今回は、1980年代のイギリス軍迷彩スモックを分析します。
購入した当時は最新鋭だったのですが、現在ではベテランになってしまいましたね。
P68よりも大幅に軽量化されているのが特徴です!
今回は中古ですが程度は極上ですよ!
目次
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1 イギリス陸軍迷彩スモック(P85・一般兵科用)とは?
1982年に発生したフォークランド戦争を、P68スモックで乗り切ったイギリス軍でしたが、同時に重大な問題に直面しました。
気温の低いフォークランドではP68スモックの上下にパーカーやセーターを重ね着するのですが、そうすると着ぶくれて動きにくくなったり、重量が増加してしまいましたね。
これにより移動や戦闘にも一部で支障が出ていたようですよ。
そのため戦後イギリスは、すぐさまP68の改良に着手します。
そして完成したのが、今回のモデルです。
P68を大幅に改良して、より使い易さを追求したモデルになっていますね。
さてさて、それはどんな迷彩スモックなのでしょうか?
今回はイギリス軍マニアのみならず、DPMファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真
前面
背面
P68にあったテイルピースが廃止されています。
背面は2枚の生地で縫製されていますね。
前面裏側
迷彩は白い生地に全色をプリントしてあります。
僅かながら迷彩が透けていますね。
背面
ライニングは全面ではなく、一部は省略されています。
(イギリスではハーフラインと言います。)
ウエストのドローコードは左右で調整するタイプ。
襟はボタンで立てることができます。
前合わせはジッパーとボタンです。
ジッパーはかなり下までありますね。
タグ
サイズとデータが一緒に記載されるようになりました。
表記されている170は身長、96は胸囲のことです。
(センチメートル)
エポレットは、テーパーなしのラウンドタイプです。
ボタンで開閉。
胸ポケット
角度がついています。
ボタンで開閉。
極地用スモックのような折り返しはありません。
でも表の各ポケットにはマチが付いていて、容量はP68よりアップしていますよ。
腰ポケット
ボタンで開閉。
左袖のマチ付きポケット
ボタンで開閉。
右袖のポケット
向かって左側にペンポケットあり。
ボタンで開閉。
袖の開閉・調整はボタンからマジックテープに変更。
同時にマチも無くしました。
左胸の内ポケット
勿論、背面裏側下部には大きなポケットがあります。
2個のボタンで開閉。
P85の特徴でもある、エポレットに並行した生地の向い目が見えます。
(P68では、エポレット付近からポケットにかけて斜に縫い目がありましたね。)
ボタンはP85用の官給品で濃いグリーンです。
多くのP68とは形状が若干違いますね。
迷彩生地の裏側には、ナンバリングが。生地の種類でしょうか?
ジッパー
刻印は「SLIK」
下端の生地はプラスティックで補強されていますね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ホワイトの生地にダークイエロー(またはタン)、グリーン、ブラック、ブラウンを用いて、刷毛で小さく丸く塗ったようパターンをプリントしています。
P68と迷彩パターンは同じですが、迷彩色調が僅かに変更されていますね。
(P85もパターンが違うモデルも存在します。)
特にブラウンが濃くなったため、ブラックとの色調差が小さく見えますね。
これにより標準的なP68DPMに比べ、全体的に暗く見えるのが特徴です。
生地は、防風織りしたコットンで、より軽量化が図られています。
デザインは、P68を踏襲しつつポケットが改良されたり、袖ポケットが追加されていますよ。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケット×2、内ポケット、背面裏側の大ポケットです。
特筆すべきはライニングで、P68スモックでは全面にありましたが、今回のモデルでは一部のみになりました。
(いわゆるハーフラインですね。)
でもこれで、スモック全体の軽量化と動きやすさが改善されていますね。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確ですが、やや強度が足りない場合があるようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1985年頃
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 170/96
各部のサイズ(平置)
着丈 約77cm
肩幅 約45cm
身幅 約59cm
袖丈 約57cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 愛知県の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
改良されたP85ですが、大幅な軽量化が達成されて、より使い易くんりましたね。
また、今回は準備できませんでしたが、単体で着用できる専用の軽量ライナーも開発されて、より幅広い温度帯に対応できるようにもなりましたよ。
ところで、色調のバリエーションが多いDPMですが、今回のモデルも大幅に色調の違うモデルが存在していますね。
意図的でしょうか?誤差でしょうか?使用する地域で分けているのでしょうか?
(じつはイギリス軍もわからなかったりして…。😅)
今回のモデル以降の一般兵科用DPMスモックは、ダークイエローがオレンジイエローになったり、生地にリップストップを採用したり、混乱を極めてきます。
(これはDPMが廃止されるまで続きました!)
ところでP85スモックは、採用されて30年以上経ちます。
さすがに最近はデッドストックを見かける事が少なくなりました。
(中古品も減っていますね。)
でも普段着として使用する場合、アメリ軍のM65ジャケットなどとは違って、より軽い感じで着用できるところが魅力です。
DPMマニアならずとも、購入しておいて損はないでしょう。
日本のフィールドでも効果抜群なスモックなので、サバイバルゲーム、狩猟、野鳥観察、ヒストリカルゲーム等々何でも手軽に使えますよ。
安価で効果的な迷彩服をお探しのあなたにおすすめです。
今回は、イギリス軍が1980年代に採用したP85DPMスモックを分析しました。
いやー、軍装品って本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240923更新)
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読んでいただき、ありがとうございました。
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