今回は、1970年代の航空自衛隊ナイロン製フライトジャケット(航空上衣)を分析します。
難燃繊維製になる前の型ですね。
ブルーとのリバーシブルですが、片側はレスキューオレンジではありませんよ。
残念ながらBX(基地内売店)品ですが、この当時は官給品と全く同じ仕様でしたね。
古い製品ですが、程度は良好ですよ!
目次
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1 航空自衛隊リバーシブルフライトジャケット(ナイロン・イエロータイプ・BX品)とは?
戦後、アメリカ空軍の指導を受けて創設された航空自衛隊。
その航空機が、当初は全てアメリカ製であったため、その他の航空関係装備もアメリカ軍のものか、それを参考にした国産でした。
今から思うと、旧日本軍には存在しなかった部隊であったため、陸上自衛隊や海上自衛隊と差別化を図るという目的もあったのかもしれませんね。
パイロット装備も、旧軍で使用されていたものは、ことごとく排除されアメリカナイズされていきましたよ。
(この辺りが、「勇猛果敢、支離滅裂」の始まりだったのかもしれませんね。)
ちょうどアメリカ空軍でもナイロン製装備が主体になりつつあった時期だったので、航空自衛隊のフライトジャケットも最初はナイロン製でした。
ただし、アメリカ軍MA-1(特に初期〜中期型)のように厚い「インナーライニング(中綿)」の入ったモデルではなく、L-2系のように軽量なモデルが採用されましたね。
(日本の気候を考えると、ある意味当然とも言えます。)
今回のモデルは、そんなナイロン製軽量モデルになります。
アメリカ軍のように型式番号はなく、単に「航空上衣」と呼ばれていました。
航空自衛隊の戦闘機としては、概ねF-86、F-104、F-4、F-1の時代になります。
(勿論、難燃繊維製のモデルと使用時期が重なっているため、F-15もあったかも。)
さてさて、それはどんなフライトジャケットなのでしょうか?
今回は、航空自衛隊マニアのみならず、気温の微妙な春や秋に使用できるジャケットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ブルー側前面
背面
イエロー側前面
生地の色調が明るく、かつ薄いので、ポケット内側の生地がやや透けていますね。
背面
前合わせはジッパーのみです。
ジッパーは勿論「YKK」
でもちょっと古いタイプです。
プルタブはレールで両面に移動できるタイプ。
胸ポケット
タグはポケット内にあります。
袖
テーパー付き
袖ニット
腰ニット
脇の下はアメリカ海軍G-1のようなデザインです。
背中にはアクションプリーツ付き
完全リバーシブルなので、袖ポケットも両面にあります。
袖ポケットジッパー
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3 その特徴とは?
デザインは、一見アメリカ空軍のMA-1に似ていますが、細部を見るとアメリカ海軍のG–1に似ていますね。
(ただし襟はニットなのですが。)
構成は、エポレットなし、胸ポケット×2、袖ポケット×2で、襟、袖、腰にはニットを装備。
背中にはアクションプリーツがあります。
完全リバーシブルで、ブルー面とオレンジ…ではなくて、イエロー面に分かれています。
当時はレスキューオレンジ…ではなく、イエロー(どちらかというと山吹色)でしたね。
(すでにMA-1やL-2Bでは、レスキューオレンジが採用されていたのですが…。)
このイエローの色調にも、何種類かあったようですよ。
余談ですが、現在の難燃繊維製のフライトジャケット(ブルーとグリーンのモデル)も、各部のニットがブルーなので、本来はブルー面が表なのかもしれませんね。
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、強度も十分です。
特にニットもナイロンなので、アメリカ軍のウールより強度は格段に上ですね。
(でも、難燃繊維製からは柔らかい素材に変更されましたが。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1970年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 ナイロン
表記サイズ 2
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約63cm
肩幅 約49cm
身幅 約61cm
袖丈 約58cm
状 態 中古極上品
官民区分 BX品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
まだ難燃繊維のブルー/オレンジモデルが支給され始めた頃に航空自衛隊へ入隊した私にとって、このジャケットは最も思い出深いものです。
というのも多くのベテランパイロットがまだ着用していたからですね。
当時のパイロットスーツがオレンジで、イエローのジャケットを着ると、そのコントラストが独特でしたね。
私の中での「航空自衛隊パイロット」と聞いてまっ先に思い浮かべるのは、この装束です。
(憧れのベテランパイロットは、当時このジャケットを着用していました。)
さて、今回のモデルですが中綿が入っていない分、より汎用性に富んだ運用が可能です。
特に思わず気温が下がったりすることもある春から初夏では、良い塩梅のジャケットと言えますね。
また、現行の難燃繊維モデルほどの人気もなく、比較的手に入りやすいのも助かります。
(BX品は特に不人気ですね。😓)
普段着やファッションにおすすめですが、1980年代までの航空自衛隊パイロット再現には欠かせないアイテムと言えます。
当時を懐かしむマニアのあなたは、ぜひ入手してみてください。
今回は、古き良き時代の航空自衛隊リバーシブルフライトジャケットを分析しました。
いやー自衛隊装備品って、BX品も本当に素晴らしですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20241013更新)
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参考:他の航空自衛隊パイロット装備はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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