今回は、イギリス軍の空挺迷彩スモック(デニソンスモック)を分析します。
以前にも同じモデルを分析しましたが、今回は兵士がカスタム化したものになります。
タグの形状から、デニソンスモックとしては末期生産品のようですね。
残念ポイントもありますが、程度は良好ですよ!
目次
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1 イギリス陸軍空挺迷彩スモック(デニソンスモック・戦後型カスタム)とは?
1940年代に開発され、大戦後もマイナーチェンジを繰り返しDPM空地スモックが支給されるまで使用された通称「デニソンスモック」。
エリートである空挺部隊の証として、現在も退役軍人がイベントなどで誇らしげに着ていましたね。
(戦中型の極上品を譲って欲しいです💕)
面白いことに、一般兵科のP68DPMスモックが支給され始めた頃も、デニソンスモックはまだ使用されていましたね。
(過去の写真では、ベテランがデニソンスモック、若手がDPM空挺スモックを着て同じ演習に参加しているというもありましたよ!)
今回のモデルは、その戦後型のデニソンスモックなのですが、兵士によりプチ・カスタム化されていました。
(殆ど間違い探しにような軽易なものなのですが…。)
さてさて。お馴染みのデニソンスモックですが、どこを変更されたのでしょうか?
今回は、デニソンスモックコレクション初心者のあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
ん?…何か違和感がありますね。
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
襟の生地は、保温のためのアンゴラウールが貼られています。
襟はジッパーで立てることができます。
胸ポケット
角度がついていて ダットファスナーで開閉
腰ポケット
こちらは胸ポケットと逆に角度がついています。
ダットファスナーで開閉
裾には広がりを防ぐタブ付
袖は強いテーパーが付いています。
袖口はニットです。
脇の通気孔
刺繍で6個あります。
テイルピース用ダットファスナーですが…
なんとテイルピースは丁寧に切り取られていました。😭
デンソンスモックあるあるのカスタムですね。
伝統の内ポケット
ポケット内側が迷彩生地になっていますね。
各ダットファスナー表面は、グレイグリーンに塗装されています。
あまり使用感がありません。
ダットファスナー裏側
刻印は「NEWEY」
伝統的なメーカーですね。
メッキがピカピカです。
ジッパー
刻印は「NZ」
イギリス軍の官給品によく使用されているメーカーですね。
タグ
NSNも正規の記載方法になっていますよ。
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3 その特徴とは?
迷彩は、戦後に開発されたパターンで、ダークイエロー(またはタン)をベースに、ダークグリーンとダークブラウンを刷毛で大雑把に、しかも元気なく塗ったようなパターンを描いています。
大戦中のいかにも「ドイツなんかに負けるか!」という活気のあるパターンと違って、「なにこれ?真面目にやってるの?」というテキトー感が特徴ですね。
(マニアの間では「失敗作」「大戦デニソンの出来の悪いレプリカ」なんていう評価も!…確かに、一理ありますね。)
生地は厚手の防風デニムで、これは大戦中のモデルと大きく変わっていません。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、前合わせはフルジッパーで開放できます。
襟には肌の接する部分にウールの内張、袖口にニットを装備。
また、裾にはバタ付きを防ぐためのタブがあって、デニソンスモックの伝統を受け継いでいます。
しかし今回のモデルは、このスモックを支給された兵士が、伝統のテイルピースを切り取っていました。
(おそらく支給されて直ぐのようです。)
これは、大戦中から続く「デニソンスモックあるある」ですね。
(世界中のデニソンスモックを範にとった空挺スモックでも、このテイルピースの切り取りは横行していますよ。)
全体的な縫製は、大戦中のものより丁寧かつ正確で、強度も十分ですよ。
4 製造とサイズのデータです!
・製造又は契約年度 1970年代
・製造場所 イギリス
・契約会社 イギリス
・製造会社 〃
・材 質 コットン
・表記サイズ 2
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約73センチ
肩幅 約54センチ
身幅 約73センチ
袖丈 約63センチ
・状 態 中古良品
・官民区分 官給品
・入手場所 福岡の専門店
・入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデルにおけるカスタム箇所は、テイルピースのみでした。
でもこの小改造で、何故か、より取り扱いが快適になりましたよ。
思えば、このテイルピースは…元々、パラシュートで降下する時に、ジャケットの裾が捲れ上がって視界を遮ったりするのを防ぐ目的で設置されていました。
これは逆にパラシュート降下しなければ、或いは必要のない装備なのかもしれませんね。
(一着のジャケットとしてみた場合、無くても無問題ですよね。)
この改造による短所は、デニソンスモックとしては欠品になるため、例えばオークションに出品した場合はどうしても完全品より安価になってしまうところです。
(欠品状態でも、とんでもない価格で出品している方もいらっしゃいますが……)
コレクションを処分する場合は、少々不利かもしれません。
しかしデニソンスモック入門用として、知ってて入手する場合は、比較的安価に入手できるかもしれませんね。
2020年現在、今回のモデルも含めた官給品デニソンスモックは全般的に品薄です。
でも戦後モデルは、まだ入手できる確率が高いですよ。
ただ程度の悪いものが多く、しかも高価です。
(おいそれと購入できない金額になっていますね。)
もし、あなたがデニソンスモックをまだコレクションしていない場合は、今回のようなプチ・カスタムから入手してみてはいかがでしょうか?
(気長に待っていただけるなら、今回のモデルもオークションに出品予定です!)
あと、戦後型のデニソンスモックは、忠実なモデル品が販売されていました。
タグを見れば官給品と判別できますが、タグがない場合、初心者のあなたは購入しない方が無難ですよ!
今回は、小改造されたイギリス陸軍空挺迷彩スモックを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20230714更新)
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参考:他のイギリス軍空挺スモックはこちらです。⬇︎
DPM空挺スモックはこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
Twitterで見つけました。
こんなマシン欲しいです💕
猫を無限に生成する永久機関 pic.twitter.com/fEExqnGyUO
— ポムさんとしまちゃん / ねこべや。 (@NEKOBEYA88) 2020年10月18日
ニャンコって穴とかに頭を通すことができれば身体も通せるんですね。
(おそらくこれが普通なのでしょう!)
でも明らかに、無理なニャンコもいるような気がするのですが…。😎
(それはそれで可愛いですよね💕)
読んでいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク(今回のモデルが相手部隊の衣装で出ていますよ。)
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