今回は、1980年代のポルトガル軍陸軍迷彩ジャケットを分析します。
これまで、同じ迷彩生地を使用した空挺スモックと半袖シャツを分析しました。
いよいよ今回は一般兵科用のジャケットを…と思ったのですが、ちょっと疑問点もありましたね。
残念ポイントもありますが、程度は極上ですよ!
目次
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1 ポルトガル陸軍迷彩ジャケット(2NDリザードパターン・4ポケットタイプ)とは?
まるで刷毛で乱雑に塗りたくったような、独特の迷彩パターンを文字どおり「ブラッシュパターン」と呼ばれているのは、このブログをご覧のあなたにはご存知のとおりですね。
中でも1950年代に開発されたといわれるフランス軍の迷彩パターンは、芸術的なパターンとその悲劇的な歴史でとても有名ですね。
(のちに有名になったタイガーストライプも、フランス軍のブラッシュパターンが原型でした。)
根拠は不明ですが、この迷彩パターンを欧米では「リザード(トカゲ)パターン」と呼ばれていますね。
代表的なフランス軍「リザードパターン」の空挺迷彩スモック
残念ながらフランス本国におけるこの迷彩パターンは衰退していきました。
でも、フランス近隣諸国や旧植民地では、現在でも「リザードパターン」のバリエーションとも言うべき迷彩が採用されていたりしていますね。
今回のモデルは、ポルトガル軍が採用した「2番目のリザードパターン」の生地で製造されたジャケットになります。
当初ポルトガルは、フランス軍に似た配色のリザードでしたが、次第に独特の色調で製造するようになりましたよ。
(ポルトガルは、よほどこのパターンが気に入ったのか、現在も色調とパターンを僅かに変更した迷彩生地を一部の部隊で使用していますね。)
さてさて、その中期型リザードパターンを用いたジャケットとは、どんな迷彩ジャケットなのでしょうか?
今回は、ポルトガル軍装備マニアのみならず、リザードパターンファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせ頂部のボタンは最初から紛失😞
前合わせはボタンのみです。
うなじのタグ
サイズのようです。
胸ポケット
ボタンで開閉
腰ポケット
こちらもボタンで開閉
各ポケットの下端は、角がカットされているタイプ。
袖
ほぼストレートで、単純な筒です。
迷彩パターン
今回のモデルは、背面に汚れがありました。
ホームクリーニングで落とせるでしょうか?
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3 その特徴とは?
迷彩は、カーキーグレイの生地に、ライトグリーン、マホガニーブラウンを用いて、刷毛で豪快に塗ったようなパターンをプリントしています。
まるで透明水彩絵具のように、グリーンとブラウンの重なったところは、より濃い色調のブラウンになっていますね。
僅か二色しか用いていませんが、都合4色迷彩になっています。
(意図したものかどうかは不明ですが、面白いですね。)
生地は厚いコットン製のツイルですが、数回洗濯されたようで、とても柔らかくなっていますよ。
(未使用の状態ではゴワゴワなのが特徴でしたね。)
デザインはエポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、とてもシンプルです。
ポケットフラップの形状やボタンが表出しされていることから、やや古めかしい印象を受けますね。
全体的な縫製は、少々雑で縫製も甘いところがあります。
今回のモデルでは、前合わせ頂部のボタンが購入時から紛失していました。
(でもこのボタンの形状なら、日本の市販品でも入手できそうな気がします…。)
他のボタンも現時点ではゆるゆるで、いつ解れてもおかしくない状況です。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 ポルトガル
契約会社 ポルトガル
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 6
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約71cm
肩幅 約45cm
身幅 約56cm
袖丈 約59cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
個人的には、このリザードパターンはとても気に入っていて、上述のとおりいくつかのアイテムをコレクションしています。
ただ今回のジャケットに関しては、当のポルトガル軍が使用している写真を見たことがありません。
外国の書籍にも言及されておらず、まったく謎のジャケットですね。
迷彩生地は、まごうかたなきポルトガル軍の官給品生地ですが、サイズタグ以外がない…というのも変です。
(サイズ表記は、ポルトガル軍に似ているのですが…。)
もしかしたら、旧植民地用の少数生産された迷彩ジャケットかもしれませんね。
(不明な点が多いので、今後も調査をケイゾクします!)
さて、この明暗が混在した迷彩パターンは、実際にフィールドで使用する際にも効果を期待できますね。
サバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測などに使用できそうです。
(上下+ハットも揃えたいですね。)
残念ながら2021年現在、この迷彩ジャケットを目にする機会は皆無に等しいです。
それでも、時折国内外のオークションで出品される場合があります。
また、大阪の専門店には、不定期ながら入荷しているようですね。
探しているあなたは、しっかり資金を貯めて購入に備えましょう!
私は、同じ迷彩生地を用いたトラウザースと存在は不明ですがブーニーハット(いずれもデッドストック)の購入を目指したいと思います。
今回は、ポルトガル陸軍と思われるリザードパターンの迷彩ジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240824更新)
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参考:同じ迷彩生地を用いたポルトガル軍装備はこちらです。⬇︎
他のポルトガル軍装備はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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