今回は、1980年代の旧西ドイツ空軍レザーフライトジャケットを分析します。
伝統あるデザインですが、最近廃止されたのかもしれません。
まさかとは思うのですが…。
それはともかく、今回は奇跡の極上品ですよ!
目次
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1 旧西ドイツ空軍レザーフライトジャケット(1980年代・官給品)とは?
第二次大戦で敗れたドイツは、あろうことか東西に分割され、西ドイツは北大西洋条約機構(NATO)の一員となります。
当時の西ドイツは、アメリカ指導の下、当初アメリカ製兵器を装備していました。
空軍は、F-86、F-104、F-4と、日本と同じような戦闘機を装備していましたね。
ところがパイロットの装備は、早い段階で独自のものを開発・支給していましたよ。
特にフライトジャケットは、グレイをシンボルカラーとするドイツ空軍に対し、アメリカ軍は実戦的なグリーンや象徴的なブルーを基調としていました。
おそらくそんなアメリカ軍装備をそのまま使用するには、抵抗があったのでしょうね。
今回のモデルは、そんな旧西ドイツ空軍が1950年代に採用したフライトジャケットになります。
独特のデザインが魅力的ですよ。
さてさて、それはどんなジャケットなのでしょうか?
今回は、ドイツ空軍マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
襟のニット、左右非対称のデザインが特徴的ですね。
背面
ゆるいシワは、レザーの柔らかさを表しています。
前面裏側
オレンジの生地が鮮やかですね。
背面裏側
うなじのタグ
襟はジッパーで上端まで上げられます。
垂直ジッパーの胸ポケット
この中にはより詳しいタグがあります。
官給品の特徴ですね。
(タグには廃品(?)を示すスタンプが押してあります。)
左袖のシガレット(?)ポケット
ジッパーで開閉。
形が独特です。
肩の国籍マーク
通常はこの下にパイロット章と階級章を縫い付けます。
でもこのモデルにはその跡がありませんでした。
腰ニット
ニットは全て化繊です。
袖ニット
脇には通気用のスリットがあります。
このモデルで使用されているジッパーは全て「OPTI」です。
脇のスリット(裏側)
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3 その特徴とは?
レザーはゴートスキン(山羊皮)で、アメリカ軍の現用A–2と同様ですが、ブルーグレイに染められています。
通常「革ジャン」はブラックやブラウンが多いのですが、グレイは珍しいですね。
(ライダースジャケットに、あったような、なかったような…。)
一方ライニングはインシグニアオレンジです。
これは遭難時に発見されやすくするための配慮ですね。
(フライトスーツもオレンジ色がありました。航空自衛隊も昔はそうでしたね。)
デザインは、基本アメリカ軍のMA–1に似ていますが、腰ポケットを排し、垂直ジッパーで開閉する左胸ポケットのみにしていますよ。
(これは、大戦中の布製フライトジャケット(フリーガーヤッケ)のデザインを踏襲しています。)
裾、袖そしてなんと襟もニットを採用しています。
襟は上端までジッパーがあり、閉めることでスタンドカラーになります。
左袖にシガレット(?)ポケットがありますが、ベースの形がカッコいいですね。
内ポケットはありません。
「内ポケット無し」「左胸ポケット内にタグ」がこの時期の官給品の特徴です。
全体的な縫製は、とても丁寧かつ正確で、ドイツの高い技術で仕立てられていますね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1989年
製造場所 旧西ドイツ
契約会社 旧西ドイツ
製造会社 〃
材 質 ゴートスキン
(山羊皮)
ナイロン
表記サイズ 170/88
日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約67cm
肩幅 約49cm
身幅 約57cm
袖丈 約65cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 2(やや困難)
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実物 USED ドイツ軍 BLW(ドイツ連邦空軍)レザー フライトジャケット(表記190/100 グレー)
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5 まとめ
このジャケットは、大戦中にメッサーシュミットMe109戦闘機を駆って、敵機を352機も撃墜した撃墜王「エーリッヒ・ハルトマン」が着用していましたね。
このジャケットを着て、同僚や部下隊員と笑顔で談笑している写真がありますよ。
(彼は戦後のソ連抑留を経た後、西ドイツ軍に在籍してドイツ空軍の再建に尽力ました。)
ところで、実際にこのジャケットを着てみると、ゴートスキンのしなやかさに驚きます。
また、襟がニットでジッパーで立ち上がるのも嬉しいですね。
(アメリカ空軍のA-2より防寒性能が高いかも?)
レザーは風を通さないので、冬は中にセーターなどを着れば十分暖かいですよ。
(現代のフリースやヒー◯テックなら真冬でも万全でしょうか?)
バイカーの皆さんにもおすすめです。
今回のモデルは、使用感が全くないデッドストックですが、タグには廃品を示すスタンプ(?)がしっかり押されてました。
もしかしたらドイツ本国では、このモデルは用途廃止になったのかもしれませんね。
だから、未使用品といえど全て廃棄(民間に払い下げ)しているのかも。
(そういえば約20年前から、東京の老舗ミリタリーショップで、このジャケットが沢山販売されていました。今もあるのかな?)
…とするなら、今後数は減っていく一方ですね。
事実確認の必要がありますが、もしそうだとしたら購入するのは「今」かもしれませんよ。
また少々値段は張りますが、アメリカ製モデル品も販売されています。
新品でサイズも各種あるので、払下げ品に抵抗のある方は、お好みでどうぞ。
今回は、旧西ドイツ空軍の歴史あるレザーフライトジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20241016更新)
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参考:今回のモデルの原型と思われるフライトジャケットに関する生地はこちらです。⬇︎
今回のモデル後にマイナーチェンジが行われたモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
各国のレザーフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルと同時期に使用されていたドイツ空軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のドイツ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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