今回は、1990年代のベルギー陸軍空挺迷彩スモックを分析します。
前見頃がプルオーバータイプからフルオープンに変更されたモデルですね。
どのタイミングかはわかりませんが、一部イギリス軍デニソンスモックに似せたカスタムが施されていました!
カスタム箇所も含めて、まるで昨日製造されたばかりのようなデッドストックですよ!
目次
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1 ベルギー陸軍空挺迷彩スモック(ジグソーパターン・カスタム)とは?
ベルギーは隣国ドイツの影響でしょうか?
戦後、いち早く個人装備の迷彩化に力を入れて、各種迷彩服を開発していました。
中には大戦中ドイツ武装親衛隊のコピー(テスト品との説も。)もありましたが、最終的にはジグソーパターンと称される、独特の迷彩に落ち着きましたね。
早くは1950年代からの使用が確認できますよ。
今回のモデルは、近年のジグソーパターン空挺迷彩スモックなのですが、一部をカスタム化した特殊な個体になります。
(見たことのないカスタムだったので、取り敢えず購入してみました!😃)
カスタムの目的は…残念ながら現時点では不明です。
原点回帰でしょうか?
それとも他に「黒い計画」があったのでしょうか?
詳細は闇の中かもしれませんが面白い一品ですよ!
さてさて、それはどんなカスタムが施された空挺迷彩スモックなのでしょうか?
今回はベルギー軍装備マニアのみならず、世界の空挺装備コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
袖のニットが追加されていて目立ちますね。
他に裾左右のタブ、前見頃下部のテイルピース用ダットファスナーも追加されています。
背面
本来原型となったスモックはテイルピースが廃止されていたのですが、カスタムで追加されていますね。
前面裏側
原型にあった内ポケットがありませんね。
テイルピース用ダットファスナー取り付け部は全くの別生地が用いられていますね。
背面裏側
襟周りレイアウト
デニソンスモックに似せてのカスタムですが、襟のウール生地は省略されています。
襟はダットファスナーで立てることができます。
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
フルオープンなので着やすいですね。
デッドストックなので生地色がとても美しいです。
タグ
1991年度契約の官給品が原型ですね。
前見頃下部のテイルピース(ビーバーテイルA)用ダットファスナー(表側)
後付けなので、艶消しのアースブラウンで塗装されています。
(元々あったダットファスナーはODの半艶塗装)
前見頃下部のテイルピース用ダットファスナー(裏側)とカーキの生地。
エポレット
テーパー付きのラウンド型
ボタンで開閉。
胸ポケット
角度がついています。
ダットファスナーで開閉。
腰ポケット
こちらもだとファスナーで開閉。
裾のサイズ調整タブ
これも後付けですね。
(縫い糸の色が違っています。)
ジッパーは「YKK」
全く使用感がありません。
脇の裁断は、かつてのデニソンスモックを踏襲していますが、通気孔はありません。
袖
強いテーパー付。
袖ニット
カーキは珍しいですね。
各国軍のコマンドセーターのようなリブ織り。
袖ニット裏側
襟裏の夜光パネル
ここは無改造でした。
テイルピース
日本の褌みたいに股間を通して使用します。
目的は裾のバタツキ防止。
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3 その特徴とは?
迷彩は、オリーブグリーンの生地に、グリーン、ブラウン、ブラックで、ジグソーパズルのピースのようなパターンをプリントし、所々にまるでプリントミスのようにホワイトをプリントしてあります。
ベルギー陸軍が1950年代に開発して育ててきた迷彩パターンですね。
生地は、厚いデニムで防風性能が高いですよ。
(カスタム部分にも官給品の迷彩生地が使用されています。)
デザインは、1990年代陸軍空挺迷彩スモックを原型としています。
構成はエポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で内ポケットはありません。
しかし概ねイギリス軍のデニソンスモック、もしくはそれを範としたを参考としたカスタムされていますよ。
(使用しているパーツや糸でそれとわかります。)
カスタム箇所は、
- 袖ニット追加
- テイルピース及び関連のダットファスナー追加(前後)
- 裾のサイズ調整タブ追加
ですね。
外観では戦後のデニソンスモックまたは1960年代のモデルを意識してカスタムされているようです。
今回のモデル
前面
イギリス軍デニソンスモック(P59)
1960年代のモデル
前面
今回のモデル
背面
イギリス軍デニソンスモック(P59)
1960年代のモデル
背面
全体的な縫製は、カスタム部分も含めてとても丁寧かつ正確で、明らかにプロの仕事を感じさせる仕立てですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1991年
製造場所 ベルギー
契約会社 ベルギー
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 2
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約51cm
身幅 約65cm
着丈 約78cm
袖丈 約58cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品改造
入手場所 東京の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
このモデルのカスタムについては、もしかしたら悪意があったのかもしれません。
上述のとおりカスタム化されたタイミングは不明ですが、古い時代の空挺迷彩スモックを再現して、希少価値を捏造した…とするなら罪は重いですね。
…とはいえ、カスタムは中途半端で徹底したものではない(誰でも見ればわかります。)ことから、あるいはベテラン兵士からの注文や、退役軍人へのプレゼント用だったのかもしれません。
(…だとしやら、少々勿体無い気がしますが。😅)
ただ一着の空挺迷彩スモックとしてみるなら、なかなか良く出来たカスタムとも言えます。
テイルピースや裾のタブも追加されて、より風対策がなされていますよ。
またフルオープンできる前見頃は、より着やすく脱ぎやすいのもポイントですね。
迷彩も効果的で、デザインも大きい造りなので沢山着込んで真冬のフィールド(無雪地帯)で使用できそうですよ。
ベルギー陸軍のリエナクト以外では、問題なく使用できますね。
ただ、袖のニットはできればカーキではなくグリーン(またはOD)が良いのでは?…と思いました。
(意外と目立ちます。交換は専用のニットでなくても市販のソックスを使用すれば大丈夫ですね。)
ところで今回のモデルは、1990年代の空挺迷彩スモックを改造(カスタム)したものなので、他ではまず販売されていないですし、同じカスタム品の入手は無理でしょう。
(それどころが程度の良いベルギー官給品空挺迷彩スモック自体が、すでに入手困難ですよね。)
辛うじてノーマルな空挺スモックなら大手数版サイトや国内のオークションで中古品が入手可能ですが、程度の悪いものが多いですね。
程度の良いものを探しているあなたは、ベルギー軍物に強いネットショップや海外のオークションを当たってみましょう。
(気長に待っていただけるなら、今回のモデルもオークションへ出品予定です。)
私は最新鋭の空挺迷彩スモックのデッドストックを探してみたいと思います。
今回は、1990年代のベルギー陸軍空挺迷彩スモックをカスタムしたモデルを分析しました。
いやー軍装品って、カスタム品(モデル品)も本当に面白いですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他のベルギー陸軍ジグソーパターン空挺迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
他のベルギー軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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