こんにちは!
今回は、航空自衛隊のパイロットスーツを分析します。
現行のODパイロットスーツの前に使用されていたモデルになります。
稀少品ですよ!
目次
- 1 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)とは?
- 2 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)の全体及び細部写真
- 3 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)の特徴とは?
- 4 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)の製造とサイズのデータ
- 5 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)まとめ
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1 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)とは?
朝鮮戦争終了後の1954年に発足した航空自衛隊。
旧軍では陸軍と海軍の各航空隊しかなかった日本において、初めて創設された新しい「空」専用の組織でした。
この当時の航空機は全てアメリカ軍から供与されたものでしたが、パイロット装備では一部で旧軍(または旧軍の装備の再生産品)のものが使用されていたようです。
発足当時の写真
アメリカ空軍の教官(右)とT–6練習機の飛行前点検(PR)を実施中の航空自衛隊パイロット(中央)
教官と同じ米軍式ライフプリザーバー(救命胴衣)と旧軍のふっくらした飛行服を着用しています。
(機上は整備員でしょうか?)
航空自衛隊ホームページより引用
でも早い段階でアメリカ軍の装備にとって替わったようですね。
(アメリカは徹底的にアメリカ軍型式の武器や装備を普及させ、心理的にも装備的にも旧軍のイメージを払拭させたかったのかもしれません。)
当時の航空自衛隊には、旧軍パイロットも多く在籍していたと聞いていますが、どんな気持ちだったのでしょうね?
しかし、時代とともにそれらのアメリカ軍装備を基礎として、航空自衛隊独自の装備を開発するようになってきました。
今回のモデルは、航空自衛隊オリジナルのパイロットスーツで、初めて難燃繊維を採用したモデルになります。
しかも冬用で、ある特殊な任務に使用されたようですよ。
さてさて、それはどんなパイロットスーツなのでしょうか?
航空自衛隊マニアのみならず、パイロット装備コレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)の全体及び細部写真
全体前面
アメリカ空軍のL–1系のデザインに似ていますね。
前面上半身
前面下半身
全体背面
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
上半身のみライニングがあります。
(写真の薄いオレンジ色の部分)
前面下半身裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
サイズスタンプ
タグ
「EX」とは?
襟周り
パラシュートを背負ったり、ハーネスを付けたりするので肩には補強生地が縫い付けられています。
襟の裏にはマジックテープの付いたチンストラップがあって…
留めることにより、襟を立てることができます。
(使用しない時は、折り畳んでマジックテープで固定)
ジッパーは勿論「YKK」
胸ポケット
ジッパーで開閉
ウエストのサイズ調整テープ
マジックテープで調整
右膝ポケット
水平ジッパーで開閉
左膝ポケットと膝クリップ
ポケットは垂直に近いジッパーで開閉
膝クリップ拡大
書類や地図を挟んでおきます。
(アメリカ軍パイロットスーツが原型)
放出品は外されていることが多いですね。
足首のジッパー
マチ付きです。
ふくらはぎポケット
二枚の マジックテープで開閉
ポケット表面にペンポケットあり。(左右とも)
記事をよく見ると、数センチ間隔で違う色のステッチが。
もしかして制電機能もあるのでしょうか?
袖のシガレットポケット
アメリカ軍と同じデザインですね。
袖と袖口
マジックテープで開閉
背中のアクションプリーツ
ライニングにもプリーツが。
臀部には丸い補強生地が内側に縫い付けられています。
腰のスリット
アメリカ軍パイロットスーツより後側にあります。
ウエストのタックは4本
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3 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)の特徴とは?
生地がオレンジ色というのは、遭難したときに発見されやすいとの配慮からで、各国のパイロットスーツで例がありましたね。
しかし、今回のモデルは冬用ということで、やや厚い難燃繊維製のツイルになっていますよ。
これは、アメリカ軍のCWU–27Pには無い生地ですね。
デザインは、航空自衛隊発足当時にアメリカ軍から供与されたL–1系のパイロットスーツが原型になっているようです。
左膝ポケットの垂直(に近い角度の)ジッパーとクリップに共通点を見出すことができます。
ただし、袖口、ウエスト、ふくらはぎポケットフラップにはマジックテープが使用されていて、軽量化と使い勝手を向上させていますよ。
面白いのは、襟裏にチンストラップがあること、上半身(袖も含む)のみライニングがあるところです。
各国の近年パイロットスーツとしては珍しい装備ですね。
4 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)の製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1986年
・製造場所 日本
・契約会社 日本
・製造会社 〃
・材質 難燃繊維
コットン
・表記サイズ 2A
(日本人のM〜L)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約144センチ
肩幅 約46センチ
身幅 約52センチ
袖丈 約53センチ
ウエスト 約40センチ
股下 約68センチ
裾幅 約17センチ
・状態 中古極上品
・官民区分 官給品
・入手場所 東京のイベント
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5 航空自衛隊パイロットスーツ(難燃オレンジ冬用)まとめ
タグに記入されている「EX」とは、飛行適性検査のことで、山口県にある防府北基地のみで実施されている特殊な任務です。
パイロットを目指す防衛大学生または一般大学生や航空学生(18歳から23歳の高卒または高専卒から選出)が、実際に航空機に搭乗して操縦し、パイロとしての適性があるのかどうか試されるというものです。
航空自衛隊のパイロットは、世界で最も厳しい基準をクリアして採用される、言わば「精鋭」そのものなんですね。
(人格が優れているかどうかは、また別の問題ですが。)
今回のモデルは、その飛行適性検査に使用されていたもののようですね。
(試験官パイロットとの判別で、オレンジのパイロットスーツを使用していたのかも。)
現行のODパイロットスーツにも冬用がありますが、実際に着用しているパイロットは少ないように思えました。
専用のフライトジャケットがありますし、何よりパイロットって汗をかくことが多いので、夏用が重宝されているのかもしれませんね。
(現代の航空機は暖房設備も優秀のようですし。)
実際にこのパイロットスーツを着用すると、アメリカ軍CWU–27Pなどに比べると、重くしっかりしています。
特に上半身は、ライニングがあって保温力と防風性能が高そうですよ。
薄いフライトジャケットでも重ね着することで、秋くらいまでにならバイクでも使えそうですね。
ただし航空自衛隊は、これまでも厳正な物品管理がなされていて、放出品は僅かしかありませんでした。
現時点では入手は困難でしょう。
実用よりコレクションアイテムとして、保管しておいた方が良いようです。
でもニュースでは、航空自衛隊は航空機部品の払い下げを緩和される方向で検討しているとか?
航空機部品のみならず、(確率は低いですが)廃止された衣類も払い下げられることがあるかもしれません。
もしかしたら、今回のモデルも将来入手できるかもしれませんね。
コレクターは未来を信じて待ってみましょう!
今回は、航空自衛隊の少し前のパイロットスーツを分析しました。
次回は、航空自衛隊つながりで、航空自衛隊の特殊な作業服を分析します。
お楽しみに!
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参考:今回のモデルと同じ頃の航空自衛隊装備品はこちらです。⬇︎
各国のパイロットスーツ等はこちらです。⬇︎
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私事ですが、心が折れそうになったときに必ず観るアニメがあります。
その一つが「いぬやしき」です。
主人公のラストシーンは、観るたびに号泣しています。
同年代のおじさんが頑張るアニメ(や映画も)は、何か励まされますね。
私も頑張らねば!…なんて思ってしまいます。
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読んでいただき、ありがとうございました。
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