今回は、1990年代の陸上自衛隊戦車乗組員用迷彩ユニフォームを分析します。
一連の「2型迷彩」関連装備ですね。
やはり一般隊員用とは大きく違ったデザインでした。
中古品で欠品がありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 陸上自衛隊戦車乗組員用迷彩ユニフォーム(機甲服・2型迷彩)とは?
朝鮮戦争勃発の影響で創設された「警察予備隊」。
でも軍隊の保持をアメリカ製憲法で禁じられていたため、苦肉の策としてアメリカ軍の装備を供与され体裁を整えました。
中でも戦車(当時は特車と呼ばれていました。)は、第二次大戦中にアメリカ軍が装備していたものが装備されましたよ。
(旧日本軍の戦車は、殆どスクラップ化されました。)
その当時の戦車乗組員は、当初アメリカ製の装備を身につけていましたが、旧日本軍装備の改良品を使用していました。
(参考:陸上自衛隊戦車乗組員用カバーオール(昭和30年代))
しかし1961年に新型国産戦車である「61式戦車」が開発されると、間も無くして新しい戦車乗組員用装備(ヘルメット等)も開発されるようになりましたね。
ところが衣類に関しては、一般隊員と同じものが支給されていましたよ。
(ヘルメットやブーツは別ですが…。)
この辺りは多くの諸外国軍とはコンセプトが違っていたようですね。
ところが戦闘装着セットの一環で、新しくAFV乗組員専用の衣類が開発されました。
それが今回のモデルです。
正式名称は「機甲服」。
やはり上下セパレートで、一見迷彩服2型に似ていますが、決定的な違いがありましたよ。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、陸上自衛隊装備マニア…中でも戦車乗組員装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
上衣
前面
一見「迷彩服2型」の一般隊員/空挺隊員と大きく変わらないですね。
背面
でも背面上部のループに注意。
これは偽装用ではありません。
前面裏側
ウエストのドローコードとループに注意!
背面裏側
上部の半円状の生地は、背面ループの力布。
襟周りレイアウト
襟の頂部は、ボタンではなくマジックテープなのが面白いですね。
背面上部のループはレスキューハンドルでした。
レスキューハンドルはかなり丈夫な造り。
背面上部裏側にはレスキューハンドル専用の大きな力布あり。
(生地はフリーで縫い付けられていません。この意味は?)
前合わせはマジックテープとボタンです。
うなじ裏側にはサイズスタンプあり。
「2B」?
タグ跡
残念ながらタグは2枚ともやや雑に取り外されていました。😭
ウエストのドローコードは意外に褪色していました。
ウエスト裏側左右にある丈夫なループ。
用途はなんでしょう?
エポレットは僅かにテーパー付きのクサビ型
ボタンで開閉。
胸ポケット
マジックテープで開閉。
袖
テーパー付き。
袖口は専用のタブとボタンで開閉。
肘の補強生地は外側に縫い付けられています。
左袖ペンポケット
3本用
脇にはいつもの通気孔あり。
背面のアクションプリーツ(バイスイング)
でも、戦車内で引っ掛かったりしないのでしょうか?🤔
下衣
前面
膝ポケットに注意!
背面
前面裏側
背面裏側
臀部の補強生地に注意!
前合わせはボタンのみ。
タグ跡
辛うじてタグの断片が残っていました。😭
臀部の補強生地は、何故か中央を除き縫い付けられていませんでした。
この意味は?
右側面レイアウト
腰スラントポケット
ベルトループは、自衛隊独特で伝統の幅広タイプ。
膝ポケット
ダットファスナーで開閉。
膝ポケット下の小ポケット
左右にあります。
こちらもダットファスナーで開閉。
空挺服の下衣みたいですね。
膝の補強生地
こちらも表面に縫い付けられていますね。
裾
僅かにテーパー付。
諸外国のBDUのように、裾にドローコードはありません。
ボタン
濃いダークグリーンのプラスティック製で、糸が擦れないように溝があります。
ダットファスナー
真鍮製でダークグリーン(濃緑色?)に塗装されています。
でも使用に伴い剥がれていることが多いですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、いわゆる「2型迷彩」ですね。
配色は、タン(またはライトカーキ)の生地に、ブラウン・ブラック・グリーンで斑点・雲・アメーバのようなパターンをプリントしてあります。
今回のモデルは、いわゆる「春夏」用ですね。
(「秋冬」用は、グリーンとブラウンを反転させていますよ。)
いくつか同モデルを確認しましたが、「秋冬」用は発見できませんでした。
(秋冬は、おそらく迷彩防寒戦闘服外衣を着用するのでしょうか?)
生地は、一般的なツイル…なのですが、難燃繊維が織り込まれているようです。
(織り方も少々違っているように見えますね。)
そのため一般的な戦闘服(作業服)とは少々肌触りが違っていますね。
デザインは、上衣がエポレット付き、胸ポケット×2、袖ポケットで、ウエストにはドローコードあり。
下衣は、腰ポケット×2、膝ポケット×2、右膝小ポケットで、ヒップポケットはありません。
全体的には、空挺服に近いですが、背面上部にレスキューハンドルが縫い付けられているのが一大特徴ですね。
また上衣ウエスト裏側左右には、用途不明のかなりしっかりしたループがあります。
全体的な縫製は丁寧かつ正確で、日本製品に共通する高品質な仕立てとなっています。
4 製造とサイズのデータ
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
難燃繊維
表記サイズ 4B
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
上衣
着丈 約76cm
肩幅 約49cm
身幅 約64cm
袖丈 約57cm
下衣
ウエスト 約49cm
着丈 約110cm
股上 約33cm
股下 約82cm
裾幅 約23cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 東京のイベント
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
今回のモデルは上下セパレートですが、諸外国の多くが、AFVスーツにはカバーオール(ツナギ)採用していますね。
確かに生活を基準にするなら、セパレートタイプの方が利便性が高い気がします。
(カバーオールだとトイレとか面倒ですよね。)
ところが実戦を考えてみるとどうでしょう?
戦車は、対戦車火器やミサイルの着弾で車内が火炎に包まれることが多々あります。
そんな火炎からの身体保護という観点からは、カバーオールタイプがより適しているような気がするのですが?
でも、陸上自衛隊には独自の考え方があるのかもしれませんね。
ところで今回のモデルですが。現在官給品は厳格な管理がされていて、廃品といえども市中に出回る確率はとても低いです。
ましてやデッドストックは、まず入手できないでしょう。
でも安心してください。
自衛隊のPXには、モデル品が販売されています。
これは官給品の不足を補うために販売されているのですが、機能はともかく外観はそっくりなので、リエナクトなどにはピッタリですね。
これなら或いは入手できるかもしれません。
PX品は、一時期ネットショップでも取り扱われていたので、目にする機会はあると考えます。
探しているあなたは、自衛隊装備に強いネットショップをチェックしてみましょう!
今回は、陸上自衛隊の「機甲服」こと、戦車乗組員用迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他の2型迷彩装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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