今回は、1970年代の陸上自衛隊69式作業外被を分析します。
以前分析した陸上自衛隊作業外被(OD・官給品)の一つ前のモデルですね。
やはり、どことなくアメリカ軍M51フィールドジャケットの雰囲気があります。
実際に隊員さんが長く使用していた中古品なのでかなりの使用感がありますが、まだまだ着用可能ですよ!
目次
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1 陸上自衛隊69式作業外被(OD・1971年度契約品)とは?
各国軍が装備する寒候期の戦闘服としてフィールドジャケット(あくまでアメリカ軍の呼称)があります。
そんなフィールドジャケットの特徴としては
- 防風性能の高い厚めの生地製
- 多くの場合シェル(外皮)とライニング(内張)がある。
- 専用のライナーを取り付ける、または下に着込むためサイズがやや大きい
というものがあります。
通常は一般的な戦闘服の上に着用し、寒候期の防寒対策として使用されることが多いですね。
勿論フィールドジャケットは、我が国の自衛隊でも採用していますよ。
今回のモデルは、おそらく陸上自衛隊が採用したフィールドジャケットで、型式と名称は「69式作業外被」になります。
一説には、アメリカ軍のM51フィールドジャケットを参考にデザインされているとか?
さてさて、それはどんな作業外被なのでしょうか?
今回は、コアな陸上自衛隊装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
やはり腰ポケットは前面にありますね。
また着丈も長いです。
背面
前面裏側
ほぼ全面に起毛された薄いライニングがあります。
この当時の自衛隊装備では珍しいですね。
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはボタンのみ。
襟裏には3個のダットファスナーと2個のボタンあり。
おそらく専用のフードを取り付けるためのもの。
前見頃には専用のライナーを取り付けるフラップもあり。
うなじのサイズタグ
タグ
1971年度契約品です。
何故かタグが綺麗に残っていました。
でも記名タグは雑に取り外されていました。
ライニング下端は裾に巻き込まれて縫い付けられています。
脇の通気孔
金属製ハトメで3個
ちゃんと力布付き。
エポレット
僅かにテーパーのついたクサビ型。
ボタンで開閉。
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉。
後のモデルと違っていますね。
前見頃下部の裾には、意味不明のボタンホールあり。
前見頃のボタンホール部は、ダークグリーンの別生地で補強されていました。
右袖には使用に伴う穴が!
襟は肌が接するところの褪色が著しいですね。
でもまだ擦り切れてはいません。
袖
テーパー付き。
袖口はボタンで開閉・調整
マチ付き。
前見頃裏側にはドローコードの出口あり。
(ドローコードは欠品)
エポレットのボタン
ODのプラスティック製で、糸が傷まないよう溝が掘られています。
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3 その特徴とは?
生地はOD(オリーブドラブ)に染められたコットン/麻の混紡ツイルで、軽量かつ耐久性があります。
細い糸で編まれていて、防風性能も高そうですね。
後のモデルとは違って、裏側のほぼ全面に薄い起毛した化繊のライニングがあり、かつ専用のライナーを取り付けるためのボタンホール付きタブがあります。
(ライナー欠品)
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、ウエストにはドローコードがあります。
(今回のモデルはドローコードも欠品。)
今回は準備できませんでしたが、専用のフードとライナーが存在しているはずです。
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で手抜きは見られません。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1971年
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 コットン
麻
表記サイズ 3
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約83cm
肩幅 約46cm
身幅 約57cm
袖丈 約55cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 名古屋の骨董市
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
確かに今回のモデルを観察すると、そのデザインはアメリカ軍M51フィールドジャケットが原型との説も頷けますね。
でも69式作業外被のオリジナルな箇所も存在しているのが面白いですね。
その後さらなる改良(省略化?)を重ねて、最終的には現在も残っている作業外被のデザインに落ち着いているのは興味深いですね。
…こうなってくると、是が非でも専用の「ライナー」と「後付けフード」を入手して、完全装備を再現してみたい欲求に駆られます。
それはともかく、自衛隊の黎明期から1970年代における装備大系には、不明な点:ミッシングリンクが多いですね。
今回のモデルも、いわば「ミッシングリンク」を埋める大切な装備なのかもしれません。
ところが現在のところ入手はとても困難ですね。
国内ミリタリーショップは当然、オークションにもまず出品されることはありません。
ただ時代的にある程度数量は製造されているので、入手するチャンスはあると考えます。
注目すべきは最近のリサイクルSHOPです。
ここでは、それまでマニアが集めたコレクションを引き取る方向にあって、信じられない物も取り扱っていて、安価で販売されている場合もありますね。
古着屋さんも含めて、覗いてみましょう!
今回は、陸上自衛隊の69式作業外被を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他の陸上自衛隊作業外被に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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