こんにちは!
今回は、1970年代のアメリカ軍難燃フライトジャケットCWU–36Pを分析します。
初期型ですが、パッチ(ワッペン)類の付いていないプレーンなモデルになります。
以前分析したCWU–45Pと似ていますが、別物です。
今回のアイテムも中古品ですが、殆ど使用感のない極上品ですよ!
目次
- 1 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)とは?
- 2 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)の全体及び細部写真
- 3 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)の特徴とは?
- 4 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)の製造とサイズのデータ
- 5 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)まとめ
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1 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)とは?
ベトナム戦争中に開発され、量産化された世界初の難燃繊維製フライトジャケトCWU–45P。
防寒性能も高く、デザイン性にも優れた画期的なフライトジャケットでした。
勿論、開発したアメリカ海軍のみならず、空軍や海兵隊でも使用されましたね。
ただし、洋上の艦艇を主たる活動拠点とする海軍パイロットに比べ、陸上の基地で勤務する空軍パイロットにとっては、CWU–45Pほどの防寒性能は必要なかったようです。
(CWU–45Pはインターミディエイトゾーン(+10℃〜−10℃)対応でしたね。)
そのため空軍は、CWU–45Pの実戦配備後数年してCWU–45P(改)ともいえるジャケットを開発しました。
それが今回のモデルCWU–36Pです。
基本的なデザインはそのままに、ライトゾーン(+10〜+30℃)対応に変更しました。
その分軽快さが増して、より手軽に着られるジャケットに進化しましたよ!
(何故か、CWU–45Pの後に開発されたのに、–36Pという型式番号が古いのも面白いですね。)
さてさて、それはどんなフライトジャケットで、CWU–45Pとはどこが違うのでしょうか?
今回は、アメリカ軍フライトジャケットコレクターのみならず、戦闘機映画ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)の全体及び細部写真
前面
背面
前面裏側
背面裏側
襟周りレイアウト
前合わせはジッパーのみですが、CWU–45Pのようなストームフラップはありません。
タグ
1978年度契約品です。
胸ポケット
マジックテープで開閉
左胸のネイムタグ用マジックテープ
左袖シガレットポケット
袖
ややテーパー付き
袖ニット
腰ニット
背中のアクションプリーツ
初期型の証ですね。
プリーツ内の生地は、他の生地と色調がほぼ同じでした。
これは、本体が紫外線による褪色が進んでいないことを意味しています。
背中肩口のステッチ
左右のプリーツはゴムテープで繋がれています。
ジッパーは「SCOVILL」の「GURIPPER」
前身頃裏側
ライニングも縦に縞模様が!
織り方がシェルと違うことに注意
背中裏側
一方背中は縞模様が斜めになっていますね。
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3 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)の特徴とは?
生地はセージグリーンのアラミド製で、後のモデルよりやや暗いカラーです。
やはり生地の縦の縞があります。
(ライニングにもあり。)
CWU–45Pのようなアラミド製の中綿はなくて、シェルとライニングのみですが、ライニングはやや凹凸の多いd独特の織り方を採用しています。
(CWU−45Pは、ポプリンに似た生地でしたね。)
これは、表面積を増やして速乾性や通気性を高めた処からですね。
デザインは、胸ポケット×2、袖ポケットで、CWU–45Pと同じですが、ジッパー裏側のストームフラップ(ウインドシールド)は省略されています。
細かいところでは、前身頃のジッパーも軽量なタイプに変更されていますね。
全体的な縫製は、やはり少々雑でモデルによっては襟の形が左右で違う…などというのは日常茶飯事です。
(大らかな目で見てあげてください。)
でも、強度は必要十分ですよ。
サイズ感は、同じMサイズでも、CWU–45Pよりややタイトです。
4 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)の製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1979年
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材質 アラミド
・表記サイズ M
(日本人のL)
・各部のサイズ(平置)
着丈 約64センチ
肩幅 約46センチ
身幅 約59センチ
袖丈 約64センチ
・状態 中古極上品
・官民区分 官給品
・入手場所 愛知の専門店
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5 アメリカ空軍フライトジャケットCWU–36P(初期型・83382Bプレーン)まとめ
一連の改造によってCWU–36Pは、原型のCWU–45Pに比べ、軽量化が図られました。
勿論、防寒性能はCWU–45Pに及びませんが、風を通さないシェルとラインングによって、ある程度の防寒性能を確保していますね。
むしろ冷暖房装置の発達した現代の軍用機では、今回のモデルの軽快さが好まれている場合も多いですね。
以前岐阜基地で勤務していた時に、燃料補給に降りてきた海兵隊のCH–46(バートル)を観に行ったことがありました。
その時、ちょうどCWU–36Pを着用しているパイロットと話すチャンスがありました。
そこで「OH!36P、ワンダフルジャケット!」なんて話かけたら、「???」という反応が。
どうやら意味がわからなかったようですね。
(カタコト英語なので通じる方がおかしいですよね!)
そこで脱がして(?)タグを指さしたら、「君の言う通り36Pだ!」と驚いていましたよ。
(その後、こいつ何者?…という軽い疑いの眼で見られましたが…。)
パイロットは、自分に支給された官給品フライトジャケットにはあまり興味を持っていないのかもしれませんね。
それはともかくCWU–36Pは、薄く軽量になった分、我々が普段着で使用する時も、利点が多いです。
私有車(四輪)や公共交通機関などの車内では、むしろCWU–36Pの独壇場と言えるかもしれません。
一種金属的な色合いと、初期型では背中がスッキリして見えるアクションプリーツにより、デザイン的にもカッコイイですね。
(そもそも、着ている人がいません!)
他人との差別化を意識したファッションにおすすめです。
ただ、初期型は数が少ないことと、アクションプリーツが至る所に引っ掛かって、破損する場合があります。
また紫外線により、どんどん褪色(変色)していくのも問題です。
しかも中古品で程度がそこそこなら値段が高いですね。
(誰も着ていないのは、この辺りにも原因があるのかも?)
でも安心してください。
忠実なモデル品も販売されていますよ。
(モデル品なら、ガンガン着られますよね!)
どうしても官給品の初期型の極上品が欲しいあなたは、ネットオークションや海外のオークションを覗いてみましょう。
(入札の際には、当ブログの画像を参考にしていただければ、真贋判断も可能ですよ!)
今回は、CWU–45Pから派生したアメリカ空軍のフライトジャケットCWU–36Pを分析しました。
次回は、ちょっと趣向を変えて、とある戦車の部品を分析します。
お楽しみに!
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参考:他のアメリカ空軍難燃フライトジャケットはこちらです。⬇︎
その他のアメリカ空軍フライトジャケットはこちらです。⬇︎
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Twitterで見つけました。
入荷予定
— じんじん(ぶるーふぁーすとすたー) (@Bluefirststar) 2019年10月23日
映画トップガン2モデル
ヒューストン CWU-36/P TOPGUN2
ミリタリージャケット pic.twitter.com/5faj39lWGl
今回のトップガン2主人公マーベリックはCWU–36Pを着用していますね。
次はこれが流行するかも?
(前回はMA–1とG–1でしたね!)
初期型…はともかく、とりあえず中期型を入手しておきましょう!
読んでいただき、ありがとうございました。
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