今回は、1980年代のイギリス軍迷彩スモックを分析します。
政府や軍からの正式な説明がなく、謎が多いとされるイギリス軍のDPMスモック。
今回もデザインと使用されている迷彩生地に相違がありました。
中古品ですが、程度は極上ですよ。
目次
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1 イギリス陸軍P85DPMスモック(P68のDPM生地使用)とは?
前作P68スモックの不具合点を改修して、フォークランド戦争以降に採用されたP85スモック。
レイヤード(重ね着)システムに適応させ、より汎用性が高くなった傑作でした。
しかし、どうやらその導入初期の段階では、一部混乱したのかそれとも廃品利用だったのか、世にも奇妙なスモックが製造されたようです。
今回のモデルは、P85ながらP68の特徴を兼ね備えたスモックになっていますね。
でも、特に違和感がないのが面白いです。
さてさて、それはどんなDPMスモックなのでしょうか?
今回は、イギリス軍マニアのみならず、迷彩服を実用に使いたいあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
ライニングは上半身主体のいわゆる「ハーフライン」です。
背面裏側
裾のホームベース型の生地は大型ポケットです。
前合わせはジッパーとボタンです。
タグ
とてもシンプルです。
襟はボタンで立てることができます。
エポレットはテーパー付きのラウンドタイプです。
胸ポケット
ボタンで開閉
ポケットにはマチが設けられています。
膝ポケット
こちらもボタンで開閉
裾のドローコード
左袖ポケット
ボタンで開閉
例によって二つのコンパートメントに分かれています。
ジッパー
無刻印です。
背面内側下部にある大きなポケット
ボタンで開閉
ウエストのドローコード
左右にあります。
背面上部のライニングはオープンタイプです。
内ポケット
ライナーが装着できるようにボタンが縫い付けられていますね。
袖口はマジックテープで開閉
ポケットのボタン
当然ながらイギリス官給品です。
ライナーのボタンはイギリス官給品ではありません。
迷彩パターン
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3 その特徴とは?
迷彩は、なんとP85なのにP68の後期型と同じ迷彩生地が使用されています。
配色は、ホワイトの生地に、タン、グリーン、ブラウン、ブラックを用いて、刷毛で小さく丸く塗ったようなパターンをプリントしています。
ただし今回のモデルは、通常のP85スモックとは少々迷彩色調とパターンが違っていました。
迷彩比較
今回のモデル
通常のP85スモック
全体的に暗い色調で、タン(ダークイエロー)の面積も僅かに減っているようです。
背面
今回のモデル
通常のP85スモック
細部を見ると、一部の迷彩パターンが変更されていますね。
(背面は2枚の記事で縫製されています。)
P68後期型(左側)と今回のモデル(右側)の比較
中古とデッドストックの差はありますが、DPMのパターンと色調はほぼ同じですね。
つまり、今回のモデルはP85でありながら、その前身ともいうべきP68の迷彩生地を用いているということです。
面白いですね。
生地はコットンサテンに似たやや厚いもので、防風性能が高そうですがとても柔らかいですよ。
デザインは通常のP85と同じです。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、袖ポケット、内ポケット×2、背面裏側下部に大型ポケットです。
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、イギリス軍装備全般に言える上質な仕立てですね。
今回のモデルは、ライナー(おそらくM65用)が取り付けられるように、前オーナーが裏側にボタンを増設、カスタム化していました。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 180/76
(日本人のXL)
各部のサイズ(平置)
着 丈 約84cm
肩 幅 約46cm
身 幅 約63cm
袖 丈 約63cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
何故こんなスモックを製造したのでしょう?
正確な所は不明ですが、
- P85が開発され、詳細なデザインが業者に示された時にP68のDPM生地が相当数余っていたので利用した。(廃物利用説)
- P85用の新型DPM生地がまだ完成していなくて、臨時の処置でP68の生地を使用した。(新DPM生地未完成だった説)
- 取り敢えずDPMだったら何でもよかった。(イギリス軍DPM無頓着説)
などが考えられますね。
ここで、やはり今回のモデルのタグが重要な意味を持ってきます。
タグ比較
今回のモデル
なんか試作品ぽいですね。
通常のP85スモックのタグ
記載内容の量が雲泥の差ですね。
両者が全く違っているということは、やはり今回のモデルは試作品(または増加試作品orPX品?)なのかもしれませんね。
面白いですね!
ところで今回のアイテム撮影において、あらためてP68DPMの持つ独特の「明るさ」に救われました。
やはり素晴らしい迷彩ですね。
(イギリス軍は何故DPMをパターンや色調を変えてしまったのでしょうか?)
ところで今回のモデルも含めたDPMの効果は、日本でも定評があっておよそカモフラージュが必要なシチュエーションにおいては、まずこれを選んでおくべき迷彩服と言えます。
また、幸いなことに、今回のモデルのようにP68DPMを用いたP85は、たまに意外に見かけることが多いです。
現時点では、辛うじて入手可能ですね。
他にも面白いバリエーションがあるかもしれません。
(今後もサンプルを探してみます!)
今回は、イギリス軍の不思議なP85スモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231010更新)
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参考:他のイギリス軍DPM装備に関する生地はこちらです。⬇︎
(各々のDPMの色調が大きく違っていることに注意!)
* * *
Twitterで、またまた恐ろしい記事を発見しました。
おいおい、酷いにも程がある。■大韓航空機、離陸前に衝突事故起こすも日本まで運航=韓国ネット「不安で乗れない」 -- Record China https://t.co/2vRLGBJBsL
— 渡邉哲也 (@daitojimari) 2020年8月3日
信じられませんね。
やはり、かの国の方々は一般人であれパイロットのようなエリートであれ、安全意識が極端に欠如しているようです。
何もなかったから良いようなものの、乗客の命に係る重大インシデントでしたね。
ハインリッヒの法則ではそろそろ、人命に影響がある大事故が発生するかもしれません。
この航空会社は利用しない方が良いようです。
あなたも気をつけて!
読んでいただき、ありがとうございました。
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