
今回は、1940年代のアメリカ軍M43フィールドジャケットを分析します。
以前分析したM43フィールドジャケット(370-C)のひとつ後のモデルですね。
ライトカーキのライニングと背中のタグが特徴です。
実際に兵士が使用していたもので、ある程度の使用感や汚れがありますが程度は良好ですよ!
目次
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1 アメリカ軍M43フィールドジャケット(370-D・カーキライニング)とは?

第二次大戦中に開発され、戦後も多くの国に影響与えたM43フィールドジャケット。
(自衛隊の前身である警察予備隊や保安隊でも一部で使用されていましたね。)
当時の山岳兵用ジャケットを原型としたこのフィールドジャケットは、
- それまで数種類あった戦闘服を統一
- レイヤード(重ね着)システムを採用
して補給や用兵の便を向上させるとともに、幅広い気温帯にも対応させた画期的な防寒戦闘服でした。
採用は、その型式番号のとおり1943年なのですが、その間に多くの改良が施されましたよ。
派生型も含めると全部で7つの型が存在していますね。
(諸説あり。)
今回のモデルは、そんな歴史あるM43フィールドジャケットの中でも、最初の型から数えて5番目のモデルになります。
しかも…なんと右腰ポケット内のタグに印字が残っている貴重な個体ですよ!
さてさて、それはどんなM43フィールドジャケットなのでしょうか?
今回は大戦中のアメリカ軍装備マニアのみならず、アメリカンビンテージをこよなく愛するあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
この状態で背中のタグが見られるのが特徴ですね。
(同じSPECでもタグのないモデルも存在します。)

背面

前面裏側
裾に油汚れあり。

背面裏側
裏側のほぼ全面に、ライトカーキのライニングあり…

タグ①
取扱説明書ですね。
スタンプより読みやすいですが、紛失する恐れもあり。
(このモデルも既にステッチが怪しいですね。)

襟周りレイアウト

襟はチンストラップで立てることができます。

前合わせはボタンのみ。

ボタンホール内部にはライニングと同じ生地で補強されています。

エポレット
僅かにテーパーの付いたクサビ型。
ボタンで開閉。

胸ポケット
ボタンで開閉。


ウエストにはブラウンの染みが。
これは…

内部の補強レザーの色がクリーニングで滲み出てきていますね。
ウエストのドローコードはコットン製。
コードの出口はボタンホールタイプですね。

腰ポケット
こちらもボタンで開閉。


右腰ポケット内のタグ②
中古品でここまで残っているのは奇跡かも?
しかもフィラデルフィアクォーターマスターデポの円形検査スタンプ(?)あり。
1944年度契約品です。
ポケット内側生地は生成りのコットン製。

側面には別生地があてがわれていますね。
これ…意外に複雑なデザインですよ。

袖
脇に余裕のあるテーパー付き。


袖口はボタンで開閉。


襟には汚れあり。
クリーニングしたいですが、タグの破損が懸念されるのでそのままにしています。

袖口はまだギリギリ擦り切れていません。

ボタン

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3 その特徴とは?
生地はODのコットンサテンで、厚く重量がありますがその分防風性能が高そうです。
一方ライニングは鮮やかなライトカーキで、明る過ぎて心配になるくらいですね。
(大戦末期のドイツ軍は暗視装置を実用化していました。)
ライニング色調比較
今回のモデル

ひとつ前のモデル
(370-C)

ひとつ後のモデル
(370-E)

同いSPECでも違うライニングを装備した個体もあり、この辺りは大らかだったのかもしれませんね。
ライニングは後のM65フィールドジャケットのように開放されておらず、裾は縫い付けられています。
(そのため洗濯すると全体的に乾燥が遅いですね。)
デザインはエポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2のコートタイプ。
全体的な縫製は丁寧かつ正確で、戦時中の製品ながら上質な仕立てですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1944年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ 38R
(日本人のL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約50cm
身幅 約62cm
着丈 約73cm
袖丈 約60cm
状 態 中古上品
官民区分 官給品
入手場所 埼玉の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回、久しぶりにM43フィールドジャケットを記事にしましたが、ジャケットを撮影中に感じたことがあります。
それはジャケット本体の生地や縫製がとんでもなく上質だ…ということです。
高級感…とでもいうのでしょうか?
いくらアメリカ本土における戦火がごく一部だったとはいえ、あの時代にこの品質でこの製品を量産できているのは、やはりアメリカは凄かったと認めざるを得ないですね。
工業製品としての製造態勢はいうに及ばず、何より兵士のことを一生懸命考えてデザインしている印象を受けました。
(設計者の確かな「愛」を感じましたよ。)
これが戦争に勝てる国の装備なのですね。
(ただし我が国で使用するには、少々オーバースペック気味ではありますが…。)

…それはともかく、M43フィールドジャケットの官給品は現在でも大手通販サイトで多く取り扱われていて、誰でも入手可能です。
ただ価格は年々上昇していて、現在では程度の悪いものでも数万円していますね。
かつてはミリタリー専門店で中古極上品が1万円以下で購入できた時代のコレクターとしては、この値上がりに異常性を感じてしまいます。
(上記で入手難易度を3(困難)にしているのはこういう事情からです。)
数も減っていてそんな時代なのよ(誰?)…といってしまえばそれまでですが、どうも納得いきませんね。
最悪専門SHOP価格はそうでも、できれば個人で出品するオークションでは、
- 出品価格を数百円
- 最低落札価格を設けない
- 送料無料
にすることにより、まだコレクションを始めたばかりのビギナーでも比較的安価に入手できるかも?…という夢を見させてあげたいですね。
実際上記の条件で出品すると、ミリタリー専門店で提示されている価格より、安価に落札されることが多いです。
でもビギナー(たまにベテラン)の見識やコレクションの質を向上させることができて、行く行くは日本ミリタリーコレクターのレベル向上につながるのでは?
(あなたが危惧することではないのでは?…とまた奥(神)様からのツッコミが!☹️)
ベテランコレクターのあなたは、不要な在庫をなるべく安価に処分してみてはいかがでしょうか?

ただ実用目的でM43ジャケットを欲しているあなたは、ぜひモデル品の購入をおすすめします。
多くのモデル品は今回のモデルのように「370-D」ではないかもしれませんが、良質なモデル品が数多く製造されていますよ!
あなたのシチュエーションに合わせて、購入を検討してみてください。
私はもっと初期のM43フィールドジャケットの官給品デッドストックを探してみたいと思います。
今回は、有名なM43フィールドジャケットの5番目のモデルを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他のアメリカ軍M43フィールドジャケット官給品に関する記事はこちらです。⬇︎
M43フィールドジャケットのモデル品に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
第二次大戦中の各国軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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