今回は、1990年代のオーストラリア陸軍空挺迷彩スモックを分析します。
おそらく世界一可愛い…と思われる迷彩生地が特徴ですね。
勿論デザインのベースは、かの空挺スモックです。
実際に兵士が使用していた中古品ですが、空挺スモックにしては程度は良好ですよ!
目次
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1 オーストラリア陸軍空挺迷彩スモック(DPCU)とは?
一説には、1980年代から開発が開始、1990年代に採用されたといわれている、オーストラリア軍の独自迷彩DPCU(Disruptive Pattern Camouflage Uniform)。
その配色やパターンを見ると、原型はアメリカ軍が第二次大戦中に採用・支給したダックハンター(フロッグスキンとも)迷彩ですね。
ただ、我が国の近隣国のように、そっくりそのままコピーするのではなく、構成色やパターンはオーストラリア独特のものになっていますよ。
特にその迷彩パターンは、見た者全ての心を虜にしてしまう優れた迷彩といわれていますね。
同じ迷彩生地を用いて多くの装備が製造されていますが、今回は中でも希少な空挺部隊用のスモックになります。
空挺部隊というエリートに支給される装備品ですが、相手の交戦意欲を減じる効果(?)があるようですよ!
さてさて、それはどんな空挺迷彩スモックなのでしょうか?
今回は、オーストラリア軍装備マニアのみならず、可愛い迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
まさにイギリス軍デニソンスモックの直系デザインですね。
背面
テイルピースは裏側に格納するタイプ。
前面裏側
イギリス軍型空挺スモックにしては珍しくウエストにドローコードがあります。
背面裏側
襟周りレイアウト
襟はジッパーで立てることができます。
前合わせはジッパーのみ。
ストームフラップ(ウインドシールド)あり。
タグ
契約年度が記載されていませんね。
特徴ある肩の生地
肩の補強生地は上端が開いています。
肩パットを挿入可能でしょうか?
袖の補強生地
前面
背面
袖の補強生地は下端が開いています。
各種パットを挿入可能?
ジッパー
プルタブは小さいタイプで刻印なし。
オリーブ色の塗装。
胸ポケット
ダットファスナーで開閉。
ポケット口は折り返しがあります。
ポケット本体は2気室。
胸ポケット本体の中央部にはステッチが。
マガジンパウチを兼ねているのでしょうか?
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉。
1気室です。
やはりポケット口は折り返されていますね。
袖
強いテーパー付き。
袖ニット
筒縫いではなく長方形のニットを縫い合わせて筒にしていますね。
カーキの化繊製。
袖ニット裏側
ウエストのドローコード
何故か紫。
その下には裾用のドローコードあり。
テイルピース用ダットファスナー
伝統の6個。
裏側
背面裏側のテイルピース(ビーバーテイル)格納状態
展開状態
テイルピース格納用ダットファスナー
ちゃんと力布付きですね。
テイルピースには使用時と格納時のダットファスナーを装備。
テイルピース付け根は、裾に巻き込んで縫製されています。
テイルピースは股間を通して使用します。
ダットファスナー
表面は艶ありのブルーイング(黒染め)ですね。
オーストラリア陸軍パッチ
階級章
軍曹ですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、タン(またはライトカーキ)にオレンジブラウン、ブラウン、グリーン、ブラックグリーンを用いて、大小様々なウサギ、スラ◯ム、お餅、ハート、ミッキー◯ウスなどのパターンをプリントしてあります。
よく見ると各色は殆ど接していませんね。
(この辺りもアメリカ軍ダックハンター迷彩に似ています。)
迷彩比較
迷彩パターン
1940年代アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ダックハンター迷彩)
生地はおそらくコットン/ポリエステルのツイルで、軽量です。
(おそらく戦闘服などと同じ生地だと思われます。)
デザインは、有名なイギリス軍デニソンスモックを原型とし、部分的にオーストラリア軍独自のアレンジが加えられていますね。
デザイン比較
今回のモデル
イギリス軍デニソンスモック(P59)
構成は、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、袖には高空の冷気を遮断するニットを装備。
面白いのは胸ポケットで、中央にステッチがあって2気室になっているところです。
(マガジンパウチを兼ねているのでしょうか?)
また肩、袖には面積の大きな補強生地が裏側に縫い付けられていて、各種パットを挿入できるようになっていますよ。
(これ何気に便利ですよね!)
またテイルピースは背面裏側に格納するタイプで、専用のダットファスナーも設けられています。
全体的な縫製は、丁寧かつ正確で近年のオーストラリア軍に共通する上質な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 オースト
ラリア
契約会社 オースト
ラリア
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 1
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約56cm
身幅 約68cm
着丈 約81cm
袖丈 約62cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 神奈川の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
なんて素敵な空挺迷彩スモックでしょう!
ただ可愛いだけではなく、オーストラリアの赤茶けた大地にピッタリの迷彩ですね。
日本でも秋の紅葉では効果を発揮しそうですよ。
この可愛いパターンを利用してファッションに特化するのも面白いかもしれませんね。
ところがこの可愛い空挺迷彩スモックは、まず見かけることがありません。
元々一般兵科の兵士より数の少ない空挺隊員。
製造される専門装備数も少ないようですね。
空挺スモック自体の入手は、困難と言わざるを得ません。
それどころか一般兵科用の迷彩装備も最近は見かけなくなりました。
(辛うじてジャケットは大手通販サイトで入手可能ですよ!)
でも朗報もあります。
なんとオーストラリアでは、新型迷彩服が開発・支給されているとか?
…もしかしたら、この可愛い迷彩装備が各種払い下げられるかもしれませんね。
期待して待ってみましょう!
…ところで、幸せのブラウンハートは見つかりましたか?
(ぜひ探してみてください!)
今回は、世界一可愛いパターンのオーストラリア陸軍空挺迷彩スモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20250311更新)
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参考:イギリス軍デニソンスモックと各国軍の派生型に関する生地はこちらです。⬇︎
他のオーストラリア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
www.military-spec-an.com各国軍の空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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