今回は、アメリカ軍のパイロットスーツを分析します。
1960年代に開発され、現在も使用されているアメリカ初の難燃パイロットスーツですね。
残念ながら今回はデザート(砂漠)用になります。
でも偶然入手したデッドストックですよ!
スポンサーリンク
スポンサーリンク
目次
1 アメリカ軍パイロットスーツCWU–27P(デザートカラー)とは?
アメリカ軍は、1950年代に傑作パイロットスーツであるK-2Bを開発・支給しました。
(これは、以前のブログで分析しましたね。)
このパイロットスーツは、デザインが優れていて、世界各国で類似品が作られるなど、とても優秀なスーツでした。
ただ実戦を重ねていくと、欠点も露呈してきます。
それは火に弱いということでした。
材質がコットンだったため、一度火がつくと燃え上がってしまうのですね。
そこで、難燃繊維を用いて開発されたのが、今回のモデルです。
ベトナム戦争中に開発され、マイナーチェンジを繰り返し、なんと現在まで使用されている息の長いパイロットスーツですよ。
今回のモデルは、通常のセージグリーンとは違い、乾燥地域での使用を想定したデザートカラーになります。
さてさて、それはどんなパイロットスーツなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、パイロット装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面全体
一見デザインは、K-2Bに似ていますね。
でもウエストや袖のダットファスナーが見られません。
前面上半身
前面下半身
背面全体
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
前面下半身裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
タグ
デッドストックなので、こんな紙タグも付属
肩にエポレットはありませんが、補強生地が縫い付けられています。
胸ポケットは角度が付いていて、ウエストまである大容量です
ウエストのサイズ調整ストラップ
マジックテープで調整
K-2Bの ダットファスナーより軽量化が図られています。
右膝ポケット
ジッパーは、水平に開きます。
ふくらはぎポケットと足首ジッパー
ふくらはぎポケット
左膝ポケットとその内側にあるナイフ用ポケット
膝ポケットは、垂直に開きます。
ナイフポケット内には専用のコードが内蔵されていて、ナイフに結び付けることにより、紛失を防止できます。
各ジッパーは、ライトカーキの生地に、反射防止の黒染めブラス製です。
ネームタグ用マジックテープは、最初から付属
左袖のシガレットポケット
新しいモデルなので、ペンポケット用の「蓋」が付いてます。
これでFOD対策も万全?
袖口も調整はマジックテープに変更されています。
背中のアクションプリーツも健在です。
ジッパーは、軍規格(MIL–SPEC)をクリアした「YKK」製です。
ダットファスナー裏の刻印
前身頃のストームフラップ裏には、謎のナンバリングが?
生地の織り方
通気性抜群ですね。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
生地はノーメックス(難燃ナイロン)で、今回のモデルはカラーがデザートピンクです。
とても薄くて通気性が良いですね。
型式のCWUとは、コールド・ウェザー・ユニフォームの略で、寒候期に使用する一連の装備なのですが、寒候期にこのパイロットスーツでは少々(かなり)寒いのではないでしょうか?
(だからこその、フライトジャケットや防寒カバーオールなのでしょうね。システムで運用することが前提なのですね。)
デザインは、K-2Bの最後期型と似ていますが、袖やウエストのダットファスナーが、全てマジックテープに変更されています。
これだけでも軽量化が達成できていますし、破損時の修理も容易になりました。
アメリカの改善意識は凄いですね。
(良し悪しがありますが…。)
全体的な縫製は、やや雑ながら強度は抜群のアメリカ軍スタンダードな仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1996年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ノーメックス
(難燃ナイロン)
表記サイズ 40R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約160cm
肩幅 約50cm
身幅 約52cm
袖丈 約59cm
ウエスト 約48cm
股下 約75cm
裾幅 約20cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 沖縄アメリカ軍
フリーマーケット
入手難易度 2(やや困難)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
5 まとめ
今回のモデルは、砂漠用のカラーですが、セージグリーンのタイプは、驚くことにアメリカ4軍(陸・海・空・海兵隊)で使用されていますね。
時代や用途によってエポレットが追加されたり、マイナーな変更点があったりしますが、基本は大きく変わらずもう50年以上も使用されていますよ!
そのせいでしょうか?
今回のモデルも、K-2B同様、世界中で参考にされて類似モデルが製造されていますね。
「強いアメリカ」…は、単にカラ元気だけではなく、地道な装備開発からも窺い知ることができます。
(なんとか日本も、あらゆる面でアメリカの一強を崩せるようにしたいものです。)
さて今回のモデルですが、他のアメリカ軍ノーメックス製品と同様に、火がついても燃え上がることはなく、瞬時に炭化して人体を守ります。
キャンプなどでも安心して使用できる反面、生地に吸湿性がないため、真夏は汗で少々べとつきます。
また夏限定仕様としても、トイレは少々不便な場合もありますね。
野外活動からファッションまで、幅広く使用できますが、予め不便な点を考慮した使用を追求してみましょう。
今回のモデルは品薄ですが、セージグリーンモデルなら、程度も価格も千差万別です。
時代が古く程度が良いと高額になりますが、実用には最近製造されたモデルを入手するのが良いでしょう。
将来の事を考えている方は、ベトナム戦争時代のフルパッチ極上品を探してみましょう。
(きっと役に立ってくれるはずです。)
サイズを選ぶ際に注意したいのは、あまりに身体にピッタリしたものを選ぶと、しゃがんだ時に臀部が突っ張ったり、最悪破損する場合があります。
各種サイズが準備されているので、やや大きい物を選びましょう!
今回は、アメリカ軍を代表するパイロットスーツCWU−27Pの砂漠用を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回を楽しみに!
(20231006更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:今回のモデルの原型となったK-2Bに関する記事はこちらです。⬇︎
アメリカ軍のデザート(砂漠用)装備はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク