今回は、1970年代のスウェーデン陸軍M59戦闘ジャケットを分析します。
1940年代から使用されていたウール製戦闘服の後継モデルですね。
まだ世界が「迷彩服ブーム」ではなかった頃の装備品です。
今回は、デッドストックですよ!
目次
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1 スウェーデン陸軍M59一般兵科用戦闘ジャケットとは?
東西どちらでもなく、独自の武装中立を貫いていたスウェーデンですが、そこから生まれたユニークな兵器は世界的に有名ですね。
でも陸軍の個人装備は、つい最近までやや旧式な物が多かった印象があります。
1940年代から1960年代までは、第二次大戦期開発のウール製戦闘服を使用していました。
(この戦闘服は、形状が旧ドイツ軍の制服に似ていたため、ドイツ国防軍制服の代用又は改造ベースとして日本にも沢山輸入されましたね。)
スウエーデン軍ウール戦闘服
でも、1950年代末には陸軍の装備が一部改変されて、新しいコットン製の戦闘服も支給され流ようになりましたよ。
それが今回のモデルで、M59という型式番号が付与されていますね。
スウェーデンといえば、独特のスプリンター迷彩服が有名ですが、並行して1990年代まで使用されていたようです。
さてさて、それはどんな戦闘ジャケットなのでしょうか?
今回は、スウェーデン軍装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
表出しのボタンなど、まだ制服のイメージが残っていますね。
珍しく、胸ポケットがないデザインです。でも…
背面
背面下部にポケットが設けられていました。
(ウール戦闘服から伝統の配置です。)
前面の腰ポケットは匍匐(ほふく)時に使えなくなる場合多いので、便利かもしれませんね。
前面裏側
ポケットやライニンングは、やや紫がかった灰色の生地です。
背面裏側
イギリス軍デニソンスモックのように、テイルピースが装備されています。
前合わせはボタンのみですが、下部2個のボタンは隠しボタンです。
これは慣れないと使いづらいですね。
サイズタグ
刺繍でリッチな仕上がりです。
製造所(?)製造年度スタンプ
前合わせの一番上は小さなボタンです。
小さなボタンを外すと、開襟に。
襟章
歩兵でしょうか?
腰ポケット
作り込みが凄いです。
内側は別生地です。
背面の腰ポケット
この位置でも十分にポケット内にてが届きますよ。
ボタンホールはナイロンテープ製です。
袖はただの筒ですが、肘の補強生地が袖口まで続いています。
背中上部は別生地でライニングが。
雨対策でしょうか?
左胸には小さな内ポケットと…
ボタンで開閉する大きいポケットが。
裾前面裏側にはボタンが沢山
このうち下のボタンは…
背面下部に付いているテイルピースを…
取り付けるボタンでした。
褌みたいですね。
風によるバタ付き防止ですね。
プラスティックのボタン。
王冠3個はスウェーデンの国籍マークでしたね。
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3 その特徴とは?
まず生地ですが、独特のグリーン(ODやOGではなくて)のコットンサテンです。
アメリカ軍のM43フィールドジャケットのようにしっかりとした生地ですね。
コットン製の戦闘服やコート、そして夏用のシャツなど、スウェーデン軍はグリーンを基調とした装備が特徴です。
デザインは、制服感の残るボタン表出しで胸ポケットがありません。
構成は、エポレットなし、腰ポケット×2、背面裾ポケット×2、内ポケットです。
このうち背面裾ポケットは、ウール製の戦闘服でもありましたね。
(これも一大特徴で、ある種伝統的なデザインですね。)
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧で、高い技術で仕立てられています。
シワはありますが、デッドストックなので、昨日製造されたようにキレイですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1975年
製造場所 スウェーデン
契約会社 スウェーデン
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ C48
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約78cm
肩幅 約43cm
身幅 約58cm
袖丈 約62cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 愛知県の専門店
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
今回のモデルや同時期の防寒着などに使用されている生地のグリーンは、普段使いではなかなかコーディネートが難しいカラーですね。
着用者のセンスが問われます。
着用例
(左側の写真です。右側はフィールドコートですね。)
でも、実際にこのジャケットを着用すると、身体にフィットしていますし、各ポケットも使いやすいですね。
(特に小さい内ポケットが切符やICOCAカード入れにちょうど良いです。)
使えるジャケットですね。
襟章については、付いていないモデルもありますし、自分でも簡単に外す事ができます。
ボタンも簡単に取り替え可能ですよ。
気になる方は、改造もアリですね。
何より、古いモデルでありながら、現在でもデッドストックが安価に入手できるのが嬉しいですね。
(本国では、とうとう用途廃止が決定されて、全て払い下げられたのでしょうか?)
同じく同時期のフィールドコートなども輸入されているので、トータルコーディネートしてみてはいかがでしょうか?
今回は、スウェーデン軍のM59一般兵科用単色戦闘ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231103更新)
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参考:他のスウェーデン軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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