今回は、1970年代のチェコスロバキア軍ユーティリティーナイフを分析します。
ある国(または地域)の伝統的なデザインを採用していますね。
日本ではあまり見かけることのない希少なナイフです。
中古品で修理箇所もありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 旧チェコスロバキア陸軍ユーティリティーナイフ(ナチュラルウッドハンドル)とは?
かつてのチェコスロバキア軍は、小国ながら優秀な小火器(銃器)や戦車を開発・装備する国として有名でした。
第二次大戦開始時に使用していた戦車は、攻められたドイツ軍の戦車より遥かに優秀で、鹵獲したドイツ軍が絶賛していました。
また、ガンマニアには有名なピストルCZ75、北朝鮮工作員や特殊部隊員も使用した短機関銃Vz63などなど、枚挙にいとまがないくらいです。
一方で、早くから個性的な迷彩服を採用したりと個人装備の面でも独特でしたね。
今回のモデルは、そんな優秀(?)なチェコスロバキア軍が装備した個人用のユーティリティーナイフになります。
デザインは旧ソ連/ロシア時代のナイフが原型になっているようですよ。
(大戦中のソ連軍が、瓜二つのナイフを装備していましたね。)
旧ソ連製ユーティリティーナイフ(大戦モデル)
でも改良されて、より使い易くなり、耐久性も向上しているようです。
さてさて、それはどんなユーティリティーナイフなのでしょうか?
今回は、旧チェコスロバキア軍装備マニアのみならず、ミリタリーナイフコレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 ナイフの全体及び細部写真
右側面
左側面
ブレード
これもブゥーイ型ですね。
クロスガードがS字なのがオシャレですね。
ハンドル
木製でエンドの部分が修理されていますね。
クロスガード付近には金属製カバー。
形状が独特で握りやすく、力を入れやすいですよ。
木製のハンドルは左右で分割されています。
形は思うより複雑で根に馴染むデザイン。
左右のハンドルはリベット留め。
ポンメル
金属製でカシメで固定
ブレード峰側
ブレード刃側
ポイント付近
シースの刻印
シリアル番号でしょうか?
リベットはシース内部のブレードを安定させる金属プレート用。
シース下部
表と裏
金属製
両面とも下端付近にヘコミあり。
シース上部
表と裏
取り外し可能なレザアーのループです。
本来はハンドル用のループが縫い付けられていた?
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3 その特徴とは?
ブレードは染められていないカーボンスティールのブゥーイ型です。
薄く細長いですが、ひ弱な感じはしないですね。
歯の部分の長さが左右で違っているところが面白いです。
(イージーミス?)
ハンドルは木製で、このモデルは左右に分割されリベット留めされています。
(造り自体は、旧ソ連製のナイフより丁寧ですよ。)
シースは金属製で、大戦中から続くヨーロッパ式のものですね。
金属製ですが、シース内部に金属製のプレートがあって、ブレードを安定させています。
そのため、かなり暴れてもシースからナイフが飛び出すことがありません。
(安全ですよ。)
シースにはレザー製のループを取り付けることができて、ベルトなどを通すことができます。
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1970年代
・製造場所 チェコスロバキア
・契約会社 チェコスロバキア
・製造会社 〃
・材 質 カーボンスティール
ウッド
レザー
・各部 ナイフ
全長 約270ミリ
全幅 約65ミリ
ブレード長 約160ミリ
ブレード厚 約3ミリ
ハンドル長 約113ミリ
ハンドル太さ 約32ミリ
シース
全長 約232ミリ
全幅 約29ミリ
・状 態 中古上品
・官民区分 官給品
・入手場所 沖縄の専門店
・入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
長さの割には軽量で、扱いやすいナイフです。
ちゃんとブレードを研いだり、片刃に加工すれば、思わぬポテンシャルを発揮してくれるかもしれませんね。
特筆すべきはそのハンドルです。
上下非対称の独特の形状は、暗闇でも刃の方向がわかりイザというときに慌てなくて済むかも。
また、握りやすくかつ力を入れやすい絶妙な形状も良いですね。
(設計者のセンスを感じます!)
シース(スキャバードとも言います。)は金属製で、まず刃先が出てくることがありませんし、ブレードを押さえるプレートもあるので、とても安全です。
(ただ、シースの中のメインテナンスは難しいですね。)
見た目以上に使えるナイフなのではないでしょうか?
でも、残念ながらこのナイフも日本では稀少品です。
まず目にする機会がありません。
見た目におとなしい、しかも木製の部分があるちょっとレトロな雰囲気が、不人気の要因ですね。
でも、コレクターのあなたには、このナイフの良さがわかっていただけると思います。
諦めず探してみましょう!
なおナイフを購入した場合、使用する予定もないのにナイフを携行したり、シチュエーションに合わない場所(車のダッシュボードコンテナとか)へ保管しないでください。
場合によっては警察に逮捕されることがあります。
また、キャンプでも警察官の所持品検査等を受けて、ナイフが発見されると長時間にわたる事情聴取などを受ける場合があります。
ナイフの携帯と保管には、十分注意してくださいね!
(李下に冠を正さず…あらぬ言いがかりをつけられないようにしましょう!)
今回は、旧チェコスロバキア軍のユーティリティーナイフを分析しました。
次回は、チェコスロバキアではなくて、チェコ軍の迷彩服を分析します。
お楽しみに!
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参考:旧チェコスロバキア軍の装備はこちらです。⬇︎
🇨🇿旧チェコスロバキア(Czechoslovakia) カテゴリーの記事一覧
他のミリタリーナイフはこちらです。⬇︎
🗡ミリタリー(サバイバル)ナイフ(knives) カテゴリーの記事一覧
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読んでいただき、ありがとうございました。
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