、M50と同じですね。
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3 陸上自衛隊作業服(1963年製)の特徴とは?
デザインはM43やM50フィールドジャケットを参考にしていますが、ライニングが省略されている等、廉価版的なイメージがあります。
典型的な四つポケット戦闘服ですね。
生地は、まるでM50そっくりです。
でもゴワゴワで、けっして肌触りの良いものではありません。
今回のモデルは、経年変化で縫い糸が白く退色していて、縫製の状況がよくわかりますよ。
カラーはODですが、M50と同じか、やや濃いめです。
サイズ3号は、現代のSサイズですが、実寸はもっと小さい気がします。
各ボタンは、薄っぺらい粗末な作りで、今回のモデルも前合わせの一つが割れています。
先輩たちの苦労が偲ばれますね。
4 陸上自衛隊作業服(1963年製)の製造とサイズのデータ
・製造年又は契約年度 1963年
・製造場所 日本
・契約会社 日本
・製造会社 〃
・材質 コットン
ビニロン
・表記サイズ 3
・各部のサイズ(平置)
着丈 約70センチ
肩幅 約43センチ
身幅 約51センチ
袖丈 約48センチ
・状態 中古並品
・官民区分 官給品
・入手方法 ヤフオク
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5 陸上自衛隊作業服(1963年製)まとめ
今回のモデルは、あくまで作業服で、作業外被(フィールドジャケット)ではありません。
当時の日本人の体格は、現代人よりかなり小さかったのでしょうか?
この作業服も3号とはいえ、明らかに小さいですね。
この作業服の後、当時の防衛庁は陸上自衛隊と航空自衛隊の作業服をシャツタイプに変更します。
変更の根拠は不明ですが、先輩からこんな話を聞きました。
「四つポケのジャケットは、弾帯を締めないとだらしなく見える…という評価があった。また、使用する生地も少なくて済むし、縫製する手間も省ける。」とか。
本当でしょうか?
陸上自衛隊は、このモデルの後は、今日に至るまで四つポケットの作業服を採用していません。
ある意味、歴史の証人とも言える作業服ですね。
勿論、絶滅危惧種ですので、見かけたら積極的に保護してあげましょう!
今回は、陸上自衛隊の古い古い作業服を紹介しました。
次回は、アメリカ空軍の迷彩服を分析します。
お楽しみに!
参考:このモデルの後に採用されたモデルはこちらです。⬇︎
後に採用された、陸上自衛隊初の迷彩服はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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