今回は、ロシア軍の特殊部隊が使用していた迷彩ユニフォームを分析します。
この迷彩ユニフォームも、どこかの国と同じ迷彩パターンですね。
なぜそうなのか?用途は?
…などと考えていくと、空恐ろしいものを感じますね。
それはともかく、今回はデッドストックですよ!
目次
スポンサーリンク
スポンサーリンク
1 ロシア陸軍特殊部隊用迷彩ユニフォーム(フィンランド軍迷彩パターン)とは?
旧ソ連時代とは打って変わって、ロシア軍は、多種多様な迷彩服を使用していますね。
それというのも、正規の軍以外にも一部の省がそれぞれ独自の軍隊を保有していて、それぞれ別の迷彩服を採用しているからですね。
加えて、比較的頻繁に迷彩服の更新も行われていることから、当のロシア軍さえその全てを掌握できていないのではないか?…というくらい種類が多いです。
中でも各種特殊部隊の使用する迷彩服は少々異様です。
何故なら、ロシア以外の国の迷彩パターンをそっくり模した迷彩服があるからです。
これまで当ブログでも、ドイツ軍、イギリス軍、フィンランド軍の迷彩パターンを再現したロシア軍の迷彩服を分析しました。
今回もフィンランド軍の迷彩パターンなのですが、デザインは特殊部隊員が着用する一般的なモデルになります。
(前回のフィンランド型パターンのモデルはスナイパー用スモックでした。)
発展途上国や、大国の旧植民地だった国が、かつての宗主国や他国の迷彩パターンを採用する例は多いですね。
でも軍事大国のロシアがそうするのは、何か理由があるように思えてなりません。
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、ロシア軍装備マニアのみならず、効果的な迷彩服を探しているあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
背面
前面裏側
向かって左側胸部には、内ポケットがあります。
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはボタンのみです。
うなじのタグは切り取られていました。😞
胸ポケット
ボタンで開閉
迷彩生地はリップストップ(引き裂け防止処理)なので格子状の模様が見られます。
袖
殆どストレートです。
肘には補強生地あり。
袖口はボタンで開閉・調整
袖は二重になっていて、袖口にはゴムを内蔵
(ゴムは劣化しています。)
ボタンホールはグレイの生地で補強されています。
内ポケットの下にある小さく四角い生地は、補修用の生地
内ポケット開口部
ん…何か入っていますよ!
内ポケットの中には、ナイロン製の別ポケットがありました。
防水仕様のようです。
(タバコ入れでしょうか?)
折り返して、マジックテープで開閉
ウエストのにはサイズ調整ストラップ(中にゴムを内蔵)があります。
ボタンはスナイパースモックにも使用されていたアメリカ軍タイプですね。
脇は別パターンの迷彩メッシュ生地で通気を確保
(ウッドランドのような見たことのない迷彩パターンですね。)
トラウザース
前面
膝の前面にポケットがあるデザインが珍しいですね。
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンと金属製のホックです。
トラウザースにはタグが残っていました!😃
前合わせは裏側に別の生地がありました。
冷気の侵入防止なのかもしれませんが、意外に開閉が面倒です。
ウエスト左右にはゴムを内蔵
サスペンダー用のループもあります。
ウエスト部背面
面白いことに左ヒップポケットはパッチポケット。
右はスラッシュポケットです。
臀部の補強生地
股間にはやはりメッシュの別生地で通気性を確保
右側面レイアウト
腰スラッシュポケット
右ヒップポケット
ボタンで開閉
膝前面のポケット
こちらもボタンで開閉
膝の補強生地
裾は二重になっています。
裾を締めるコードは内側の裾に縫い付けられています。
外側の裾にはゴムを内蔵。
何故かふくらはぎ付近には、例の迷彩メッシュ生地が。
左ヒップポケット
ボタンで開閉
スポンサーリンク
スポンサーリンク
3 その特徴とは?
迷彩は、ホワイトの生地にブラウン、濃淡二色のグリーン、チャコールグレイを用いて、細かい斑点や雲型を描いています。
各色の境は、意図的に段差を付けてありますが、昨今のデジタル迷彩のようにハッキリクッキリしたものではなく、少々緩い感じにプリントしてあります。
パターンはフィンランド軍のM05迷彩と全く同じですね。
迷彩比較
今回のモデル
フィンランド軍M05迷彩ジャケット🇫🇮(前面)
デザインと生地の織り方は違っていますが、迷彩パターンと色調は同じですね。
今回のモデル(背面)
参考:フィンランド軍M05迷彩ジャケット🇫🇮(背面)
生地は薄いコットンとポリエステルのリップストップ(引き裂け防止処理)で、丈夫で通気性が良いです。
デザインは、他の特殊部隊引用迷彩ユニフォームと同じですね。
構成は、ジャケットがエポレットなし、胸ポケット×2、内ポケット×2で、丈の短い人民服タイプ。
袖は何故か二重になっています。
(防寒目的だと思いますが、生地が薄いので風が通るのでは?…でも専用ライナーがあるのかも。)
内ポケットが独特で、一つのポケットの中にナイロン製の別ポケットがあります。
(このナイロン製ポケットは旧ソ連時代から多用されていますね。)
トラウザースは、腰スラッシュポケット×2、ヒップポケット×2、膝ポケット×2ですが、ウエストにはゴムを内蔵、サスペンダー用のループも装備。
裾はこちらも二重になっています。
長いブーツを使用するため、意外に股下が短いのが特徴です。
全体的な縫製は、旧ソ連時代や初期のロシア製品に見られる雑な感じではなく、丁寧で正確です。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2000年代
製造場所 ロシア
契約会社 ロシア
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 50–3
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約70cm
肩幅 約48cm
身幅 約60cm
袖丈 約62cm
トラウザース
ウエスト 約42cm
着丈 約105cm
股上 約34cm
股下 約74cm
裾幅 約12cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 4(極めて困難)
スポンサーリンク
Finland Military Camo Jacket 迷彩 L XL フィンランド軍 ミリタリー ジャケット カモ柄 【中古】
スポンサーリンク
5 まとめ
かつて中国共産党は、1980年代に他国の迷彩パターンを模倣した迷彩服を製造し、「テスト」という名目で一部の部隊に支給していましたね。
中にはアメリカ軍、イギリス軍に加え、なんと陸上自衛隊の迷彩服1型(通称:熊笹迷彩)のパターンも再現していました。
(イギリス軍の迷彩は、現在でもコピーされて人民解放軍内で使用されていますね。)
でも本当は、他国の兵士に「なりすまして」活動する…というのが目的では?…と実しやかに語られていました。
今回のモデルや一連のロシア製他国迷彩パターンのモデルも、或いはそんな目的があったのかもしれませんね。
それはともかく、原型のフィンランド迷彩は、第二次大戦中にドイツ武装親衛隊が支給した迷彩パターンの発達型とも言われている効果的な迷彩でしたね。
それを忠実にコピーした今回の迷彩も、効果的な迷彩と言えます。
日本のフィールドでは、サバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、場合によっては釣りなどにも使えそうですね。
残念ながら現在は数が減っていますが、時折オークションなどでも出品されています。
(しかも不人気なのか、意外に安価な場合が多いです。)
探しているあなたは、オークションサイトなどにキーワードを登録して、引っ掛かるのを待ちましょう。
それまで、資金を運用したり貯めたりして、購入の態勢を整えておきましょう。
今回は、その用途を考えると少々キナ臭い、ロシア軍の迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに。
(20231130更新)
スポンサーリンク
スポンサーリンク
参考:今回のモデルと同じ迷彩パターンを用いたロシア軍スナイパースモックに関する記事はこちらです。⬇︎
www.military-spec-an.com他のロシア軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
ロシア軍が参考にしたフィンランド軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク
ロシア軍 SSO/SPOSN Smersh SVD/VSS スナイパー タクティカルベスト デジタルフローラ/オリーブ (オリーブ)
SSO/SPOSN ロシアミリタリーバックパック "Attack 2"
【実物】ロシア軍 BTK group製 ロシア陸軍 寝袋 デジタルフローラ
ロシア軍 メディカルショルダーバッグ デッドストック
スポンサーリンク