今回は、1990年代のスロベニア陸軍迷彩服を分析します。
珍しい国の珍しい迷彩服ですね。
ちょっと前の迷彩服ですが、将来を見据えて製造された(?)可能性がある優秀な迷彩服です。
中古品ですが程度は良好ですよ!
目次
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1 スロベニア陸軍迷彩ユニフォーム(グレイ生地・リーフパターン)とは?
スロベニアは、イタリアの東隣りにある小さな国です。
長らくユーゴスラビアの連邦国として存在していましたが、1991年に連邦を解消して独立しています。
それまで、周辺の多くの国に翻弄されてきたスロベニアの歴史は、まだ始まったばかりなのですね。
そんなスロベニアの軍装は、主要国の影響をあまり受けていないデザインで知られています。
どちらかというと、周辺国であるユーゴスラビアやセルビアの影響を受けているようですよ。
特にそのカラーは、グレイをベースとしたところが特徴ですね。
さてさて、それはどんな迷彩服なのでしょうか?
今回は、スロベニア装備マニアのみならず、迷彩服コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
グレイを基調とした、やや暗い迷彩ですがメリハリは効いていますね。
背面
前面裏側
前身頃のライニング(?)は独特の裁断です。
やはりお腹は大切ですよね。
背面裏側
前合わせはジッパーとボタンです。
タグ
サイズタグ(手前の小さいタグ)の後ろに大きなメーカータグ
なんかカワイイですね。
エポレットはテーパー付きのクサビ型で短いです。
右胸ポケット
2個のボタンで開閉
腰ポケット
こちらも2個のボタンで開閉
ポケット中方にプリーツが付いています。
左胸ポケット
ポケットフラップ中央に、ボタンで開放できる用途不明なストラップが付いていますよ。
袖口はボタンで開閉
ウエストにはピストルベルト(弾帯)用のループがあります。
珍しい装備ですね。
脇の下は、大胆なV字カットです。
他国にはない斬新な裁断ですね。
ウエストのドローコードは迷彩生地でカバーされています。
前身頃の面積の大きい生地の裏に…
ウエストのドローコードが隠されていました。
左胸にはボタンで開閉する内ポケットが設けられています。
裾にもドローコードが。
ウエストのコードと別物です。
ジッパーは「YKK」
正しい選択ですね。
襟はチンストラップでスタンドカラーになります。
襟の中にはフードが内蔵されていました。
どおりで…襟がモコモコだと思いました。
フードはシェルと同じ生地で、簡易フードではありません。
襟は横長の袋状になっていて、普段は小さいボタンで閉められています。
左袖のパッチ
スロベニア軍の紋章です。
トラウザーズ
前面
ジャケットに比べてかなり褪色していますね。
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみです。
裏側には三角のストームフラップ(ウインドシールド)あり。
タグ
表と裏
右側面レイアウト
ウエストにはサイズ調整用のストラップがあるはずですが、欠品でした。😅
腰スラントポケット
ヒップポケット
ボタンで開閉
膝ポケット
こちらは2個のボタンで開閉
ポケット表面のステッチに注意!
ポケットは内側に小さいポケットあります。
膝の補強生地
大面積ですね。
裾にはドローコードを内蔵
(ゴム紐ではありません。)
今回のモデルは、スラントポケットの内側生地が左右とも破損していました。
ヒップには円形の補強生地あり。
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3 その特徴とは?
迷彩は、グレイの生地にブラウン、オリーブグリーン、チャコールグレイで雲や葉のようなパターンを描いています。
面白いのは、各色が必ず接していて、斑点のように独立した部分がありません。
何か効果があるのでしょうか?
生地は、やや厚みのある滑らかなツイルで、コットンとポリエステルの混紡です。
デザインは、ジャケットは典型的な4ポケットのコートタイプですが、左胸ポケットには用途不明(?)のストラップや、ウエストにはピストルベルト用のループがあるなど、独特ですね。
特筆すべきは、前身頃裏側の生地(ライニング?)で、江戸時代の人足が着用してた腹巻(?)のように前面裏側に縫い付けられています。
(勿論、ジッパーで左右に分割されていますが…。)
襟には、しっかりしたフードが内蔵されていますよ。
一方トラウザーズは、スラントポケット×2、ヒップポケット×2、膝ポケット×2ですが、膝ポケットは2つのコンパートメントに分かれていますね。
(面白いデザインです。)
本来ウエストには、サイズ調整用のストラップがありますが、今回のモデルでは欠品でした。
また、スラントポケットの内部記事は、左右とも破損していました。
確かに最も使用するポケットですよね。
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧で、高い技術で仕立てられています。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 スロベニア
契約会社 スロベニア
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 52/7
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約77cm
肩幅 約52cm
身幅 約59cm
袖丈 約61cm
トラウザーズ
ウエスト 約43cm
着丈 約104cm
股上 約30cm
股下 約75cm
裾幅 約23cm
状 態 中古極上品
(トラウザーズは中古並品)
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
ところで第一次大戦の主要な軍装のカラーは、カーキ(黄褐色)でした。
その後の第二次大戦ではOD(オリーブドラブ)に変わって、暫く続いていましたね。
しかし昨今は、グレイが主流になりつつありますよ。
各国のデジタル迷彩でも、グレイを採用している国が多いです。
そういう意味では、2000年以前にグレイ系を採用したスロベニアは先見の明があったと言えます。
(もしかしたら、市街戦も考慮していたのかもしれませんね。)
さて、この戦闘服ですが日本ではあまり見かけません。
隣国のユーゴスラビアやセルビアは、出回っていますが、今回のモデルは少ないですね。
基本色はグレイながら、日本のフィールドでも迷彩効果が期待できる迷彩なので、さらに出回って欲しいですね。
(元々、スロベニア軍の人員は少ないようなので、必然的に払い下げられる量も少ないのでしょうね。)
この迷彩も、マニア以外は敢えて購入するものでもないようです。
でも、私はトラウザーズの極上品、それにフィールドジャケットやキャップを探してみたいですね。
今回は、珍しいスロベニア陸軍の迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240909更新)
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参考:他のグレイ系迷彩に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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