今回は、1980年代の旧東ドイツ軍戦車兵用ビノキュラー(双眼鏡・輸出型)を分析します。
日本では「国境警備隊用」ということで紹介されていましたね。
製造には、かの有名メーカーが携わっていました!
欠品がありますが、程度は極上ですよ!
目次
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1 旧東ドイツ軍戦車兵用ビノキュラー(双眼鏡・輸出型)とは?
もはやどの家庭でも所有していて市民権を得た双眼鏡(ビノキュラー)。
光学精密機器の生産において他国を凌駕する我が国では、現在多種多様な双眼鏡が製造・販売されていますね。
望遠鏡(単眼鏡:テレスコープ)を二つ並べたことにより、遠くのものをより立体的に観察することができることから、主に第一次大戦くらいから軍隊でも使用されるようになりました。
双眼鏡については以下を参照してください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/双眼鏡
今回のモデルは、亡国旧東ドイツ軍が戦車兵(含む戦闘車両乗組員)に支給した双眼鏡になります。
日本では「国境警備隊用」として輸入されましたね。
旧東ドイツが消滅した1990年代には、多量の軍装品が安価に輸入されましたが、何故か空挺装備とこの双眼鏡だけは、とても高価で取引された記憶があります。
今回のモデルは残念ながら輸出用ですが、C社純正の高性能がウリですね。
さてさて、それはどんな双眼鏡なのでしょうか?
今回は、旧東ドイツ軍装備マニアのみならず、野鳥観測マスターのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体形上面
対物・接眼両レンズには、カバーを装着しています。
(カバーはいずれも不時落下防止策が施されていますね。)
全体形下面
殆どの部分がラバーパットで覆われています。
各種ストラップはグレイのナイロン製。
上面
下面
側面
前面
レンズはいずれも対紫外線コーティングがなされています。
背面
カバーは左右一体型。
接眼レンズ拡大
正面に見える刻印
英語表記!
右接眼レンズ付近には放射線マークとレバーが。
本来は、夜間にレティクルを光らせる仕掛けですが、現在は光りません。😭
双眼鏡なのですが、一般的なものとは違い、接眼レンズは左右でピントを微調整できます。
(かなりの距離を動かせます。)
一方、一般的な双眼鏡のように、中央のシャフトにはピントを調整するダイヤルはありません。
レティクル
(全景は撮影できませんでした。😅)
実際の使用例(士官のようです。)
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3 その特徴とは?
本体は、明るいグリーンに塗装されたステンレス製(一部アルミニウム)で、外部の殆どにラバーパットが付いていますよ。
(耐久性に優れていますね。勿論取り外しできます。)
本体のカラーには、グリーンの他にブラックも確認されています。
(こちらが国境警備隊用?)
ネックストラップはナイロン製で標準装備。
一方レンズキャップは、対物レンズ側がラバー製、接眼レンズ側は強化プラスティックで、こちらも標準装備です。
レンズはいずれもコーティングが施されていて、紫外線対策はバッチリですね。
(さすがC社!)
右側には鏡内にレティクルがあって、対象物までの距離を測ることができます。
レティクル拡大
クロスゲージのメモリは5ミル単位(長いのが10ミル)
スロープゲージは2.5mが基準となっていますよ。
これは標準的な西側戦車の車高ですね。
全体的な作りは、とても堅牢でドイツ人の職人気質を感じる逸品ですね。
本来なら、赤外線用レンズキャップと取説があるはずですが、どこかへ仕舞い込んだままになっています。😅
(見つけ次第アップしますね!)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 旧東ドイツ
契約会社 旧東ドイツ
製造会社 〃
形 式 ダハ防水式
独立調整(IF)方式
材 質 ステンレススチール
アルミニウム
ガラス
ラバー
強化プラスティック
各部のサイズ(平置)
全長 約180mm
全幅 約140mm
全高 約60mm
対物レンズ 約45mm
接眼レンズ 約20mm
倍率 約4倍
状 態 中古上品
官民区分 民生品?
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
この双眼鏡を除いてみて驚くのは、その明るさです。
後輩が高額な国産の双眼鏡を持っているのですが、比べ物にならないくらい明るいですね。
また近距離はともかく、遠距離ではセンターフォーカス式のように一々物体に焦点を合わせなくても、まるで肉眼のように焦点を合わせることができるのも特徴です。
(何方式というのでしょう?🤔)
倍率は約4倍なので、物体の拡大能力は低いですが、逆に広い範囲を見渡すには好都合の倍率と言えるでしょう。
私も実際に基地警備訓練等で使用していましたが、夜間でも官給品双眼鏡よりよく視認できましたね。
ところでレティクルのスロープゲージは、基準が2.5mになっています。
これは当時の西側戦車の平均車高を基準にしているからですね。
使い方は、戦車を発見したら
- 水平のラインに戦車のキャタピラ(履帯)下部をセット
- Vマークを車体頂部にセット
- Vマーク下の水平ライン下の目盛り(200m刻み)を読む
ことでその戦車までのおおよその距離を測定することができます。
戦場で敵戦車を探し、簡易的な測距を行うには十分な双眼鏡ですね!
(秋山殿、これで有効な反撃ができますか?)
戦車でなくても約2.5mのものでしたら測距可能ですよ!
勿論一般的(風景やスポーツ観戦)にも使用可能です。
でもこの明るさと機能なら、フィールドで小鳥を探す場合に真価を発揮しそうですよ!
欠点としては、時間と共にラバーパットなどがベトベトして(加水分解?)、手に黒い汚れがつくことがあります。
衣類なども汚れる場合がありますので、要注意ですね。
そういった場合には、市販のアーマオールで何回か拭いてみるとベトベトが落ち着くのでぜひ試してみてください。
さてこの双眼鏡ですが、元々入荷数が少なく、しかも年々価格が上昇していった挙句、現在では全く見掛けなくなってしまいました。
もはやオークションでも中古品すら出品されなくなりましたね。
それでも海外のオークションでは時折出品される場合があるようです。
探しているあなたは、ぜひ覗いてみてください!
私は同軍の他モデルを探してみたいと思います。
最後に今回の双眼鏡を製造したC社さんにお願いがあります。
採算は採れないかもしれませんが、ぜひ今回のモデルを再販してください!
(修理や予備パーツの供給もお願いします。🙇♂️)
今回は、旧東ドイツ陸軍の超高性能な戦車兵用双眼鏡を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240923更新)
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参考:双眼鏡ではありませんが、他のレンジファインダーに関する記事はこちらです。⬇︎
今回の双眼鏡のメーカーが製造した照準器に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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