今回は、1960年代のアメリカ空軍フライトジャケットMA-1を分析します。
ミリタリージャケットの定番とも言えるフライトジャケットですね。
残念ながらモデル品ですが、実際に同じモデルの官給品を納入していたメーカー製です。
とある組織の人物が着用していました。
中古品で使用感もありますが、程度は極上ですよ!
目次
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1 アメリカ空軍フライトジャケットMA-1(1968年型復刻モデル品・セージグリーンタイプ)とは?
1980年代の代表的な戦争映画「トップガン」(主演:トムクルーズ)は、多くの福音をミリタリーマニアにもたらせました。
その最も大きいものは「MA-1」の普及でしたね。
面白いことに劇中で目立ったのは海軍レザーフライトジャケットG-1で、空軍のMA-1は出てきませんでした。(…よね?)
でも何故か日本で大人気になりました。
おそらく映画を観た人が、G–1を買いに行ったけど、あまりに高額だったため、手の届くナイロン製のMA-1を代わりに買って帰ったのが流行した原因だったのでは?
(勿論、防寒衣類として優れたデザインであったことは言うまでもありませんが…。)
真相はともかく、以来現在に至るまで、MA-1は日本における「誰でも知ってるフライトジャケット」の代名詞になりましたね。
そしてアメリカ軍官給品は言うに及ばず、最初期型や映画「ハンター」でスティーブ・マックイーンが着用していたモデルまで、ありとあらゆるMA-1のコピー品が製造されました。
またそのどれもが一定の品質を保っていて、実用にも最適でしたね。
そんな「日本のMA-1ブーム」を横目で見ていたアメリカの「アルファ社」は、ここに商機を見出し、このブームに参戦することになりました。
そうして開発されたのが今回のモデルです。
同じ頃に、B-15MOD、というフライトジャケットも販売されました。
(カラーも数種類ありました。)
選んだのは1968年モデル…でしたね。
さすが、実際にこのモデルを製造していたメーにもーだけあって、大手製造会社としては異例のハイレベルなMA-1に仕上がっていますよ。
さてさて、それはどんなMA-1なのでしょうか?
今回は、アメリカ空軍フライトジャケットマニアのみならず、暖かい防寒着をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
前身頃の内ポケットに注意
背面裏側
リバーシブルで着用できますが、航空自衛隊のフライトジャケットのように、完全リバーシブルではありません。
前合わせはジッパーのみ。
胸ポケット
ポケットフラップはなく、ダットファスナーで開閉。
ポケット内側は起毛したウール生地
ハンドウォーマーも兼ねています。
左ポケット内のタグ①
まるで当時物のようです。
左ポケット内のタグ②
ランドリーデータや輸入会社
このタグがなければ、判別は難しくなりますね。
袖ポケット
ほぼ袖に並行に縫い付けられています。
これは識別点になるかも?
袖
袖ニット
見た目タイトですが、テンションは弱いです。
腰ニット
こちらも袖ニットと同じです。
ストームフラップ(ウインドシールド)
エッジはラウンドタイプでギザギザのステッチ。
後付けて胸にはマジックテープが縫い付けられていました。
寸法的には、航空自衛隊の規則に準じています。
内ポケット位置の関係で、一部がポケット越しに縫い付けられています。
現時点でも内ポケットは使用可能です。
背中上部
お馴染みのステッチ
ジッパーはプルタブが表裏で2枚のタイプ
刻印は「SCOVILL」
あまり使用感がないですね。
袖ポケット用ジッパー
こちらも同じメーカーですが、刻印は「GRIPPER」
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3 その特徴とは?
今回のモデルは、シェルの生地がセージグリーンで、ライニングがインディアンオレンジですね。
(当時の官給品を再現していますね。)
当時の官給品と同じようにウールとコットンのインターライニング(中綿)が入っているので、やや重くゴワゴワしていますよ。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、内ポケット×2、袖ポケットで、襟、袖、腰にはウール製のニットを配置。
胸ポケットには、ポケットフラップがないモデルを再現しています。
全体的な縫製は、当時の同社の製品より丁寧で正確、強度も十分ですね。
外観比較
今回のモデル
前面
官給品(1968年度契約品)
今回のモデル背面
官給品背面
外観の再現度は素晴らしいですね!
今回のモデル
タグ
官給品タグ
何故か⬜︎の部分だけフォントが違っていますね。
もしかしたら、タグは意図的に文字のフォントを変更しているのかもしれませんね。🤔
モデル品のシェルには、エアフォースブルーのモデル(官給品には存在しません。)もありました。⬇︎
(確かブラックもあったような気がします。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1990年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ナイロン
ウール・コットン
表記サイズ M
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約62cm
肩幅 約48cm
身幅 約60cm
袖丈 約62cm
状 態 中古極上品
官民区分 民生品
入手場所 航空自衛隊の売店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
さすが、当時から官給品MA-1を納入していたメーカー製ですね。
見事に当時のMA-1を再現しています。
ただし細かいことを言うと、少々細部が整いすぎている感じもします。
(当時の官給品は、量産優先で縫製は粗く雑でした。でも強度は抜群!)
マニアックな感想はさておき、今回のモデルは航空自衛隊の一般隊員が使用していたものを譲っていただきました。
(デジタル迷彩の作業外被支給に伴い、使用しなくなったとか?)
航空自衛隊服装規則に沿った位置にマジックテープが縫い付けられていて、ネイムタグと階級章を貼り付けることができるようにカスタムされていますね。
(驚くことに、このモデルが実際に基地内売店で販売されていました。)
当時幹部自衛官は、防寒ジャンパーの支給がなく、私費で購入しなければなりませんでした。
そのため、どうせ自腹ならより良いものを…という気持ちで購入したそうです。
(みんな苦労しましたね。)
実際着用すると、少しモコモコしますが、暖かいジャケットですね。
ナイロンなので火気には弱いですが、それさえ気をつけていれば、冬場のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、キャンプ、バイクなどに使用できそうです。
また、ファッションとしても「定番」なので、コーディネートを楽しむのも良いですね。
ただし2021年現在では、さすがに数が減ってきました。
でもまだ絶滅危惧種にはなっていないようで、大手アパレルショップなどでも、時々見かけることがあります。
あなたも諦めず探してみましょう!
今回は、モデル品ながらとても良くできたアルファ社製MA–1を分析しました。
いやー軍装品って、モデル品も素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20231218更新)
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参考:今回のモデルの原型となったMA-1に関する記事はこちらです。⬇︎
シェルカラーがエアフォースブルーのモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
各国のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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