今回は、1980年代のイギリス陸軍空挺迷彩スモック(デニソンスモック)のモデル品を分析します。
以前分析したイギリス陸軍空挺迷彩スモック(戦後型・モデル品)は、元のオーナーが迷彩生地にリペイントを施していましたが、今回はノーマルですね。
その造りやパーツから、もしかしたらPXで販売されていたのかもしれません。
中古品ですが程度は良好ですよ!
目次
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1 イギリス陸軍空挺迷彩スモック(デニソンスモック・戦後型・モデル品・PX品?)とは?
世界の軍隊では、時々その時代に合っていない古い装備や明らかに違う国の装備を身に着けている兵士を見掛けることがあります。
例えば1980年代のイタリア軍。
古参の軍曹(…と思われる兵士)が、なんとアメリカ軍のM2ヘルメット(LCリーフのヘルメットカバー付)を被って演習に参加していた例がありました。
…おそらく、アメリカ軍との協同訓練で、お互いのヘルメットを交換(?)したのか、あるいは軍曹自身を識別させるため…であったのかもしれません。
同じような例はイギリス軍にもあって、古参の空挺隊員はDPMの空挺スモックが支給された後でも、敢えて古いデニソンスモックを着用していましたね。
装備改変前後の話ならともかく、DPMの空挺スモックが普及してしばらくしてもそうしていたので、やはり何か意味があったのでしょうね。
そんな古参兵のため…かどうかはわかりませんが、戦後型のデニソンスモックは多くのモデル品が開発されています。
今回のモデルは、そんな古いデニソンスモックのモデル品になります。
当ブログでは、戦後型のデニソンスモック官給品及びモデル品ともいくつか記事にしましたが、今回のモデルは一部に「あるパーツ」が使用されている製品でした。
デザインも一部がリファインされていましたよ!
さてさて、それはどんな空挺迷彩スモック(デニソンスモック)なのでしょうか?
今回は、イギリス軍空挺装備マニアのみならず、寒候期のフィールドで使用する汎用性に優れた迷彩服をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
襟はウールではなくコットンのライニングあり。
襟はジッパーで立てることができます。
ジッパーのプルタブに縫い付けられているグリーン紐は、P68DPMスモックと同じものですね。
タグ
こちらはP85DPMスモックのようなオリーブグリーンの平織生地ですね。
内ポケット
左右にあります。
エポレット
テーパー付きのラウンド型です。
胸ポケット
角度が付いていてダットファスナーで開閉
腰ポケット
こちらは胸ポケットとは違う方向に角度が付いています。
ダットファスナーで開閉
前見頃タブのテイルピース用ダットファスナー。
ダットファスナー表面は、オリーブグリーンに塗装されていますね。
ジッパーはブルーイングで、裾までの長さはありません。
(今風ですね。)
裾左右にあるサイズ調整タブ
袖
テーパー付き
袖ニットは二段織り。
DPMの空挺スモックに使用されているニットと同じ種類ですね。
脇の通気孔
刺繍で6個。
テイルピース格納時
テイルピース展開時
テイルピース固定用ダットファスナー
テイルピースは、股間を通して前見頃裏側へダットファスナーで留めます。
ダットファスナー凸
ダットファスナー凹
ジッパーは無刻印
プルタブに縫い付けられているコットンストラップもDPMスモックでお馴染みのものですね。
エポレットのボタンはP68DPMスモックと同じものですね。
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3 その特徴とは?
迷彩は、ダークイエローの生地に、グリーンとブラウンを刷毛で雑に塗りたくったようなパターンです。
そのグリーンとブラウンが重なるところは、マホガニーブラウンに変色していて、3色迷彩なのですが、4色迷彩に見えるところがポイントですね。
この迷彩生地に関しては、色調やパターンが異なるバリエーションがいくつか存在していますよ。
生地は、官給品のデニソンスモック同様、防風織したデニム生地で、厚く丈夫です。
見た目より防風性能が高いですね。
全体的には、どうやら官給品の迷彩生地のようです。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、内ポケット×2で、裾のサイズ調整タブ、テイルピースも存在しています。
ただし襟のウール生地は、コットンのネル生地を採用していますね。
(今回のモデルは、起毛した部分がほとんどなくなっていました。😅)
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、イギリス軍らしい仕立てです。
フロントのジッパーは、通常のデニソンスモックより短く、着用した場合の使いやすさが向上していますね。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約80cm
肩幅 約53cm
身幅 約68cm
袖丈 約66cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
タグやパーツ、そして仕立てからモデル品というのは明白ですが、とても良くできていますね。
これならリエナクトでも問題なく使用できそうです。
また実用にもゆったりとしたデザインで、汎用性が高い防寒着とも言えそうですね。
ポケットも多く、使い勝手も抜群なデザインも助かります。
サバイバルゲーム、野鳥観測、狩猟、キャンプなどに問題なく使用できそうですよ。
注意すべきは、制服や戦闘服の上に着用することを前提にして仕立てられているため、表記サイズで選ぶと、やや大きいサイズになります。
また、アメリカ軍M65フィールドジャケットのようにライニングがありませんので、バイクなど風の強い場所で使用する場合は、風の影響を受けるということですね。
(そんな場合は、しっかり下に着込みましょう!)
さて今回のモデルですが、じつは大戦中のモデルに比べて人気がありません。
ましてやモデル品は、本当にデニソンスモックが大好きなマニア以外には関心がないようです。
そのため意外に有名ショップの片隅に売れ残っていたり、時折オークションに安価で出品されたりしていますよ。
絶対数は少なく入手は困難ですが、不可能ではありません。
(モデル品を官給品と偽り販売したり、オークションに出品している場合があるのでタグやパーツをよく確認して購入を決定しましょう!)
欲しいあなたは、諦めず探してみましょう!
(今回のモデルも、後日オークションに開始価格490円で出品予定です。😃)
今回は、イギリス陸軍空挺部隊が使用する迷彩スモック(デニソンスモック)を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231105更新)
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参考:他の戦後型デニソンスモック(モデル品も含む)に関する記事はこちらです。⬇︎
同時期のトラウザーズに関する記事はこちらでです。⬇︎
他のイギリス軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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