
今回は、2000年代のアメリカ軍CVCカバーオールを分析します。
以前分析したアメリカ軍CVCカバーオール(OD)のモデル品ですね。
とても良くできていますが、「あるもの」が省略されていました。
勿論デッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ軍CVCカバーオール(スーツ・OD・中国製モデル品)とは?

アメリカ軍がそれまでの戦訓をもとに1980年代に開発したCVC(Combat Vehicle Crew)カバーオール。
難燃繊維製でパイロットスーツを原型とし、狭い戦車内でも快適に過ごせせるようなデザインが魅力でした。
また日本では官給品が比較的入手しやすいアイテムでもあり、ミリタリー界隈のみならずファッション関連や作業服関連でも人気ですね。
そこに商機を見出したSHOPが、自社のブランドでモデル品を製造・販売されていました。
それが今回のモデルです。
かなり忠実に再現されている優秀なモデル品ですが、当然ながら官給品と同じではありませんでした!
さてさて、それはどんなCVCカバーオールでどこが違っているのでしょうか?
今回は、アメリカ軍機甲部隊装備マニアのみならず、官給品CVCカバーオールの代替品をお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
忠実に再現していますね。

前面上半身
胸ポケットは多くのパイロットスーツから取り入れられているようです。

前面下半身

全体背面
ポケット類が背面にないというのも官給品と同様ですね。

背面上半身

背面下半身

前面上半身裏側
なんとレスキューハーネスが全て省略されていました!

前面下半身裏側
ポケット内側生地は暗いOD。

背面上半身裏側

背面下半身裏側

襟周りレイアウト

襟は官給品と同様にチンストラップで立てることができます。


背面上部には、マジックテープで開閉するスリットあり。
ここも官給品と同じですね。


前合わせはジッパーのみ。

ジッパーの後ろにはストームフラップ(ウインドシールド)あり。
これは防寒目的の他にも火災によってジッパーが高温化した場合の火傷防止という目的もあります。

勿論ジッパーは上下から開くダブルジッパーです。
プルタブの刻印はありますが、官給品のジッパーをよく再現しています。

タグ①
プリントがずれているのはご愛嬌ですね。

タグ②
一生懸命官給品タグに似せようとしているのことに好感が持てます。
もしかして2005年製造でしょうか?
ちゃんとブランド名が示されているのも良心的ですね。

胸ポケット
ジッパーで開閉。
パイロットスーツを参考にしていますね。

ウエスト部表側
ちゃんとナイロン製のループがあります。
これはヘッドセットなどのコードを通すもの。
ウエスト部には白いゴムテープを内蔵。

背面臀部はマジックテープとジッパーで大きく開けることができます。
勿論トイレ用。




腰ポケット
ジッパーで開閉。

膝ポケット
左右にあります。
ジッパーで開閉。

ふくらはぎポケット
ジッパーで開閉。
これも左右なります。

足首ジッパー
マチはありません。
裾にはゴムを内蔵。

裾内側には官給品どおり半円形の補強生地あり。

袖
テーパー付き。
肘後部には四角い補強生地あり。


袖口はジッパーで開閉。
ブラックのダットファスナーは専用のライナー用。


袖ポケット
左袖にあります。
ジッパーで開閉。

股間の補強生地も再現。

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3 その特徴とは?
生地はオリーブ色に染められたコットン/ポリエステルのツイルで、軽量かつ丈夫です。
(官給品のように難燃繊維製ではありません。)
薄くて通気性・吸湿性もありますよ。
デザインは、パイロットスーツが原型ですね。
構成は、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2、膝ポケット×2、ふくらはぎポケット×2、袖ポケットで、袖口や裾はジッパーで開放できます。
また臀部がマジックテープとジッパーで大きく開放するのは官給品どおりですね。
(トイレ用です。)
特筆すべきは、官給品にあった裏側のハーネスが全て省略されているところです。
(でも背面上部のスリットは再現!)
全体的な縫製は正確かつ丁寧で、モデル品としては良好な仕立てですね。
ただ今回のモデルは官給品の同じサイズより、下半身の丈が長い気がしました。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 2000年代
製造場所 中国
契約会社 日本
製造会社 中国
材 質 コットン
ポリエステル
表記サイズ S-R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約46cm
身幅 約54cm
袖丈 約63cm
ウエスト 約44cm
着丈 約164cm
股下 約73cm
裾幅 約17cm
状 態 デッドストック
官民区分 民生品
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
官給品のCVCカバーオールは、ノーメックスと呼ばれるナイロン系難燃繊維製の生地でした。
これは燃えない…のではなく、炎に触れるとすぐに炭化することにより、一般的なナイロンのように溶けて人体への大火傷を負わせることを防止する効果がありました。
これにより戦闘車両の車内火災から乗員を保護するのですね。
しかしナイロン系なので少々肌触りが悪く吸湿性もほとんど無いことから、夏場には不快になることもありました。
(身体が汗をかくとベトベトしますよね。)
また紫外線により短時間でブラウンに褪色するのも問題でしたね。
その点、今回のモデルは火気には弱いもののコットンを使用しているため、肌触りも良く吸湿性もあるので汗をかいても快適です。
紫外線による褪色も、ノーメックスほどではないようです。
上述のようにレスキューハーネスはありませんが、一般的にはまず使用することはありませんので無問題ですよね。
ファッションやリエナクトなどの一般的な使用では、必要十分なのでは?
(ハーネスが気になるあなたは、ポリエステルやナイロンのテープでらしく自作してみては?)

でも、まさかこのカバーオールがモデル化されているとは思いませんでした。
(かろうじてブログで分析できたのはある意味「奇跡」かもしれませんね。)
…というのも既に絶版という情報があるからです。
おそらく製造してみたもののあまり売れなかったのでは?
それでも国内の有名高級モデル品メーカーが全てスルーしているのに、敢えて挑戦したその姿勢には本当に脱帽ものです。
この上質なブランドは、今後も大切に付き合っていきたいですね。
次はサイズM-Rを探してみたいと思います。
今回は、適切な省略が見事なアメリカ軍CVCカバーオールの傑作モデル品を分析しました!
いやー軍装品って、モデル品も本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:官給品のCVCカバーオールに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍装備のモデル品に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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