今回は、1990年代と思われる陸上自衛隊迷彩パイロットスーツを分析します。
以前分析した84式迷彩航空服と同じデザインですが、使用されている迷彩生地が現行の２型迷彩ですね。
やはり難燃繊維製のようです。
実際に隊員さんが使用していた中古品で、欠品もありますが程度は良好ですよ！
目次
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１ 陸上自衛隊迷彩パイロットスーツ（フライトスーツ・航空服セット・２型迷彩・初期型）とは？
勢力の東西を問わず、多くの軍隊で採用されているカバーオール（つなぎ）タイプのパイロットスーツ。
でも1960年代以降（諸説あり。）の陸上自衛隊では上下セパレートのパイロットスーツを採用し続けているのは、これまでこのブログでも取り上げてきました。
当時から頑なにこのデザインを守り続けているのは、やはり利便性が高いからなのでしょうね。
今回のモデルは、そんな陸上自衛隊が1990年代に採用したと思われる上下セパレートのパイロットスーツ（航空服）になります。
２型迷彩の難燃生地製モデルですが、上衣（ジャケット）の裾が65式作業服に似た初期型ですね。
勿論、下衣の「例の装備」も健在ですよ！
さてさて、それはどんな迷彩難燃パイロットスーツなのでしょうか？
今回は、陸上自衛隊装備マニアのみならず、世界のパイロットスーツコレクターのあんたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
上衣
前面
裾はラウンドのシャツタイプですね。
背面
前面裏側
背面裏側
背面上部は生地が二枚重ねになっています。
背面上部のサイズスタンプ
襟周りレイアウト
裾は65式作業服と同じようなデザイン。
前合わせはジッパーのみ。
ジッパー後にあるストームフラップ（ウインドシールド）に注意。
ストームフラップ（ウインドシールド）には伝統の縦ステッチあり。
ストームフラップ（ウインドシールド）裏側
ジッパー以上の長さがあります。
前面裏側右裾付近のタグあと。
どうやら官給品のようです。
ジッパー
プルタブ刻印は「YKK」
プルタブとスライダーは金属製ですが歯はプラスティック製です。
エポレット
僅かにテーパーのついたクサビ型。
ボタンで開閉。
エポレットのボタン
一般的な作業服などの袖口に使用されているものと同じですね。
胸ポケット
ジッパーで開閉。
左胸の後付けマジックテープ。
左胸のマジックテープは手縫いでした。
袖
強いテーパー付き。
肘の補強生地は裏側に縫い付けられています。
脇の通気孔
作業服などと同じデザインですが…
脇の通気孔は裏側にフラップがあって冷気の侵入を防ぐデザインです。
袖ポケット
ジッパーで開閉。
表面にペン用ポケットあり。
袖口
マジックテープで開閉・調整
マチ付きです。
一部に生地の解れが！
ギリギリの裁断なんですね。
でも強度は保たれています。
下衣
前面
左右非対称なデザインですね。
背面
ヒップポケットはありません。
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーと頂部のボタン。
ウエスト裏側にあるサイズスタンプ
左腰スラントポケット内側生地にあるタグあと。
膝の補強生地は裏側に縫い付けられています。
左側面レイアウト
腰スラントポケット
左膝クリップ
ある程度使用されていますね。
左膝クリップの力布。
右ふくらはぎポケット
ジッパーで開閉。
こちらはポケット表面にペン用ポケットあり。
ペン用ポケットは四本用
足首ジッパー
マチ付き。
左ふくらはぎポケット
ジッパーで開閉。
こちらにペンポケットはありません。
裾
テーパー付き
ベルト
スーツと同じ難燃繊維生地です。
バックルは一般隊員用と同じプラスティック製
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３ その特徴とは？
迷彩はいわゆる２型迷彩で、パターンは一般的な作業服（戦闘服）などと同じですね。
配色は、ライトカーキ（またはタン）の生地に、グリーン、ブラウン、ブラックの小さいダット（点模様）を用いて、雲型や葉のようなパターンをプリントしてあります。
ただ以前分析した84式航空服もそうでしたが、難燃生地なので全体的に暗い色調なのが特徴です。
生地は、ウールと難燃繊維の混紡で、あまり見かけない織り方になっていますね。
デザインは、全体的には84式迷彩航空服とよく似ています。
構成は、上衣がエポレット付、胸ポケット×2、袖ポケットで裾は下衣に入れるラウンドタイプで、前見頃にはストームフラップ（ウインドシールド）があります。
一方下衣は、腰スラントポケット×2、ふくらはぎポケット×2で、足首にジッパーがありますがシンプルなデザインです。
左膝にあるクリップも健在ですよ。
面白いのは各部のジッパーと専用ベルトのバックルが、全てプラスティックになっているところですね。
（勿論、難燃プラスティックだと思われます。）
全体的な縫製は、とても丁寧かつ正確なのですが、現時点では一部の縫製が解れたりしています。
因みにジャケットが外出しできるタイプで裾は水平カット、ウエストはマジックテープで調整できタイプが後期型（現行タイプ？）になります。
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1990年代
製造場所 日本
契約会社 日本
製造会社 〃
材 質 難燃繊維
ウール
表記サイズ 3
（日本人のM）
各部のサイズ（平置）
上衣
肩幅 約42cm
身幅 約54cm
着丈 約74cm
袖丈 約55cm
下衣
ウエスト 約42cm
着丈 約103cm
股上 約33cm
股下 約74cm
裾幅 約18cm
状 態 中古良品
官民区分 官給品
入手場所 東京のイベント
入手難易度 4（極めて困難）
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５ まとめ
今回のモデルは、まだ84式航空服のデザインを引き継いでいますね。
（特にジャケットの裾デザイン。）
でも迷彩生地が２型迷彩になっているため、受ける印象も全く違います。
１型迷彩より効果的とされる２型迷彩。
航空服とはいえ、一般隊員と類似した迷彩なので効果も期待できそうですね。
また難燃繊維というのもポイント高いです。
これなら実戦での機外活動でも問題が少なそうですよ。
…それはともかく今回のモデルは、ただでさえ少ない陸上自衛隊官給品パイロット装備でも、すでに廃盤となっているため、入手は極めて困難でしょう。
それでもこのパイロットスーツが支給されていた当時は、現在ほど官給品の処分が厳格ではなく、いくつか市場に流れている可能性があります。
（むしろ後期型の方がさらに入手困難でしょうか？）
探しているあなたは諦めず、ありとあらゆる場所をチェックしてみましょう。
（特にリサイクルショップは侮れません！）
私は、今回のモデルのもう少し大きいサイズと後期型を探してみます。
今回は陸上自衛隊の迷彩難燃パイロットスーツの初期型を分析しました。
いやー自衛隊装備品って、本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
（20250614更新）
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参考：今回のモデルの前に採用されていた陸上自衛隊官給品航空服（パイロットスーツ）に関する記事はこちらです。⬇︎
陸上自衛隊パイロットスーツのモデル品に関する記事はこちらです。⬇︎
他の自衛隊装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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