今回は、スウェーデン軍の有名な迷彩服を分析します。
以前分析したモデルは中国製モデル品でしたが、今回はスウェーデン軍官給品です。
このアイテムも、最近めっきり減ってきましたね!
中古品ですが程度は良好ですよ!
目次
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1 スウェーデン陸軍M90迷彩ユニフォーム(スプリンターパターン)とは?
武装中立を国是としていたスウェーデン。
第二次大戦後は自国開発のユニークな、それでいて強力な兵器を運用していました。
個人装備においても、各種迷彩服の研究を重ね、1960年代には幾何学模様の独特の迷彩服を装備したりしていましたよ。
当初スウェーデンが採用した迷彩⬇︎
(J.F.Borsarello著「CAMOUFLAGE UNIFORMS of European and NATO Armies 1945 to the Present」より引用)
しかし、1980年代からは、より実用的かつ効果的な迷彩を採用しました。
スプリンター(破片)迷彩と呼ばれるこの迷彩は、第二次大戦中からドイツ軍の一部で採用されていたパターンでしたが、それらを進化させたのが今回の迷彩です。
一時期、軍用機や車両までよく似た迷彩を塗装していましたよ。
スウェーデン空軍
サーブ社製ビゲン戦闘機
ブログ「世界の航空機フォト・ライブラリー」(坪田淳史)より引用
さてさて、それはどんな迷彩ユニフォームなのでしょうか?
今回は、迷彩服コレクターのみならず、ファッションに造詣の深いあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
ジャケット
前面
背面
前面裏側
ライニングは胴体のみです。
背面裏側
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
タグ
官給品はスウェーデンのマーク(3個の王冠)が付いています。
(モデル品にはこのマークがありませんでした。)
襟はジッパーを一番上まで上げることで、立てることができます。
胸ポケット
垂直のジッパーで開閉。
ポケットの中にはペンポケットがあります。
腰ポケット
角度が付いていてジッパーで開閉
ジッパーは無刻印
袖はテーパー付きでタブと ダットファスナーで開閉・調整
袖下半分は補強生地あり。
袖の補強生地は袖口まであります。
袖口はダットファスナーで開閉・調整。
スウェーデン国籍パッチ(ワッペン)
まさかの手縫い!
(後付けでしょうか?)
左胸の用途不明な横ポケット
(向かって右側が開放)
襟章
おそらく兵科章で、歩兵では?
内ポケット
こちらも ダットファスナーで開閉
右側にペンポケット
ウエストのドローコードと独特のロック
ダットファスナーの反射防止処理
材質は銅合金
トラウザース
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはジッパーと前後2個のボタンです。
トラウザースタグ
ジャケットと同じですね。
ウエストのボタン
右側面
腰のスラッシュポケットにはフラップ付き
スラッシュポケットの内側は白い生地
膝カーゴポケットは、水平のジッパーで開閉
裾と足首
足首はジッパーとダットファスナーで拡げることができます。
(マチ付き)
裾はナイロンの生地で補強されていますね。
補強生地の裏側には、用途不明の金具が。
ダットファスナー表面の反射防止処理
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3 その特徴とは?
迷彩は、ホワイトの生地にタン、濃淡二色のグリーンとチャコールグレイで、ガラスの破片のようなパターンを描いています。
比較的大きな葉のようにも見えますが、明らかに自然には存在しないようなパターンですね。
生地は、やや厚いコットンとポリエステルのサテンで、目が細かく防風性能が高そうです。
高級生地といった感じですね。
デザインは、ジャケットがエポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット2で、各ポケットはジッパーで開閉するコートタイプ。
トラウザースは、腰左右のスラッシュポケット×2、膝のカーゴポケット×2で足首には着脱しやすいようにジッパーがあります。
やはり裾がナイロン生地で補強されていますね。
全体的に仕立ては丁寧かつ正確で、高いレベルで縫製されています。
もし日本でモデル品を作ったら、2〜3万円くらいかかりそうな印象です。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1992年
製造場所 スウェーデン
契約会社 スウェーデン
製造会社 〃
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ 170/65
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
ジャケット
着丈 約74cm
肩幅 約51cm
身幅 約61cm
袖丈 約56cm
トラウザース
ウエスト 約37cm
着丈 約100cm
股上 約30cm
股下 約75cm
裾幅 約14cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
相変わらずスッキリとした潔く素敵な迷彩服ですね。
日本のフィールドでどんな見え方をするのか、確認してみたい迷彩です。
おそらく、緑の多いこれからの季節には、効果があるのではないでしょうか?
ただし、今回のモデルは厚い生地にコートタイプであることから、日本における夏場の使用は難しいでしょう。
秋から冬の無雪期または無雪地域の針葉樹林帯なら、無問題で使えそうですね。
冬季のサバイバルゲーム、狩猟野鳥観測は勿論のこと、普段着の防寒用のアウターとしても使用できますね。
また、一見迷彩に見えないパターンから、ファッションとして使用してみるのはいかがでしょうか?
(確か有名アパレルメーカーからモデル品も出ていたような気がしますが…。)
上手くコーディネートできたら、あなたもファッションリーダーかも?
今回は、スウェーデン軍の比較的新しい官給品の迷彩ユニフォームを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240901更新)
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参考:中共製モデル品は(シャツタイプ)に関する記事はこちらです。⬇︎
他の北欧国の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
www.military-spec-an.comwww.military-spec-an.com
他のスウェーデン軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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