今回は、1980年代のイギリス陸軍空挺迷彩スモックを分析します。
既にイギリス陸軍が空挺スモックも新型の迷彩MTP(Multi Terrain pattern)に変更していますね。
とうとうDPMの空挺スモックは貴重な存在になってしまいました。
でも今回のモデルは、デッドストックですよ!
目次
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1 イギリス陸軍空挺迷彩スモック(P85DPM)とは?
第二次大戦中に開発されたデニソンスモックの流れをくむ空挺スモック。
空挺部隊にしか支給されない、いわゆる「精鋭」の証でした。
しかしそのスモックに使用された迷彩生地は、故意か偶然か、迷彩色調が違うモデルが存在しましたね。
多くは年代で分けられていますが、同じ年代でも色調が違う場合があるので、困ったものです。
全くマニア泣かせの迷彩服と言えるでしょう。
(イギリス軍DPM装備全般に言えることなのですが…。)
これまでもモデル品を含めいくつかの空挺スモックを分析してましたが、今回のモデルは、P85と呼ばれる一般兵科用のスモックで最も多く用いられた、言わば標準的なDPM生地で製造されたものになります。
鮮やかな迷彩が、とてもキレイですね。
さてさて、それはどんな色調の空挺スモックなのでしょうか?
今回は、イギリス軍空挺装備コレクターのみならず、DPMファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
いつ見ても美しい迷彩ですね。
日本でも効果が高そうです。
背面
前面裏側
ライニンングは一部しかない、いわゆる「ハーフライン」です。
背面裏側
前合わせはジッパーのみです。
タグ
襟周りレイアウト
襟はジッパーで立てることができます。
エポレット
テーパー付きのラウンドタイプです。
胸ポケット
角度が付いていて、ダットファスナーで開閉
ポケット口には折り返しがあります。
腰ポケット
こちらは胸ポケットと逆に角度が付いています。
ダットファスナーで開閉
ているピース用ダットファスナー表側
袖
テーパー付きです。
袖口は二段のニットです。
引っ掛けて表面に穴が空いています。😞
左袖ポケット
ボタンで開閉
2つのコンパートメント
右袖ポケット
腕の後ろ側にあります。
こちらはダットファスナーで開閉
襟にはフード取り付け用のボタンがあります。
テイルピース
普段は背面にダットファスナーで固定
使用するときは展開して…
前部裾裏側にダットファスナーで留めます。
イメージは褌ですね。
ジッパー
刻印は「OPTI」
ヨーロッパのメーカーです。
内ポケット
ODのコットンポプリン製
袖のニットは頑丈に縫い付けられています。
ウエストのドローコードは左右の脇腹付近で調整するタイプ
背面裾裏側には左右に二箇所大きなポケットがあります。
テイルピース用 ダットファスナー裏側
テイルピースは3段階にサイズを調整できます。
デニソンスモックから続く伝統ですね。
ダットファスナーの刻印
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3 その特徴とは?
迷彩は、ダークイエロー(又はタン)をベースにグリーン、ダークブラウン、ブラックを用いて刷毛で小さく丸く塗ったようなパターンを描いています。
そして、各色の一部には、細かい斑点でボカシを加えています。
数あるDPMの中でも、1980年代に開発された(DPMは僅かにモデルチェンジを繰り返しています。)もので、前作P68より全体的に色調が暗くなっているのが特徴です。
(これはグリーンとブラウンの色調が暗くなったせいですね。)
生地はサテンに似たコットン製ですが、織り方が違うのでしょうか?軽量ですね。
でも風は通さないのが凄いです。
(P68とも違っていますね。)
デザインは、標準的な空挺スモックと全く変わりません。
構成は、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2、内ポケット×2、袖ポケット×2です。
前合わせがジッパーのみ、左袖ポケットを除く各ポケットの開閉が、ダットファスナーというのが外観上の識別点です。
また、背面にはデニソンスモックから受け継がれたテイルピースにもダットファスナーが使用されていますよ。
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で、さすがイギリス製といったところです。
因みにイギリス軍は、かつての各植民地製の各種DPMスモックを実戦で着用しても良いとされていました。
これらのほとんどは、生地やボタンが違ったり、縫製も荒いのですぐ見分けがつきそうです。
(そもそもタグの形式が全く違うかも。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1980年代
製造場所 イギリス
契約会社 イギリス
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 160/104
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約75cm
肩幅 約57cm
身幅 約64cm
袖丈 約56cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
日本の平均的な地域では、イギリスの新型迷彩であるMTPより、今回のDPMの方が、断然迷彩効果があると思いますね。
(驚くことに、街中でもある程度の効果を発揮するのがDPMの特徴ですね。)
特に全体的な色調がやや暗くなってメリハリの効いたP85のDPMは、最も効果が高いとの評価もあります。
(コアなDPMマニアは、最初期DPM推しですが……)
今回のモデルは、現在でもサバイバルゲームは勿論のこと、狩猟、野鳥観測、果てはヒストリカルゲームまで十分に使えそうです。
特に、フォークランド戦争後のイギリス軍空挺部隊を再現するには欠かせないアイテムと言えるでしょう!
…しかし、圧倒的に少ない人数の空挺部隊用装備であるため、今回の空挺スモックは中古も含めてまず入手はできないでしょう。
それだけ貴重なスモックなんですね。
それでも、根気良く探せばあるいは見つかるかもしれません。
(実用目的のあなたは、一般兵科用のスモックを狙ってみましょう。)
また、購入する場合は、サイズに注意しましょう。
表記サイズが自分にとって適正サイズであっても、元々装備の上に着用することを想定して設計されている空挺スモックは、丈も幅も大きいです。
購入する場合は、1サイズ小さいサイズを選びましょう。
(勿論、実寸を確かめたり、試着は必要ですよ。)
今回は、貴重なイギリス陸軍空挺迷彩スモック(P85DPM)を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20221010更新)
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参考:他のイギリス軍空挺装備に関する記事はこちらです。⬇︎
今回の迷彩スモックと同じ迷彩生地の一般兵科用迷彩スモックに関する記事はこちらです。⬇︎
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Twitterで見つけました。
アメリカ空軍とあるので、厳密には空挺部隊ではないと思いますが…
When you log off on a Friday. pic.twitter.com/sCxepe8kyq
— U.S. Air Force (@usairforce) 2020年10月9日
なんかとても楽しそうですし、気持ち良さそう!💕
ストレス発散に良いかもしれませんね!👍
(私もやりたいです😃)
読んでいただき、ありがとうございました。
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