今回は、1980年代のフランス海軍防寒デッキジャケットを分析します。
以前分析したモデル(フランス海軍デッキジャケット)の一つ前のモデルですね。
やはり、ある国のジャケットが原型です。
破損の多いことで有名なジャケットですが、今回のモデルは良品ですよ!
目次
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1 フランス海軍防寒デッキジャケット (カーキグリーン・N–1タイプ)とは?
フランス軍は本当に面白いですね。
第一次大戦では、水色の上着、赤いズボンで参戦し、ドイツ兵の格好の的になりました。
また第二次大戦では、高性能の航空機、戦車を持っていながら、性能の劣る兵器が大半だったドイツ軍に敗北しています。
お洒落で民主的な国民性や兵器の質が、必ずしも戦争の勝敗に直結するとは限らないのですね。
そんなフランスが第二次大戦で痛感したのは、敵国ドイツ及びフランスを支援したアメリカの合理的な装備品でした。
ドイツはともかく、軍事的に格下と見下していたアメリカの兵器や個人装備は、それまで自慢だったフランス軍の装備を一瞬で過去の遺物に変えてしまったようですね。
以降フランスは、アメリカ製装備を参考とし、自国の装備を整えていきました。
今回のモデルは、そんなフランスが海軍水兵のために開発した防寒着になります。
その形状から、アメリカ軍が第二次大戦で使用したN–1デッキジャケットを原型としているようです。
でもフランス独自の工夫もありますよ。
さてさて、それはどんな防寒デッキジャケットなのでしょうか?
今回は、フランス軍マニアのみならず、暖かい防寒着を探しているあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
襟の内側にはアクリルのボア付きです。
背面
前面裏側
ラインングもアクリル製のボアがほぼ全面にあり。
背面裏側
ボアの色や毛羽立ちから、ゴリラのぬいぐるみを連想させますね。
前合わせはジッパーとボタンです。
タグ①
タグ②
襟周り
襟はチンストラップで立てることができます。
チンストラップの調整は2段回で、タブの縁は別生地で補強されていますね。
ボタンは、陸軍とは違うオリーブグリーンのプラスティック製
胸ポケット
ポケット内側の生地は、やや薄いコットンです。
ジッパー
刻印は「ECLAIR」
袖
僅かにテーパーあり。
袖の先端は、別のHBT(ヘリンボーンツイル)生地で補強されています。
これは助かりますね。
勿論、袖は二重になっていて、内側の袖はブラウンのニットです。
脇の通気孔
金属製のハトメ付きで片側2個です。
内ポケット
これはアメリカ軍N–1デッキジャケットにはありませんでした。
ファー側にボタンがありますが、留めるためのボタンホールやループはありませんね。
脇の内側には、用途不明のループがあります。
襟裏のチンストラップの状況
襟の裏にはジッパーが!
これは?
襟裏のジッパーには専用のフードを取り付けることができます。
左右
左右内側
フード内にもボアがあります。
フードのジッパー
前縁のドローコードはナイロン製
付け根には金属製のハトメ付き
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3 その特徴とは?
生地はカーキのジャングルクロスと呼ばれる、独特の織り方をしたコットン製です。
これはアメリカ軍のN–1デッキジャケットの生地を忠実に再現していますね。
(なんとカラーも再現!)
この生地は防風性能が高く、ある程度の防水効果もありますが、コットンなので擦り切れに弱いという欠点もありました。
デザインは、これもほぼ完全にN–1をコピーしていますね。
構成は、丸襟、エポレットなし、腰ポケット×2ですが、今回のモデルには内ポケットと、襟裏にフードが付けられるようにジッパーが追加されています。
また、両袖口には丈夫なHBT(ヘリンボーンツイル:杉綾織)の生地で補強がしてありますよ。
加えてライニングはアクリルのボアで、N–1のアルパカウールから変更されています。
この辺りがフランス独特の改良(?)ですね。
全体的な縫製は、丁寧で強度もあり、さすがフランスといったところです。
4 製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1970年代
・製造場所 フランス
・契約会社 フランス
・製造会社 〃
・材 質 コットン
アクリル
・表記サイズ 不明
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約73センチ
肩幅 約53センチ
身幅 約66センチ
袖丈 約61センチ
・状 態 中古良品
・官民区分 官給品
・入手場所 ヤフオク
・入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
シェル(外皮)は風を通さず、ライニングはボアなので着用すると暖かいジャケットです。
気温が下がってくるこれからの季節にぴったりですね。
気象庁の寒候期予想では、西日本、東日本では平年より気温が低くなると予想していますよ。
まさに今回のモデルの独壇場になるかもしれませんね。
それはともかく、ライニングを化繊に変更したため、洗濯機で丸洗いできるのが嬉しいですね。
ただ、やはり袖口、肘、ポケットなどは擦り切れやすいようですよ。
また、フードがあるものの容積が小さく(私の頭が大きいのですが…)、冠れないのも難点です。
とはいえ、今冬にも使えるジャケットに変わりありません。
幸にして今回のモデルは日本でも大人気で、たくさん輸入されています。
(楽天などでも官給品が入手可能です。…ただし中古品なのに高額です。)
また、再現性は「まあまあ」のモデル品も販売されていますよ。
(迫力は到底官給品に及びませんが…。)
あなたの財政事情やこだわりに合わせて、選べるところが良いですね。
今回は、暖かいフランス軍の防寒デッキジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20221113更新)
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参考:フランスが参考にしたアメリカ軍N–1デッキジャケットはこちらです。⬇︎
今回のモデルの後継デッキジャケットはこちらです。⬇︎
その他のフランス海軍装備はこちらです。⬇︎
他のフランス軍単色衣料品はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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