今回は、2010年代のウクライナ軍の迷彩ユニフォームを分析します。
諸事情で急遽製造されたとされていますが、以前から研究はされていたようですね。
勿論、ブタン迷彩ではありません。
偶然入手できたデッドストックですよ!
目次
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1 ウクライナ陸軍新型迷彩ユニフォーム(デジタルタイプ)とは?
旧ソ連邦でありながら、ヨーロッパ有数の親日国であるウクライナ。
日本の力士「大鵬」のお父さんの出身地ということでも有名ですね。
第二次大戦中は、独ソ戦の主戦場となり、ウクライナ国内も両陣営に分かれて戦いました。
紆余曲折を経て旧ソ連邦に組み込まれましたが、ソ連崩壊後の1991年に独立しています。
しかし2014年のウクライナ騒乱で、ロシア寄り政権が倒れると、即刻ロシアはウクライナ侵攻を決定。
クリミアへ侵攻しました。
(ロシアは容赦ないですね。以前から仲は悪かったようですが…。)
ところが、どちらの軍も一部でよく似た迷彩服を着用していましたね。
これが、いわゆるブタン迷彩だったそうです。
(この迷彩は、ウクライナ起源という説もあります。)
そこでウクライナは友軍相撃を避けるためと、それまでの軍を一新する目的で、新しい迷彩服を導入しました。
今回のモデルは、その新型迷彩服になります。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
何となくですが、迷彩が全体的に斜めに流れているように見えますね。
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーとマジックテープです。
胸パッチポケット
ジッパーで開閉
フランス軍T4戦闘服のように、ポケット口がかなり身体の外側にあります。
やはりアーマーベストなどの使用を考慮したのでしょうか?
でも、このポケットの裏に、隠しスラッシュポケットが!
左右で4ポケットになります。
前見頃中方には、階級章を付けるための生地とマジックテープが標準装備です。
左右袖にもポケットがあって、ジッパーで開閉します。
袖の補強生地は、下部にマジックテープで開閉できるスリットがあります。
ウレタンなどのパットを入れるためのものです。
袖口
マジックテープで開閉・調整
とてもシンプルですね。
脇にはボタンホールのような通気孔が。
背中には、アクションプリーツがあります。
ジャケットのタグは、入手当初から切り取られていました。
内ポケット
このポケットも強力なマジックテープで開閉します。
胸の隠しポケット裏側の記事
肘の補強生地は台形ですね。
タグはなかったですが、商品用のタグは残っていました。
トラウザース
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーと上部のボタンです。
ウエスト側面
ベルトループが太くて、自衛隊の作業服や戦闘服のようですね。
膝ポケット
二重のプリーツ付き。
マジックテープで開閉。
ポケットフラップの前端は縫い付けられています。
膝カーゴポケット下にも小さなポケットが。
裾はマジックテープで開閉・調整
ウエスト背部
左右にウエストをマジックテープで調整するタブがあります。
自衛隊作業服のように、太いベルトループが特徴的ですね。
股の補強生地にも注意。
膝の補強生地内にもパットが挿入できます。
股の裁断
独特のデザインです。
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3 その特徴とは?
まず迷彩ですが、ベージュの生地にライトグリーングレイ、グレイ、オリーブグレイ、ブラックグレイの小さいダットで雲型を描いています。
ベージュの影響でしょうか?全体的にやや黄色っぽく見えますね。
(デザート(砂漠)系の迷彩にも見えます。)
生地は薄いコットンと化繊のリップストップです。
(感触から、もしかして難燃繊維との混紡かもしれません。)
デザインは、近年の戦闘服同様、シャツは胸ポケット×2、袖ポケット×2。
トラウザースは、サイドのスラントポケット×2、膝のカーゴポケット×2ですが、カーゴポケットの下にも小さなポケット×2が設けられています。
また、ヒップポケットはありません。
珍しいですね。
今回のモデルも肘や膝にパットが挿入できるように工夫されていますよ。
これは有難いです。
サイズ感は、アメリカ軍の「M」または「40インチ」で表記サイズよりゆったりしていますよ。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で、強度も十分です。
高い技術で仕立てられていますね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2017年
製造場所 ウクライナ
契約会社 ウクライナ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン(?)
表記サイズ 48/4
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約75cm
肩幅 約48cm
身幅 約56cm
袖丈 約62cm
トラウザース
ウエスト 約43cm
着丈 約105cm
股上 約28cm
股下 約80cm
裾幅 約22cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品(?)
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
よく似たデジタル迷彩といえば、アメリカ軍のACU/UCPがありますね。
でも今回のモデルはACU/UCPに比べてメリハリが効いていて、迷彩効果は高いように見えます。(私見)
また、その色調からマルチカムカム的な位置づけにある迷彩服ではないでしょうか?
(以前の各種ブタン迷彩から較べると、正反対の迷彩に思えますね。)
ぜひ日本でも効果を確認してみたい迷彩服です。
ところで今回のモデルも偶然入手できたもので、まだ市場には出回っていないようです。
現時点では、入手困難なアイテムと言えるでしょう。
しかし新しい迷彩服ですので、暫く待っていたら輸入される…と思っていましたが、今回の戦争でそれも難しいようです。
「稀少品」を売りにした高価な商品には手を出さず、気長に待ってみましょう!
今回は、ウクライナの新しい迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240222更新)
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参考:各国のデジタル迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
アメリカ軍のマルチカム迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
ウクライナ軍関連装備に関する記事はこちらです。⬇︎
旧ソ連軍ブタン迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
www.military-spec-an.com ✳︎ ✳︎ ✳︎
ウクライナのある兵士のニュースです。
https://twitter.com/rata19841009/status/1486631721370263556?s=21
西側ガチ装備兄貴で話題になったニュース映像だけど、自分は民兵訓練に参加した14歳の少年二人組から目が離せなかった。
— らた🐀 (@Rata19841009) 2022年1月27日
14歳の、子供やぞ…それが自分の意志でAKとRPG抱えてるんだ、時代がそうさせたとはいえ…こんな哀しい事はない。 pic.twitter.com/1cAI6iU2MQ
少年兵が今回のモデル(と思われる迷彩ユニフォーム)を着用していますね。
なんとかロシア軍の撤退を望むところですが…これは遠い異国のことではありません。
日本を狙っているヤクザ国が我が国の周辺には存在します。
ヨーロッパの状況もさることながら、近隣のヤクザ国の動向にも細心の注意を払いましょう!
マインドは「恐れず、侮らず」でいきましょう!
読んでいただき、ありがとうございました。
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