今回は、1950年代のベルギー軍空挺迷彩ユニフォームを分析します。
最も初期(?)のジグソー迷彩ですね。
その後のジグソーパターンとは迷彩生地やデザインが少し違うユニフォームになります。
中古品ですが時代を考えると、程度は極上ですよ!
目次
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1 ベルギー陸軍空挺迷彩ユニフォーム(ジグソーパターン)とは?
以前にもベルギー軍の空挺迷彩スモック(ジグソーパターン)を二種類分析しました。
過去のジグソーパターン空挺スモックの記事はこちらです。⬇︎
今回は、同じジグソーパターンの空挺スモックですが、迷彩生地やデザインが少し違う モデルになります。
上記2点のスモックが、イギリス軍のデニソンスモックの殆どコピーだったのに対し、今回のモデルは、デニソンスモックを参考にしながらも、ベルギー独自の改良(?)を加えられています。
イギリス軍オリジナルデニソンスモックの記事はこちらです。⬇︎
さてさて、それはどこが変更されたスモックなのでしょうか?
今回は、ベルギー軍マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
スモック
前面
背面
見えづらいですが、背中上部は二枚になっています。
その裁断(波型になっています。)もエレガントですよ。
前面裏側
ベージュの生地は内ポケットです。
襟裏に専用のフードを取り付けるボタンが沢山あります。
オリジナルのデニソンスモックではなかったドローコードが追加されていますね。
背面裏側
表面ではわかりませんでしたが、二種類の迷彩布が使用されていました。
迷彩は、僅かに透けています。
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
プルオーバーではなく、フルジッパーで完全に開放できますよ。
タグ
1958年度契約品でしょうか?
表記方法も少し違う気がします。
(もしかしたら輸出用モデルかも?)
襟はダットファスナーで立てることができます。
エポレットはテーパー付きで先端はラウンドです。
デニソンスモック同様、肩を裏地でカバーしてます。
脇の通気孔はなく、大きなスリットが開いています。
裏側には補強生地あり。
肘には大面積(殆ど袖を覆う感じです。)
袖の絞り調整タブやボタンはデニソンスモックを継承
胸ポケット
ポケットフラップがエレガントなデザインです。
ボタンで開閉しますが、独特のボタン配置ですね。
腰ポケットも同様です。
しかし、ボタンホールも3個あるので、きちっと留める場合は少々面倒ですね。
デニソン譲りのテイルピースを固定するダットファスナーも継承されています。
迷彩生地が少々傷んでいるのにダットファスナーは無傷というのも変ですね。
裾左右の調整タブも継承されていますが、ダットファスナーは3個準備されています。
何故かボタンは、ライトオレンジです。他のスモックとも違っていますね。
ブラッシュパターンのボタンに似ています。
ジッパーは独特のツースです。
テイルピースはやや細身で、折り返して固定します。
裾の調整用のダットファスナー裏側
テイルピース付け根は、裾に巻き込まれています。
袖の力布 一周まわっています。
ウエストのドローコードは、丈夫なヘリンボーン生地でカバーされています。
ジッパーは「riri」ヨーロッパものに多いですね。
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボランのみ。
タグ
こちらは黒地の黄色文字。
1958年度契約品です。
左側面レイアウト
ウエスト左右には、サスペンダー用のループやボタンがあります。
見えづらいですが、スラッシュポケットあり。
(左右にあります。)
その下には膝ポケットが。
ボタンで開閉
ウエスト背面
サスペンダー用ボタン及びループが背面中央にもありますね。
股間には補強生地あり。
裾
絞られていて、スリットあり。
スリット分け目の三角形補強生地
ボタン
オレンジブラウンのプラスティック製
イギリス軍タイプの皿型ですね。
ウエストにはドローコードあり。
背面の股間には補強生地が縫い付けられています。
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3 その特徴とは?
迷彩は、色調はこれまで分析したスモックより明るいです。
これは、一番明るいカーキがライトグリーンに変更されているからですね。
パターンも少し違っているようです。
生地は、一般的なコットンツイルに変更されています、でもしっかり織られているので、ちょっとゴワゴワですよ。
デザインは、スモックがエポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、内ポケット×2で、テイルピースも付属しています。
トラウザーズは、腰スラッシュポケット×2、膝ポケット×2で、裾は絞られていてスリットあり。
ウエストにはサスペンダー用のループやボタンがあります。
全体的な縫製は、やや雑で強度も足りないベルギーらしくない仕立てですね。
4 製造とサイズのデータです。
製造・契約年度 1958年
製造場所 ベルギー
契約会社 ベルギー
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 8 56/64
602-0242
各部のサイズ(平置)
スモック
着丈 約76cm
肩幅 約56cm
身幅 約67cmc
袖丈 約66cm
トラウザーズ
ウエスト 約47cm
股上 約32cm
股下 約71cm
着丈 約103cm
裾幅 約15cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
最初に掲載したスモック2種はタグから判断すると、このスモックの後に作られたものでした。
とするなら、後から作られたモデルが、よりデニソンスモックに寄せてきているのも変ですね。
せっかく改良した衣類を、また元に戻すでしょうか?
謎ですね。
今回のモデルは、年代的にはブラッシュパターンのスモックに近いです。
ベルギー軍迷彩空挺スモック(ブラッシュパターン)の記事はこちらです。⬇︎
このスモックは、1954年製でした。
(トラウザーズは1958年製)
僅か4年後に違うパターンのスモックを採用したことになります。
これも不思議です。たまたま切り替えの時期だったのかもしれませんが…。
(今後も調査を継続します。)
それはともかく、スモック自体は、前身頃がフルジッパーに変更されたので使い勝手がよくなりましたね。
(できれば上下から開くダブルジッパーが欲しかったところです。)
生地は薄いですが、防風性能は高いですよ。
おそらく、この生地の織り方から雨にも強いかもしれませんね。
これまで見てきた同じモデルでは、大きいサイズが多かったですが、時々小さいサイズも確認できました。
しかし、どのサイズも傷んでいるものが多かったですね。
購入する場合は、サイズもそうですが、細部までよく状態を確認しましょう。
幸いにも現在大手通販サイトで取り扱われていますよ。
入手は容易のようです。
今回は、最初期と思われるベルギー陸軍ジグソーパターンの空挺迷彩スモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に謎が多いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240324更新)
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参考:他のベルギー軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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