今回は、1970年代のアメリカ軍官給迷彩生地で製造されたカバーオール(つなぎ)を分析します。
勿論民生品なのですが、いろんな用途に使えることを発見しました。
確認はできませんでしたが、あるいは実際にベトナム戦争などで使用されていたかもしれませんね。
今回も中古品ですが、程度は良いですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍迷彩カバーオール(ERDLグリーンリーフ官給生地のモデル品)とは?
アメリカ軍がベトナム戦争中に開発した、ERDL迷彩(通称リーフパターン)は、1960年当時としては効果的な迷彩として定評がありました。
(なんでも、着用した部隊を救出するために派遣されたヘリのパイロットが発見できなかったとか?)
それまでのアメリカ軍が正式に採用していたダックハンター(フロッグスキンとも言います。)迷彩は、民間の狩猟用迷彩が原型で、必ずしも効果的な迷彩とは言えないものでしたね。
アメリカ軍が第二次大戦中に採用した陸軍迷彩カバーオール(ダックハンター迷彩)
しかし、第二次大戦で入手したドイツ軍の「ライバーマスター迷彩」を基に研究を重ね、1960年代に開発したのがERDL迷彩(通称リーフパターン迷彩)でした。
大戦中のドイツ軍ライバーマスター迷彩
そのコンセプトは、それまでの木々や岩などの実在する物体をそのまま描くのではなく、多色で抽象的な模様を描くとともに、所々にブラックを配置して、人体などの輪郭を分裂させるというものでした。
この迷彩の出現以降、このコンセプトに沿った迷彩は、多くの国で採用され現在に至ります。
(アメリカ軍ウッドランド迷彩も、このリーフパターンが原型でしたね。)
今回のモデルは、そのリーフパターンのうち、ベース色がライトグリーンのいわゆるグリーンリーフの官給品生地で製造されたカバーオールになります。
民生品ですが、なかなか渋い仕上がりになっていますよ!
さてさて、それはどんなカンバーオールなのでしょうか?
今回は、グリーンリーフ迷彩マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
前面上半身
かなり迷彩色が残っていますね。
胸にポケットがないので、現代のボディアーマーなどが使用できますね。
前面下半身
全体背面
背面上半身
背面下半身
前面上半身裏側
前面下半身裏側
背面上半身裏側
背面下半身裏側
前合わせはジッパーのみで、ストームフラップはありません。
ジッパーは上下から開くタイプです。
刻印は「TALON」
タグ
アメリカ製の民生品ですね。
腰スラントポケット
膝の小ポケット
オープンタイプです。
袖
テーパーが付いています。
袖口はダットファスナーとタブで開閉・調整
裾
単純な筒です。
左ヒップポケット
ボタンで開閉
ボタンは民生品
ヒップポケットとスラントポケットの間にはスリットがあります。
(オープンタイプ)
ウエストには、サイズ調整用のタブあり。
ダットファスナーで調整
背中にはアクションプリーツあり。
アクションプリーツ内側
おまけ
全く同じデザインのカバーオール
でも…
会社が違っていました。
(もしかしてタグが違うだけで同じ製品?)
メインジッパーも一部違うプルタブが。
そもそも黒染めって、軍用?
膝のポケットも、やや形状が違っています。
そもそも用途は?
ダットファスナーは軍用に近いモデル。
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3 その特徴とは?
迷彩は、グリーンリーフのソフトエッジ(各色の境目が不明瞭なタイプ)です。
パターンは、ライトグリーンの生地に、グリーン、ブラウン、ブラックを用いて雲や葉のような模様を描いています。
(その色調やパターンから「グリーンリーフ」と呼ばれているのですね。)
生地は官給品のコットンリップストップ(解れ防止織)で、軽量ながら丈夫で通気性も良いです。
デザインは、腰ポケット×2、ヒップポケット、腰スリット×2のシンプルですね。
わからないのは両膝の小ポケットです。
(全く用途不明ですね。)
民間会社のタグが縫い付けられていて、完全な民生品ですが、生地はしっかり官給品というのが面白いですね。
全体的な縫製は、ごく普通で多くのアメリカ軍用の様に、抜群の強度を誇る…という感じではないようです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1970年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ なし(推定L)
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約164cm
肩幅 約53cm
身幅 約66cm
袖丈 約59cm
ウエスト 約52cm
股下 約75cm
裾幅 約25cm
状 態 中古良品
官民区分 民生品
入手場所 沖縄の古着屋
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5 まとめ
ERDL迷彩は、ベトナム戦争中に色調の変更、戦争後にはさらなる色調とパターンの変更がなされました。
ベース色はライトグリーンからライトブラウンになり、各色の境目もはっきりくっきりになりましたね。
つまり、グリーンリーフ生地は、ベトナム戦争中にはお役御免になっていたのです。
これは推測ですが、製造業者の工場にはグリーンリーフ生地の在庫が多量に残っていたのではないでしょうか?
そして官給品を外れ余剰となった生地(または払い下げられた生地)を用いて民間用のカバーオールなどを製造したのでは?
現在のところ真相は不明です。
でも、こうして官給グリーンリーフ生地製の衣類が、現在でも入手できるのは嬉しいですね。
その高い迷彩効果から、夏場のサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、登山、キャンプなどには問題なく使用できますよ。
また少々邪道ながら、グリーンリーフ迷彩服(ジャングルファーティーグやトラウザース)の補修やカスタム用の素材として使用するのはどうでしょうか?
(そう考えると、夢が広がりますね。)
今回のモデルは、民生品ということで専門のミリタリーショップで見かけることはまずありません。
しかし一般的な古着屋さんには、普通に販売されているかもしれませんね。
このモデル(とおまけのモデル)は、それぞれ古着屋さんで比較的安価に購入できました。
探しているあなたも、ぜひ古着屋さんを覗いてみましょう。
今回は、民生品ながら貴重な官給品迷彩生地を用いて製造されたカバーオールを分析しました。
いやーモデル品も、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240803更新)
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参考:アメリカ軍各種リーフパターン迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
アメリカ軍リーフパターン迷彩に影響を受けた国の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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Twitterで見つけました。
ラッコは寝る時、はぐれないように手をつなぐんだけどそれが死ぬほど可愛すぎる🦦 pic.twitter.com/2jbEQulVo9
— 動物・癒しbot (@mofmoff_iyashi) 2021年3月4日
めちゃ可愛いですね💕
他にも昆布を身体に巻きつけて眠るという場合もあるようですよ。😍
人間の夫婦(?)も、もっと仲良くすれば良いのかも!
読んでいただき、ありがとうございました。
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