今回は、1960年代の陸上自衛隊作業服を紹介します。
アメリカ軍M43フィールドジャケットが原型のようですね。
とても古い装備品です。
残念ポイントもありますが、まだまだ着用できそうですよ!
目次
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1 陸上自衛隊作業服上衣(M43タイプ・1963年製)とは?
現在でこそ、世界に誇る個人装備を保有している陸上自衛隊。
しかし自衛隊の前身である警察予備隊、それに続く保安隊、そして初期の陸上自衛隊においては、その装備たるや惨憺たるものでした。
アメリカ軍中古の戦車、装甲車、小火器に、M1ガーランドライフルの弾丸を発射できる様に改造された旧日本軍の小銃等々、数え挙げればキリがないくらい、ポンコツ中古装備のオンパレードでしたね。
(私は結構好きなのですが…特に戦車は。)
個人装備も同様で、アメリカ軍のお下がりだったり、補助的に旧軍の装備を使用していたりしました。
かつての敵国装備で国を守る…先輩たちはどんな気持ちで勤務したのでしょうね。
今回のモデルは、そんなジリ貧の状態から約10年後の、何とか自分たちの装備を自分たちで開発しようとした時期の作業服になります。
戦後のアメリカナイズされた装備品の一つで、涙なくしては観られないアイテムですね。
さてさて、それはどんな作業服なのでしょうか?
今回は、陸上自衛隊マニアのみならず、現役陸上自衛官のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
アメリカ軍のM43、M50の影響を強く受けていますね。
背面
前面裏側
ライニング(裏地)はありません。
つまり防寒防水を考慮していないということですね。
作業外被や作業用雨衣を支給したからでしょうか?
背面裏側
肩から背中上部は布が二重になっています。
これは後の作業服まで踏襲されていますね。
前合わせはボタンのみです。
(下から二番目のボタンが割れています。😅)
胸ポケット
ボタンで開閉
ポケットフラップは中央先端がM43ほど鋭くないですね。
腰スラッシュポケット
ボタンはありません。
ここは現代の作業外被に踏襲されていますね。
サイズスタンプ「③」
タグ
プリントですが手書きの文字をプリントしてあるようです。
エポレット
約半分は縫い付けられています。
アメリカ軍のウールシャツなどによく見られる処理ですね。
袖口 ボタンで開閉、調整
肘の補強布 ピンポイントで縫製?
襟にはチンストラップが付いています。これもM43、M50と同じですね。
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3 その特徴とは?
生地は、コットンとビニロンの混紡で、材質は違いますがアメリカ軍M50フィールドジャケット(後期型)にそっくりですね。
アメリカ軍M50フィールドジャケット⬇︎
しかもゴワゴワで、けっして肌触りの良いものではありません。
(もっと使い込むと柔らかくなるのでしょうか?)
そうそう、今回のモデルは経年変化で縫い糸が白く退色していて、縫製の状況がよくわかりますよ。
カラーはODですがM50と同じか、やや濃いめです。
デザインはアメリカ軍M43(M50)フィールドジャケットを参考にしていますが、ライニングが省略されている等、廉価版的なイメージがあります。
(逆に夏が暑い日本では、このくらいがベストなのかも?🤔)
構成は、エポレット付、胸ポケット×2、腰ポケット×2の典型的な四つポケット戦闘服ですね。
アメリカ軍M43フィールドジャケット
面白いのは、腰ポケットにボタンがないところですね。
(後の作業外被に通じるところがあります。)
全体的な縫製は、正確な部分と雑な部分が混在していますよ。
強度も少々足りないようです。
(製造所でも仕立てが大きく違うモデルもありますね。)
サイズ3号は、現代のSサイズのはずですが、実寸はもっと小さいサイズ感です。
各ボタンは、薄っぺらい粗末な作りで、今回のモデルも前合わせの一つが割れています。
先輩たちの苦労が偲ばれますね。
4 製造とサイズのデータです。
製造・契約年度 1963年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ビニロン
表記サイズ 3
各部のサイズ(平置)
着丈 約70cm
肩幅 約43cm
身幅 約51cm
袖丈 約48cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手方法 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、あくまで作業服で、作業外被(フィールドジャケット)ではありません。
当時の日本人の体格は、現代人よりかなり小さかったのでしょうか?
この作業服も3号とはいえ、明らかに小さいですね。
この作業服の後、当時の防衛庁は陸上自衛隊と航空自衛隊の作業服をシャツタイプに変更します。
変更の根拠は不明ですが、先輩からこんな話を聞きました。
「四つポケのジャケットは、弾帯を締めないとだらしなく見える…という評価があった。また、使用する生地も少なくて済むし、縫製する手間も省ける。」
とか。
本当でしょうか?
陸上自衛隊は、このモデルの後は、今日に至るまで四つポケットの作業服を採用していません。
ある意味、歴史の証人とも言える作業服ですね。
勿論、絶滅危惧種ですので万難を排して見かけたら積極的に保護してあげましょう!
今回は、陸上自衛隊の古い古い作業服を紹介しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね。
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231214更新)
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参考:同じ時期のモデルのデッドストックに関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルの後に採用された作業服に関する記事はこちらです。⬇︎
後に採用された、陸上自衛隊初の迷彩服はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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