こんにちは!
今回は、アメリカ空軍のフライトジャケットを分析します。
1980年代に公開されたある映画の影響で、一時期日本でもブームになったジャケットですよ。
でも、何故ブームになったのか今もよくわからないですね。
…今回は残念ながら訳ありのモデル品です。
目次
- 1 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)とは?
- 2 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)の全体及び細部写真
- 3 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)の特徴とは?
- 4 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)の製造とサイズのデータ</2>
- 5 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)まとめ
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1 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)とは?
衣料用ナイロンの発達と、アメリカ空軍の独立を受けて、1950年代に新たに開発されたMA–1。
インターミディエイトゾーン(中間装備域:10℃〜−10℃の温度帯に対応します。)のジャケットとして、一世を風靡しました。
MA–1類似デザインのジャケットは、現在ミリタリーSHOPのみならず、ありとあらゆる衣料品店で販売されていますね。
(ファッションブランドでも見かけますよ!)
風を通しにくいナイロン製でポリエステルの中綿を装備。
軽くて着やすく暖かいことから、老若男女問わず誰でも着用できるヒット商品の一つとなっています。
これは、とりもなおさず1950年代に確立された基本デザインが、いかに優れていたかを如実に表しています。
素晴らしいですね。
でも、諸先輩方は口を揃えて「今のMA–1(出回っている商品)はMA–1ではない!」と仰っていました。
(最初、私にはその意味がわかりませんでした。)
MA–1に限らず、同じような考えを持った方は他にも居て、ある時自分たちが考える「本当の」フライトジャケットを、自分たちで新しく作ったのでした。
それが1980年代に興った、フライトジャケットの高級モデル品製造ブームです。
当初はA–2などのレザージャケットが主体でしたが、次第にナイロンジャケットに移っていきました。
そうしていわゆる「復刻」された昔のMA–1は、外観も内部も現行のモデルと大きく違ったものだったのです。
今回のモデルは、その中でも最初期のMA–1を再現したものになります。
それはどんなMA–1なのでしょうか?
早速、確認していきましょう!
2 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)の全体及び細部写真
前面
シェルが紫外線で変色、褪色しています。
でも、官給品のようにブラウン系にならないですね?
どうやらナイロンの質が違うようです。
現行のモデルにはないパーツやマーキングが面白いですね。
背面
前面裏側
ストームフラップと内ポケットに注意
背面裏側
前合わせはジッパーのみですが、幅広いストームフラップがついていますね。
タグ周辺のレイアウト
アメリカ空軍のマークが誇らしいですね。
タグ
当時の官給品をよく再現しています。
また、ちゃんと復刻メーカー名(ブランド名)を表示しているのも良心的ですね。
ポケットの中には、洗濯上の注意点が。
このタグがなければクリーニング価格が高くなるお店がありますね。
前身頃の酸素マスク用タブも再現
後のモデルでは廃止されています。
各種コードをまとめておくタブも再現
これも後に廃止
左ポケット
ダットファスナーで開閉
後にポケットフラップが追加されました。
ポケット内側は、毛布のような起毛生地でハンドウォーマーも兼ねています。
これは、有難いですね。
以前のアメリカ軍被服には多いデザインでした。
左袖のシガレットポケット
ペンポケットもあります。
左袖の空軍マーク
当時と同じようにプリントしてあります。(熱転写?)
後に廃止
内ポケット
ダットファスナーで開閉
ジッパーは復刻の「CROWN」
袖の裏側の肘関節付近にはステッチが。
これで腕が曲げやすいですね。
中綿の偏りも防げそうです。
袖はグレーのニットです。
腰も同様です。
(所々使用に伴う穴が開いています。)
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3 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)の特徴とは?
まずシェルですが、セージグリーンのナイロン製です。
(でも、残念ながら現在は紫外線で変色・褪色しています。しかし官給品と褪色時の色調が 違っていますね。ナイロンの質が違うのでしょうか?)
デザインは、後のモデルでは廃止になった酸素マスクや各種コード用のタブを再現しています。
一方ポケットフラップはありません。
外観は、完璧に最初期型を再現していますね。
(ちょっと真面目すぎるきらいもあります。当時の官給品は意外と雑なところも…。)
目立たないところですが、中綿は後のポリエステルではなく、コットンとウールのパイル(どちらかというと毛布のような生地)になっています。
そのため、ポリエステルの中綿装備のモデルより分厚く、ジャケット自体にある程度の重量がありますよ。
(僅かですが、腕も曲げにくいですね。)
また、当時の官給品同様、えり、袖、腰のニットも忠実に再現しているので、とても脆弱で、すぐに穴が開くのも当時通り(?)です。
4 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)の製造とサイズのデータ</2>
・製造又は契約年度 1990年代
・製造場所 日本
・契約会社 日本
・製造会社 〃
・材質 ナイロン
ウール
・表記サイズ M
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約75センチ
肩幅 約53センチ
身幅 約64センチ
袖丈 約62センチ
・状態 中古上品
・官民区分 官給品
・入手場所 兵庫県の専門店
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5 アメリカの空軍フライトジャケットMA–1(初期型モデル品)まとめ
1990年頃は、数社がこの最初期型MA–1の高級モデルを製造・販売していました。
その全てが、かなり売れたという話を聞いています。
特に今回のモデルのメーカーは、材質のナイロン繊維まで当時を再現したとというのが自慢の逸品でした。
でも、当時の官給品のようには褪色していませんね。
(ナイロンの成分(?)が根本的に違うのかもしれませんね。)
それを差し引いてもよく出来ているモデル品です。
実際に着用してみると、重量感があって、何故か安心するジャケットですよ。
なるほど現在出回っている多くのモデルとは、外観こそ似ていますが、細部はまったく違うものなんですね。
(現在の軽いモデルしか知らない方は、その重量と分厚さに驚くでしょう。)
これが先輩の仰ってたMA–1だったのですね。
ひと頃のブームも過ぎ去った現在では、程度の良い中古モデル品がネットオークションなどに出品されていますね。
ブームに乗って買ってはみたものの、その重さや厚さに持て余すユーザーが多いようです。
(クリーニングが難しいというのも、出品に一役かっているようです。)
そのため、当時の雰囲気を楽しみ、重量などを全く苦にしない(不便を不便と思わない)マニア以外は手を出さない方が良さそうですね。
(私はもっと褪色させて「味」を出してみようと思っています。)
皮肉にも官給品がパイロット用からグランドクルー(地上勤務兵)用に格下げされた1980頃から、日本で有名になったMA–1。
後継のCWU–36P、45P系のジャケットが、MA–1ほど認知されていないことを考えると、まだしばらくMA–1の時代が続くようです。
将来、Gパン、チノパンそしてトレンチコートのように、本来の目的を忘れてファッションアイテムになっていくのでしょうか?
推移を見守っていきたいですね。
今回は、アメリカ空軍のご自慢フライトジャケットのモデル品を分析しました。
次回は、ブルガリアの迷彩服を分析します。
お楽しみに!
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参考:アメリカ軍の他のフライトジャケットはこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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