今回は、1990年代の陸上自衛隊作業外被を分析します。
以前分析した陸上自衛隊作業外被(OD・官給品)と同じモデルですが今回は各パッチ(ワッペン)がないプレーンですね。
あまり人気のないアイテムですが、そろそろ見直されても良いのでは?
最近よく見かけるデッドストックですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 陸上自衛隊作業外被(OD)とは?
原型はアメリカ軍M51フィールドジャケット。
そして前作69式作業外被を簡略化して量産されたこのモデル。
諸外国でいうところの、いわゆるフィールドジャケットに対応するモデルになります。
比較的温暖な日本では、寒候期を主体にとても重宝するアイテムですね。
原型の69式作業外被が、アメリカ軍M51フィールドジャケットを基にデザインされていたため、このモデルも一部のデザインをそのまま受け継いでいますよ。
陸上自衛隊69式作業外被
昭和の陸上自衛隊を代表する作業外被といえますね。
ただし今回のモデルで、とても面白いことを発見しました。
さてさて、それはどんな作業外被なのでしょうか?
今回は、陸上自衛隊装備マニアのみならず、秋から春までの寒候期に使えるジャケットをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
ポケットが全て前面にあるのが特徴ですね。
背面
アメリカ軍フィールドジャケットなどと比べると着丈がやや長いのが特徴です。
前面裏側
ライニングは上半身のみ。
ただし袖のライニングは半袖ですね。
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはジッパーのみ。
シンプルですがジッパーが故障したらボタンがないので少々不便ですね。
タグ
なんと1997年度契約品です。
サイズは2号ですが、アメリカ軍のように細かい着丈や身幅に分けられていません。
ウエストのドローコード
ライニングの下端は縫い付けられていません。
エポレット
テーパー付きのクサビ型。
ボタンで開閉。
胸ポケット
ダットファスナーで開閉。
腰ポケット
こちらのポケットフラップはフリーです。
ポケット内部はダークグリーンのナイロン製。
ジッパー
「桜」の刻印は官給品の証。
メーカーは勿論「YKK」
脇の通気孔
金属製のハトメで片側3個
袖
緩いテーパー付きで、立体裁断?
袖口はボタンで開閉。
マチはありません。
襟の裏にはジッパーが!
ジグザグのステッチは、当時の作業服と同じですね。
襟裏ジッパーのプルタグ
こちらも「YKK」
ジッパー内(背中)には簡易フードが内蔵されていました。
フードは薄いナイロン製。
フード前縁のドローコード
フードの使用方法
襟裏前部にあるボタンにフードを留めます。
(アメリカ軍フィールドジャケットのようにエポレットのボタンは使用しません。)
次に前面のボタン2個を留めます。
完成!
完璧ではありませんが、首筋の風も概ね防いでくれそうですね。
エポレットに使用されているボタン。
65式作業服の袖口に使用されている小さいタイプ。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
生地はODに染められた細い糸で編まれたツイルで、当初は撥水性があります。
(洗濯を繰り返すことで撥水性は無くなっていきます。)
1980年代の製品は、生地の表面に艶がありましたが、おそらく末期型とも言える今回のモデルは殆ど艶消しですね。
またカラーもやや茶色味(赤味)が強い気がします。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、ウエストにはドローコードを配置。
襟の中(正確には背中の内側)には簡易フードがあります。
面白いのは上半身のみライニングがあるのですが、袖が半袖というところですね。
またそのサイズ感ですが、作業服旧サイズ1号を着用している場合、作業外被は2号が適正サイズになります。
(つまりワンサイズ大きい造りになっています。ここ要注意ですね!)
全体的な縫製は、とても正確かつ丁寧…なのですが、今回のモデルは左右で襟が違う角度になっていました。
これは生地の裁断ではなく縫製が問題のようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1997年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
麻
表記サイズ 2
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約81cm
肩幅 約47cm
身幅 約60cm
袖丈 約57cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京のイベント
入手難易度 2()
スポンサーリンク
【ふるさと納税】 【自衛隊装備品モデル】(衛生隊員用)メディバッグ 「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA 鞄 ミリタリー [AP001]
スポンサーリンク
5 まとめ
私が初めてこの作業外被に袖を通したのは、1981年でした。
入隊と同時に配置された教育隊で支給され、勿論教育訓練でも使用しましたよ。
ちょうどOD作業服(戦闘服)全盛の時代(迷彩服1型も存在していましたが、現在の迷彩服2型とは違ってあくまで演習用装備でした!)でしたね。
面白いのはこの作業外被を着用すると、いきなりタミヤ1/35「アメリカ軍歩兵セット(8体)」の兵士とよく似た出立ちになったことでしたね。
(陸上自衛隊の装備は、アメリカ軍の影響を受けていることを再確認できました。)
またタグからこのモデルが1997年度契約品というのが判りました。
これは迷彩服1型に変わり、迷彩服2型が支給されてしばらく経った頃ですよね。
つまり新型迷彩戦闘服(作業服)と被るタイミングがあったということです。
その後しばらくして、OD作業外被は2型迷彩作業外被に更新されました。
全部の装備を一気にではなく、アイテムによって迷彩への更新時期が違っていたのですね。
面白いです!
…それはともかく、デッドストックである今回のアイテム。
何故か最近デッドストックを多く見掛けるようになりました。
さすがに大手通販サイトで見かけることはりませんが、国内のオークションには頻繁に出品されていますね。
もしかしたら購入するべき時なのかも?
一着のジャケットとしてみた場合、着用すると風を通さず下に着込むことで真冬でも使えそうですし、アメリカ軍物とはまた違ったテイストなので、ファッションでも個性を発揮できそうですね。
注意するべきはサイズで、旧サイズ表記もさることながら、ワンサイズ大きいサイズ感なので、購入する場合は必ず試着してみましょう!
(65式作業服(OD及び1型迷彩)よりワンサイズ小さいものがベストかも?)
今ひとつ人気のないジャケットですが、あなたにはぜひ有効的に活用してほしいですね!
今回は、陸上自衛隊のOD作業外被プレーン(デッドストック)を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240815更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:他の陸上自衛隊各種作業外被に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
【ふるさと納税】 【自衛隊装備品モデル】(水陸両用作戦隊員用)マリンバッグ 「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA 鞄 ミリタリー [AP002]
【ふるさと納税】 【自衛隊装備品モデル】(MCV隊員用)MCVバッグ(可変型)「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA 鞄 ミリタリー [AP003]
【ふるさと納税】防衛省陸上自衛隊規格 戦闘飯ごう2型 アウトドアで炊く・焼く・蒸す・煮るができる便利調理器具【1417185】
【ふるさと納税】 【自衛隊装備品モデル】(偵察オートバイ隊員用)マップケース 「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA 鞄 ミリタリー [AP004]
【ふるさと納税】D20-06 陸上自衛隊規格 戦闘シャベル ~ソロキャンプで活躍するスコップ~
【ふるさと納税】 【自衛隊装備品モデル】(衛生隊員用)メディバッグ 「MIシリーズ」Made in MIZUSAWA&ISAWA 鞄 ミリタリー [AP001]
スポンサーリンク