今回は、1980年代のオランダ軍フィールドジャケットを分析します。
一連のDPM装備に替わる直前のモデルで、このタイプのフィールドジャケットとしては末期の型になります。
胸ポケットフラップが、他に類のないユニークな形状なのが特徴ですね。
今回のアイテムはデッドストックですよ!
目次
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1 オランダ陸軍フィールドジャケット(OD・末期型)とは?
第二次大戦初期に、国土をドイツに蹂躙されたオランダ。
植民地であるインドネシアは日本軍に解放されるなど、もう踏んだり蹴ったりでしたね。
(ABCD包囲陣の報復とアジアの解放でした!)
戦後はアメリカ軍の武器を装備したりしていました。
(大戦末期のアメリカ軍がよほど印象に残ったのでしょうか?それとも仲の悪いイギリスの真似をしたくなかったのでしょうか?)
個人装備も、アメリカ軍の影響を大きく受けていましたね。
今回のモデルは、アメリカ軍のM43フィールドジャケットを参考にオランダ軍が開発したオリジナルのジャケットになります。
概ね1960年代に開発されました。(諸説あり。)
兵士のことを優先的に考えた設計は、外観的にも、機能的にも、オリジナルのM43ジャケットを凌駕する(?)ものになっていますよ!
さてさて、それはどんなフィールドジャケットなのでしょうか?
今回は、オランダ軍マニアのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
製造後ずっと折り畳んで保管してあったので、折シワが目立ちます。
背面
前面裏側
シェルと同じ色なので目立ちませんが、ほぼ前面にコットンポプリンのライニングがあります。
背面裏側
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1988年度契約品です。
襟周りレイアウト
胸ポケットフラップが独特ですね。
襟はボタンで立てることができます。
前合わせはボタンのみですが、最下部のボタンは通常と逆になっています。
エポレットは、逆テーパー付きのクサビ型です。
胸ポケットは、急な角度が付いていて、ポケットフラップはエッジが丸い三角形です。
(この角度、各国のパイロットスーツの胸ポケットに似ていませんか?)
ところで何故この形なのでしょうか?
実は理由がありますよ!
腰ポケット
こちらも角度が付いていますが、一般的な形状ですね。
ボタンで開閉
袖はテーパー付きで、袖口は2枚のタブと5個のボタンで調整
タブは上側の長さが長くいですね。
でも、ボタンは袖口に近い方が多いです。
背中(襟の下)にはボタンがあります。
これは専用のフード用ですね。
裾は別生地で補強されていました。
長く使用できて良いですね
(袖にも補強が欲しかったような気もします。😅)
【注意!】
今回のモデルは、袖上部裏側にピンが入っていました。
仕立てる時に抜き忘れたのでしょうか?
(生地に刺さったまま仕立てられたようです。)
ウエストのドローコード
コードと同じ材質のロック&ガイドが縫い付けられています。
ボタンは専用のライナー用です。
内ポケット
小さいサイズ
ポケット口と内部の生地は、何故か明るいブラウンでした。
裾のドローコード
ウエストと同じ仕様です。
腰ポケット内部
やはり明るいブラウンの生地に、何かスタンプが。
胸ポケットのデザインの理由
軍隊のみならず一般でもバッグなどを肩に斜め掛けしますね。
その時に胸ポケットが使用できるとの配慮がなされているのです。
虫ピン(のようなピン)は、袖の他ポケット内にもありました。
(合計5本です。)
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3 その特徴とは?
生地はOD(オリーブドラブ)のコットンサテンで、防風性能が高いですが少々重いですね。
(このフィールドジャケットには、生地の種類やカラーが何種類があって、時代で分かれているようです。)
同じカラーでほぼ全面にライニングが準備されています。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、内ポケットですが、胸ポケットフラップの形状が少々変わっていますね。
これは、バッグなどを肩に斜め掛けした時に。胸ポケットがフルに使えるようにとの配慮なんですね。
また、袖口のデザインが変わっていて、2枚のタブと5個のボタンで調整します。
(七面倒くさいですね。)
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、強度も十分なようですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1988年
製造場所 オランダ
契約会社 オランダ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 88–98
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約77cm
肩幅 約54cm
身幅 約57cm
袖丈 約56cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 大手通販サイト
入手難易度 1(容易)
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5 まとめ
今回のモデルは袖裏側上部に合計4本、ポケット内に1本の合計5本のピンが生地に刺さったままでした。
おそらく仕立てるときに、マチ針のような用途で使用したと思われますが、製品化の中で取り忘れていたようですね。
ある意味デッドストックの証なのですが、着用する場合は要注意ですね。
(身体に刺さる恐れもありますし、そうでなくても錆びてシミになったりしそうです。)
さて今回のモデルですが、アメリカ軍M43フィールドジャケットよりやや薄いサテンを使用しているので、より軽量です。
でも風はある程度防いでくれるので、秋から初冬にぴったりのジャケットと言えますね。
全体的な造りは良いので、着ていて嬉しくなるジャケットです。
迷彩スモックと合わせて、冬のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測にも使えますし、OD単色であることから、普段着としてファッションにも使用できそうですよ。
ただ胸ポケットのデザインが独特なので、ここが選択の要になりそうですね。
(例えばストラップの付いた雑嚢とかを使用する場合には適しているかもしれませんね。)
一時は入手困難だったこのジャケットも、嬉しいことに現在日本でもデッドストックが入手可能です。
(しかも安価に販売されていますよ!)
在庫が減ってくるまでまだしばらく持ちそうですが、今回のサイズは平均的な日本人サイズなので、早々に亡くなる恐れもあります。
まだ入手していない方は、早めの購入をお勧めします!
(私は専用のフードと毛布生地でできたライナーを探してみます!)
今回は、オランダ軍のOD単色フィールドジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231102更新)
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参考:他のオランダ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルが参考にしたアメリカ軍のフィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
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Twitterで見つけました。
航空自衛隊千歳基地の基地警備(?)状況です。
千歳基地動物シリーズ(番外編)
— 航空自衛隊千歳基地 (@jasdf_chitose) 2020年11月2日
バリヤ(着陸拘束装置)訓練の陰で、飛行場の安全を守る飛行場勤務隊とコウライキジの壮絶な死闘が繰り広げられていました。(・ω・ノ)ノ!
必殺キジの飛び蹴り!!#バリヤ#コウライキジ#対決#飛び蹴り pic.twitter.com/ugz0bNcFUV
可愛いゲリラさんですね💕
本当は仲が良いのでは?
ところで、キジさんって美味しいらしいですね!😋
(ごめんなさい、国鳥でした!)
読んでいただき、ありがとうございました。
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