今回は、1980年代のアメリカ軍迷彩トラウザースを分析します。
以前分析した2種類のブラウンリーフ迷彩ジャケットのうち、空軍仕様(例)と同系の迷彩生地が使用されたモデルになります。
原型は、やはりベトナム戦争中に開発された、トロピカルコンバットトラウザーズでした。
…ですが、明確な相違点がありますね。
使用感がありますが、リーフのトラウザーズとしては程度が良いですよ!
目次
- 1 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)とは?
- 2 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)の全体及び細部写真
- 3 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)の特徴とは?
- 4 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)の製造とサイズのデータ
- 5 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)まとめ
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1 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)とは?
アメリカ軍がベトナム戦争中に開発・支給した傑作装備である熱帯用戦闘服(トロピカルコンバットユニフォーム)。
でもあまりに手が混んでいたデザインであったため、大々的な量産には少々不向きでした。
そこでベトナム戦争終了後、早速改良型が開発されましたね。
(同時に新しく謎の多い迷彩生地が導入されたのは、前回の記事通りです。)
トロピカルコンバットユニフォームの四番目のモデルからの主なデザイン変更点は、
ジャケット
・ポケット形状が単純な長方形に変更
トラウザーズ
・膝カーゴポケットを単純でやや小型の長方形ポケットに変更、同時に右膝ポケット内にあった小ポケットを省略
・ヒップポケットのボタンを2個から1個に変更
・前合わせにガスフラップを増設
でしたが、これにより生地の使用量と製造時間を短縮することができ、かつガス対応(防寒対応も含む)ができました。
今回のモデルは、その改良(?)されたトラウザーズになります。
確かに、これで製造時間やコストを抑えることができましたが、別の問題があったようですね。
さてさて、それはどんな迷彩トラウザーズなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍LC装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)の全体及び細部写真
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはボタンのみ
タグ
1980年度契約品です。
右側面レイアウト
腰スラントポケット
ウエストのサイズ調整タブ
カーキのコットン製
ヒップポケット
ボタン1個で開閉
膝ポケット
トロピカルコンバットトラウザースのようなカーゴポケットではありません。
ボタン2個で開閉
ポケット中央にプリーツ付き
ポケットフラップ前部は縫い付けられています。
裾裏側にはドローコードを内蔵
コットン製
前合わせ裏側には、ガスフラップ付き。
これが意外と面倒くさいですね。
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3 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)の特徴とは?
迷彩は、今回のモデルは戦後型のブラウンリーフ(LCリーフとも呼ばれています。)で、全体的に色調が鮮明なタイプです。
配色は、ライトグリーンの生地に、タン、グリーン、ダークブラウン、ブラックを用いて細い雲や葉のようなパターンを描いています。
各色の境界が、はっきりしているのも特徴ですね。
生地はコットンの薄いリップストップ(解れ防止処理)生地で、これはトロピカルコンバットトラウザースと大きく変わりません。
デザインは、腰スラントポケット×2、ヒップポケット×2、膝ポケット×2で、ウエストにはサイズを調整するストラップが、裾にはドローコードを内蔵してあります。
全体的な縫製は、少々雑ですが強度は十分あるアメリカ軍スタンダードです。
4 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)の製造とサイズのデータ
・製造又は契約年度 1980年代
・製造場所 アメリカ
・契約会社 アメリカ
・製造会社 〃
・材 質 コットン
・表記サイズ M–L
(日本人のL〜XL)
・各部のサイズ(平置)
ウエスト 約42センチ
着丈 約109センチ
股上 約30センチ
股下 約81センチ
裾幅 約21センチ
・状 態 中古良品
・官民区分 官給品
・入手場所 愛知の専門店
・入手難易度 3(困難)
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5 アメリカ軍迷彩トラウザーズ(ブラウンリーフ・LCリーフ)まとめ
確かに改良されたトラウザーズは、量産に向いていますし、使い勝手も良くなりました。
しかしユーザーたる兵士からの評価は今ひとつだったようですね。
特に膝ポケットの容量不足は深刻で、兵士はちょっとしたものまで全てバックパックに格納しなければなりませんでした。
結局、1980年代には次の全軍統一ウッドランド装備が開発されるのですが、そのデザインは一部がトロピカルコンバットトラウザーズに戻されましたね。
(余談ですが、余剰となった今回のモデルは、大量に払い下げられ日本でもデッドストックが安価に販売されていました!)
どうやら短い期間のみ採用されていたようです。
でも実際の兵士(…と軍装品マニア)はともかく、一般的に使用する分には、全く無問題ですね。
また、マニアにも人気がないので平均的に安価で販売されています。
(お店によってはウッドランドより安い場合も!)
迷彩も効果的なので、普通にサバイバルゲーム、狩猟、野鳥観測、キャンプなどには普通に使用できますよ。
購入する場合の注意点は、当時の風習からバリバリに糊付けされていて細部のチェックが難しい個体があります。
念には念を入れてチェックして納得の上購入しましょう。
今回は、短命で終わったアメリカ軍の迷彩トラウザースを分析しました。
次回は、アメリカ軍の防寒着を分析します。
お楽しみに!
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参考:他のアメリカ軍リーフパターン装備はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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