今回は、1980年代のイギリス軍迷彩パーカーを分析します。
マニアの間では、フォークランドパーカーなんて呼ばれていますね。
なかなか面白いアイテムですよ!
中古品ですが程度は極上です!
目次
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1 イギリス陸軍DPM寒候期用パーカー(フォークランドパーカー)とは?
1982年に、イギリスとアルゼンチンとの間で勃発した「フォークランド戦争」(何故か日本では「紛争」になってましたね。でもあきらかに戦争でした。)では沢山の事が判明しました。
評価を上げたイギリス海軍シーハリアーの空戦能力と運用していたサイドワインダーの性能。
アルゼンチン軍スカイホークの攻撃能力、シュペルエタンダールから発射されたエグゾセ対艦ミサイルの威力。
一方イギリス軍艦艇の脆弱性、ミラージュ戦闘機とその運用しているミサイル(こちらもサイドワインダー)の旧式化等々、テレビから得られる情報に興味津々でした。
中でも私が一番印象に残ったのは、イギリス軍地上部隊でした。
(この辺りの視点がおかしいとの指摘も…😅)
対するアルゼンチン軍が、殆ど迷彩服を着用していないのに対し、イギリス軍はDPMで統一していましたね。
(アルゼンチン軍は、識別のために迷彩服を使用しなかったという説もあります。)
使用されていた迷彩服は、極地用、一般用、空挺用の各DPMスモックでしたが、中には少数ながら、やたら着丈の長いスモックを着用している兵士がいました。
「なんだこれは?」…と正体不明のスモックに困惑したのでした。
結局フォークランド戦争後に、僅かですが日本にも輸入されて、やっと確認することができましたね。
それが今回のモデルです。
正式名称は、「メンズパーカー(コールドウェザー)」になっていますよ。
さてさて、それはどんな迷彩パーカーなのでしょうか?
今回は、イギリス軍装備品マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
いつもの袖ポケットはありません。
着丈がとても長いですね。
背面
前面裏側
内ポケットはありません。
背面裏側
フードのみ、キルトのライニングあり。
空挺スモックのように、テイルピースが取り付けられていますね。
前合わせはジッパーとマジックテープです。
タグ
上のマジックテープは、専用ライナー用
エポレットはテーパー付きのラウンドタイプ。
ボタンは極地用スモックに使用されている大きいタイプですね…。
(ボタンは全てこのタイプです。)
胸ポケット
角度が付いていて、ボタンで開閉。
ポケット口は、ちゃんと折り返しがありますね。
腰ポケット
こちらもボタンで開閉。
肘の補強生地
腕を一周しています。
袖口はマジックテープの付いたストラップで調整します。
(3本のループが、何かと引っ掛かりそうですね。)
袖の先端も別の生地で補強してありますよ。
フードはワイヤー(太い銅線)内蔵で、写真のように自立します。
フード裏側
厚みのあるキルトです。
これは暖かいかも。
背中上部は生地が二重になっています。
ウエストのドローコードは左右で調整します。
下半身には、大容量のポケットとテイルピース
今回は、テイルピース固定用のボタンが最初から紛失していました。
(だから安かったです。)
袖の裏側
ライナー用のマジックテープ
フードドローコードのロックは、いつものスウェーデン製「Fixlock」です。
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3 その特徴とは?
迷彩は定番のDPMです。
ホワイトの生地にダークイエロー、グリーン、ブラウン、ブラックを刷毛で丸く塗ったようなパターンを描いていますね。
今回のモデルは、DPM生地が後のP85になっていて、フォークランド戦争後のモデルのようです。
そのため極地用スモックのような薄いギャバジンではなく、サテンに近いです。
デザインは、極地用スモックのポケットから下を伸ばした印象ですね。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、テイルピース付きです。
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧で、イギリス軍らしい仕立てといえます。
注意点はサイズで、セーター、スモックを着用した上に着用するというコート的な使い方をするので、表記サイズが同じでも、1〜2サイズほど大きいデザインになっているところですね。
また専用のライナーもあって取り付けることができます。
4 製造とサイズのデータです。
製造・契約年度 1980年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
表記サイズ 170/96
(日本人のXL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約92cm
肩幅 約56cm
身幅 約70cm
袖丈 約59cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
スタジアムパーカーなどもそうですが、着丈の長い衣類は防寒能力に優れていますね。
実際の戦闘では少々邪魔かもしれませんが、風が強そうなフォークランドの島々では重宝したことでしょう。
でも、フォークランドでの使用量(支給量)は僅かだったようです。
入植していたイギリス人を救うために、本国を離れたフォークランド諸島での戦争を決断した、当時のイギリスサッチャー政権。
見事に領土を守り切りました。
でも、現地では兵士の防寒装備や弾薬の不足に悩まされていましたね。
(両軍とも同系列の小銃を採用していたため、弾薬を消費したらアルゼンチン軍から鹵獲した弾薬を使用していたそうです。)
今回のパーカーも、一部の兵士に支給されたのみで戦争は早々に終了してしまいました。
その後、何故かこのパーカーを使用しているのを見たことがありません。
もしかしたら、一時的に採用した装備なのかもしれませんね。
そんな今回のパーカーですが、激しく動くサバイバルゲームでは、長い着丈が煩わしいかもしれません。
でも、あまり動かない野鳥観測や狩猟の待ち伏せには適しているようですよ。
人間のシルエットを隠すことができるので、人のみならず野生動物にも効果的な迷彩服ではないでしょうか?
ただ、このパーカーも数が少ないです。
また見つけても、表記サイズよりかなり大きい物が多く、購入には二の足を踏んでしまいますね。
(価格も高いものが多いですね。)
どうやらDPMマニア以外は手を出さない方がよいようです。
私は、フォークランドで使用された、P68DPMのパーカーを探してみます。
今回は、イギリス軍がフォークランド戦争で使用した迷彩パーカーを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231205更新)
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参考:イギリス軍の各種スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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