こんにちは!
今回は、旧東ドイツの珍しい迷彩服を分析します。
歩兵用のジャケットであろう…と軽い気持ちで入手したのですが、細部を観て驚きました。
あまり目にしないアイテムです!
目次
- 1 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケットとは?
- 2 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケットの全体及び細部写真
- 3 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケットの特徴とは?
- 4 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケット製造とサイズのデータ
- 5 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケットまとめ
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1 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケットとは?
第二次大戦後、東西に分断されたドイツですが、東ドイツは共産圏に属していました。
ドイツは、東西冷戦の最前線だったのですね。
当時の西ドイツがアメリカ系の装備を整えていたのに対し、東ドイツは当然ソ連系の装備体系でした。
でも東西ドイツとも、当初は指導国の物を使用したりしていましたが、個人装備に関しては新しく開発したり、改良していきました。
東ドイツは1950年代に、それまでの旧ソ連軍装備を改変し、独自の迷彩服を採用しました。
それが通称「ノコギリ刃」パターンと呼ばれる迷彩でした。
旧東ドイツの旧型迷彩のスモックに関する記事はこちらです。⬇︎
www.military-spec-an.comその後1970年には、それまでと打って変わった通称「レインドロップ」という迷彩に変更し、東西ドイツの再統一まで使用されました。
今回のモデルは、その「レインドロップ」装備の中でも珍しい、ヘリパイロット用のジャケットになります。
さて、どんなジャケットでしょうか?
早速、確認していきましょう!
2 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケットの全体及び細部写真
前面
遠目に観ると、単色に見える独特の迷彩ですね。
背面
前面裏側
左胸の変わった形の生地に注意です。
背面裏側
迷彩は裏側に全く透けていません。
前合わせはボタンのみです。ボタンは縫い付けです。
サイズタグ
襟周辺(鎖骨付近)には、用途不明のループが。
肩の穴や明るい生地のループは、階級章取り付け用です。
胸ポケット
2個のボタンで開閉 ボタンは縫い付けです。
左胸ポケットの内側に、小さいボタンで開閉する隠しポケットがありました。
なんとホルスター(拳銃入れ)になってましたよ。
位置をキープするためにストラップで留められています。
襟の内側には、ボア(ムートン)を装着するための小ボタンが準備されています。
脇の通気孔は、焼きゴテで開けたように、アナの周囲が焦げていました。
袖のスラッシュポケット
2個の反射防止処理された表出しプラスティックボタンで開閉
ポケット上のループも用途不明です。
肘の補強記事はヘキサゴンタイプです。
襟の裏の生地は、迷彩が途中で切れていました。何故でしょう?
生地内側のスタンプですが、不鮮明です
袖口は内側から補強されています。
袖口のボタンは縫い付けではなく、穴があってそこにボタンの軸を通し、軸を裏から金具で固定するタイプです。
第二次大戦のドイツ軍制服M36なんかに似た処理ですね。
これなら縫い付ける必要はなくて、便利?
ボタンは袖ポケット同様、表面が防反射加工されたプラスティックです。
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3 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケットの特徴とは?
迷彩は、オリーブグレイをベースに、ブラウンでやや長い波線を描いています。
これとよく似た迷彩は、チェコやポーランドでも採用されていましたよ。)
通常迷彩は濃淡数色のカラーを用いて、物の形をその物とは見せない工夫がなされるのですが、この迷彩は離れると形がはっきりわかってあまり効果がないように見えます。
記事は少々厚めのツイルですが、防寒性能はなさそうです。
デザインは、一見初期型の歩兵用に似ていますが、細部を観察すると別物だということがわかります。
特筆すべきは、左胸の隠しポケットで、ホルスターになっていました。
(マカロフ用?)
これまで、ブルガリア軍の空挺ジャケット、旧ソ連軍のヘリクルージャケット等、ワルシャワ条約機構の航空装備を分析してきましたが、同じようなホルスターを装備していましたね。
また、襟にはボアを取り付けるためのボタンが取り付けられています。
また、袖のボタンは、特殊な方法で固定されています。
ドイツの装備…という感じがしますね。
4 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケット製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1980年代
・製造場所 旧東ドイツ
・契約会社 旧東ドイツ
・製造会社 〃
・材質 コットン
・表記サイズ m 48
(日本人のM)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約74センチ
肩幅 約48センチ
身幅 約54センチ
袖丈 約58センチ
・状態 中古上品
・官民区分 官給品
・入手場所 ヤフオク
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5 旧東ドイツ陸軍迷彩ヘリクルージャケットまとめ
ドイツが再統一を果たした1989年以降、それまで文字通り「鉄のカーテン」内にあった東ドイツ軍の装備品が、多量に日本に入ってきました。
東京の老舗ミリタリーショップが大量に仕入れて、安価に販売したので、一時期大ブームになりましたね。
でもその当時のパンフレットを観ても、今回のモデルは見当たりませんでした。
最初戦車兵用かな?とも思いましたが、戦車兵用ジャケットには戦車のパッチ(ワッペン)が縫い付けられていたので、ヘリクルー用と判断しました。
あるサバイバルゲーマーの報告では、野外では意外と迷彩効果が高いのだとか。
本当でしょうか?
できれば、日本のフィールドでどう見えるのか試してみたいですね。
旧東ドイツの装備は、こと「レインドロップ」に関しては、すぐになくなることは無いようです。
でも、ジャケットやパンツは、段々と自分に合うサイズが減ってきているように感じます。
そろそろ手を打った方が良いかもしれません。今ならまだ間に合います。
亡国の装備品を揃えることができるのは、今かもしれませんよ。
今回は、今後さらに減っていくであろう旧東ドイツ軍の珍しい迷彩服を分析しました。
次回は、ドイツつながりで大戦中のドイツ軍迷彩服を分析します。
お楽しみに!
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参考:同時期の旧ソ連陸軍迷彩パイロットスーツの記事はこちらです。⬇︎
同時期のアメリカ軍ヘリクルージャケットの記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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