今回は、1990年代の陸上自衛隊迷彩ユニフォームを分析します。
これまで空挺バージョンやPX品を分析しましたが、今回は一般用の官給品になります。
令和になっても、人気の迷彩服ですね。
中古品ですが、程度は極上ですよ!
目次
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1 陸上自衛隊迷彩ユニフォーム(1型迷彩・一般用・官給品)とは?
資料によっては、「65式」とされる迷彩服1型(通称:熊笹迷彩)。
迷彩服2型が新たに採用されるまでは、あくまで演習時のみ着用する限定着用の迷彩服でした。
その明るい色調からマニアの間では「効果がない」「移動間も停止間も目立つ」などと酷評されていますが、本当にそうでしょうか?
むしろ、停止間は最強の迷彩服ではないかと思っています。(私見ですが…。)
迷彩服は、ただ周囲の風景に溶け込ませる事だけが目的ではありません。
場合によっては、周囲と違う色を用いて錯視させる事もあったりします。
そういう意味では、なかなかの迷彩だと思うのですが、皆さんはどう思いますか?
今回は、コアな自衛隊マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
上衣
前面
明暗がはっきり分かれていて、、メリハリのある迷彩ですね。
裾を下衣に入れるため、着丈が長いです。
裾のデザインも、Yシャツに似ていますよ。
背面
官給品の迷彩生地に見られる「ワンコ」がいますね。
迷彩各色が接している箇所が多いですね。ここが初期型との違いです。
前面裏側
背面裏側
ライニング(裏地)が背中上部のみあります。
前合わせは、ジッパーのみです。
上衣タグ
1990年度契約で、迷彩服1型の末期生産品と言えます。
エポレット
僅かなテーパー付きのクサビ型です。
胸ポケット
ボタンで開閉
ボタンホールは、ポケットフラップ側に縫い付けられています。
ここも初期型と違っていますね。
ジッパーのプルタブには桜マークが!
メーカーは勿論、世界の「YKK」です。
袖
マチ付きでボタンで開閉・調整
肘の補強生地は、裏側に縫い付けられています。
脇の通気孔
普段は目立たなくなっています。
襟はボタンで立てることができますが、ジッパー 上に三角形の隙間ができます。
下衣
前面
背面
前面裏側
背面裏側
下衣タグ
こちらも1990年度契約品です。
前合わせはボタンのみです。
ボタンの数が多いですが、下から留めるのが早く留めるコツです。
側面配置
空挺服にあった左右のスラントポケットがありません。
腰ポケットの位置も空挺服に比べて高いですね。
腰ポケット
ボタンで開閉
ベルトループは極太タイプで、これはその後の迷彩服でも継承されています
裾は迷彩側が裏側に回り込んでいます。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトグレイグリーン(明灰緑色?)の生地にグリーン(濃緑色?)、レッドブラウン、マホガニーブラウンで、雲のような葉のようなパターンを描いています。
私はこの迷彩を識別する時に、下のワンコとプテラノドンの存在を確認します。
これが、官給品迷彩生地の証なんですよね。
今回の迷彩生地にも、しっかりプリントされていますね。
生地は、コットンとビニロンの混紡ツイルで、薄く丈夫です。
(ただし真夏は蒸して、真冬はこれだけでは寒いです。)
デザインは、ODの一般用戦闘服と同じで、空挺服のように凝った作りではありません。
構成は、上衣がエポレット付き、胸ポケット×2、前合わせはジッパーのみ。
下衣は、腰ポケット×2のみで、とてもシンプルですよ。
サイズもルーズフィットで、空挺服よりやや着やすいように感じますね。
内ポケットやライナー用のボタン等は一切ありません。
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、さすが日本の製品といった感じです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ビニロン
表記サイズ 2
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
上衣
着丈 約75cm
肩幅 約43cm
身幅 約56cm
袖丈 約57cm
下衣
ウエスト 約42cm
着丈 約103cm
股上 約33cm
股下 約74cm
裾幅 約23cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 東京のイベント
入手難易度 4(極めて困難)
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5 陸上自衛隊迷彩服1型(一般用・官給品)まとめ
実際に着用してみると、上衣を下衣にインする形式は、何か違和感がありますね。
(確かに腰回りはスッキリしますが…。)
サイズは、標準的な日本人の体型で製造されているため、無理せず着用できるサイズなら袖丈や股下もしっくりきますね。
(昔は「身体を服に合わせろ!」なんてメチャクチャな指導もされましたよ。時代ですねえ。)
その昔「◯」というミリタリー雑誌に、この迷彩パターンを考えたのは、東京の老舗ミリタリーショップだったという記事が載っていました。
当時の防衛庁から依頼されたとか?
確かにそれを示す物的証拠もあったりしたので、本当の話なのかもしれません。
開発の経緯はともかく、自衛隊が初めて採用したこの迷彩服は、今では立派なコレクターズアイテムになっています。
また、当時発売されていたPX品も、タグが違うだけで官給品と同じ迷彩生地やパーツで製造されていたモデルもあり、官給品についで稀少品とされているようです。
この迷彩服は、着用目的ではなく、程度の良いものを入手して保管しておくのが良いかもしれませんね。
(後日オーナーを助けてくれるかもしれませんよ。)
最近は、さすがに数が減ってきました。
(絶滅危惧種化しつつありますね。)
もし、程度の良いものを見つけたら、積極的に保護してあげましょう!
今回は、陸上自衛隊の旧い、でも懐かしい迷彩服を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231002更新)
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参考:過去の陸上自衛隊迷彩服1型関連記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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