今回は、1960年代の旧東ドイツ陸軍スナイパー用ユニフォームを分析します。
以前、欠品のあるスモックを分析しましたね。
でも今回は完全版で、しかもペアのトラウザーズも用意しました。
保管時の汚れはありますが、デッドストックですよ!
目次
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1 旧東ドイツ陸軍スナイパー用迷彩ユニフォーム(ブルメン迷彩)とは?
1990年代のドイツ再統一で、国が消滅した東ドイツ。
その当時使用されていた東ドイツ軍装備は、余剰(不要)となり、全て民間業者に払い下げられましたね。
日本にも大量に輸入されて、安価に販売されたのは記憶に新しい(?)ところです。
でも極一部の装備は、ほとんど流通することがありませんでした。
それは、各種光学機器(双眼鏡とか)や空挺装備、それに今回のブルメン迷彩装備です。
流通量が明らかに少なく、何かしら別の力が介入した…そんな印象を受けましたね。
(勿論、古い装備なので元々数が少なかったのでしょう。)
今回のモデルは、そんな希少品でもあるブルメン迷彩のスナイパーユニフォームになります。
2000年代に購入しましたが、上下セットでしかもデッドストックを入手できたのは奇跡と言えるかもしれません。
独特の迷彩やデザイン、それに迷彩生地にはある加工がされていましたよ!
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、旧東ドイツ軍装備マニアのみならず、将来を考えている迷彩服コレクターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
スモック
前面
胴体にポケット類はありません。
背面
前面裏側
背面裏側
デッドストックなのですが、意外に汚れ
前合わせはボタンのみですが、三重になっていますね。
(内ポケット入口を撮影し忘れています。後日アップします。)
サイズタグ
データスタンプ
1964年1月〜3月契約日です。
生地番号
末尾はサイズのようです。
袖
強いテーパー付き
袖口はボタンで開閉
ボタンはユーザーに合わせて調整できるように余分にボタンホールがあります。
袖ポケット
左右にあります。
ボタンで開閉
エポレットはありませんが、階級章取付等のループと穴があります。
袖頂部には謎のループが!
フード上部裏側にはポケットがあって、中にフェイスベールがあります。
左右の金属製クリップは、ヘルメットの縁にフードを固定するためのもの。
フードが使用しない場合、ロールアップ後、専用ストラップで留めておくことができます。
内ポケット
ストラップでつながっています。
これはバタつき防止ですね。
内ポケットは、前あわせフラップの手前に開口部があります。
オープンタイプですね。
フードのドローコード
ウエストのドローコード
ブラウングレイのHBT生地
右脇腹付近で調整
袖裏側
ライトブラウンの生地は、補強も兼ねていますが、ボタンのリングから下の衣類を保護する役目もあるようです。
脇の通気孔
袖ポケット内側生地
フード内側にはボタンがあってフェイスベールを固定しておくことができます。
表に出るプラスティックボタンは、糸ではなく金属製リングで留められています。
(大戦中のM36などとよく似た処理ですね。)
ジャケットの一部には数本の偽装用ループが縫い付けられています。
肘の補強生地
ヘキサゴンタイプ
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみ。
ウエスト内側のボタン、外側のDリングはサスペンダー用
サイズタグ
腰スラッシュポケット内側生地にあるデータスタンプ
記載内容はジャケットと合致していますね。
生地裏のパーツナンバー?
ジャケットとは違っていますね。
腰スラントポケットボタンとループで開閉
腰スラッシュポケット
ボタンで開閉
膝ポケット
隠ボタンで開閉
膝の補強生地
こちらもヘキサゴンタイプ
足首内側の補強生地
こちらは台形ですね。
ヒップの補強生地
裾
僅かにテーパーが付いています。
ウエストのサイズ調整タブ
股間裏側の補強生地と通気孔
通気孔は刺繍で6個
裾のドローコード
折り返しの部分から出ています。
各種パーツ
フード関係のボタン
メインボタン
金属製で反射防止加工のプラスティックのカバー(?)付き。
トラウザーズのボタン
マホガニーブラウンのプラスティック製
サスペンダー用Dリング
アルミ製
ジャケット裾の最右調整バックル
メッキされたスチール製
ジャケットとトラウザーズではベースとなるグレイの色調が僅かに違っていました。
左:ジャケット
右:トラウザーズ
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3 その特徴とは?
迷彩は、ライトグレイの生地にグレイ、ブラウン、濃淡二色のグリーンを用いて、輪郭がギザギザの葉や雲型をプリントしてあります。
(濃いグリーンをターコイズブルーとしている資料もありますね。)
製造時期や製造所によって、僅かに色調にバリエーションがあります。
生地は厚いコットンの平織で、現時点では少々硬く、ボタンも掛けづらい状況です。
また、生地全体にパラフィン(蝋)のようなコーティングがなされていますね。
(おそらく防水コーティングだと思われます。)
デザインは、スモックがフード付き、エポレットなし、内ポケット、袖ポケット×2で、いかにも匍匐(ほふく:這いつくばって移動すること。)に向いているデザインですね。
フードには顔面を偽装するためのフェイスベールが装備されています。
トラウザーズは、腰スラントポケット×2(ポケットフラップ付き)、腰スラッシュポケット×2、腰サイドポケット×2で、ウエストにはサスペンダー用のDリングが3個付いています。
スモックの肘、トラウザーズの膝や臀部には補強生地が縫い付けられていて、ヘビーデューティーな造りでもあります。
全体的な縫製は、少々雑で不正確ですが、力が加わるところは重点的に補強されていますね。
ドイツ的合理主義に基づく仕立てですね!
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1964年
製造場所 旧東ドイツ
契約会社 旧東ドイツ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 3
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
スモック
着丈 約76cm
肩幅 約51cm
身幅 約68cm
袖丈 約72cm
トラウザーズ
ウエスト 約49cm
着丈 約115cm
股上 約36cm
股下 約81cm
裾幅 約24cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 海外の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
今回のモデルはデッドストック…ということで購入したのですが、裏側がとても汚れていました。😓
もしかしたら裏返して保管されていたのかもしれませんね。
独特の迷彩は、ある程度メリハリはありますが、後の西側迷彩のように所々にブラックを配して人体の輪郭を分裂させる効果は求めていないようです。
そもそもアメリカ軍のERDL迷彩やイギリス軍のDPMなども、大戦中のドイツ軍武装親衛隊の迷彩「ライバーマスター」を参考にしていますね。
でも同じドイツなのに、旧東ドイツは大戦中の面影が全く無い迷彩を採用しているのが面白いですね。
(当時の東ドイツ軍ヘルメットは、大戦末期に開発されていたモデル…との説もあるのですが…🤔)
それはともかく、先にも書いた通り今回のモデルと同じ迷彩のアイテムとしては、衣類、バックパック、水筒、テントなどがありましたが、現在ではどれも貴重ですね。
もしどこかで見つけたら、とりあえず購入しておくのは当然なのですが、状態が良ければ実用より大切に保管しておくのが良いようです。
(あくまで、できれば…の話ですが…)
そして、より程度の良いものを入手できたら、その時から使い始めましょう!
何故なら今後ブルメン迷彩装備は、その価格が上昇する可能性があるからです。
ましてや程度が良ければ、将来オーナーを助けてくれるかもしれませんよ。
勿論、骨董品のような高額になるにはある程度時間が掛かりますが、待つ価値はあると考えます。
今からでも遅くはありません。
ぜひ探してコレクションしておきましょう!
私は、違うタイプの衣類を探してみたいと思います。
今回は、希少な亡国東ドイツ軍のスナイパー用ユニフォーム完全版を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240223更新)
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参考:同じモデルながら欠品のある中古品に関する記事はこちらです。⬇︎
その他の旧東ドイツ軍ブルメン迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の旧東ドイツ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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