
今回は、1950年代のアメリカ軍M51パーカーシェルを分析します。
以前分析したアメリカ軍防寒M51パーカーシェル(初期型)と同じSPECナンバーながら生地が違っていました。
意外なモデルですね。
勿論、デッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ軍M51パーカーシェル(11013・初期型・オックスフォード)とは?

一般的にはあまり知られていませんが、アメリカ軍の物品管理はとても厳格…なところがあります。
(そうでない部分も多くあるですが…😅)
例えば、各種軍物衣類にあるタグやスタンプ。
SPECから始まり調達契約番号など、細かいデータが記載されていてるので、コレクションを進める上でアイテムの年代や品名が判別しやすいですね。
特にSPECは、メインとなる型式番号に加えて、仕様が変更された場合にサブタイプと呼ばれるアルファベットが付加されるので重宝しています。
それでもアイテムによっては、サブタイプが示されずいつの間にか変更されている例があるようですよ。
今回のモデルは、日本では「青島パーカー」という愛称で有名なM51パーカーシェル…なのですが、なんとSPECナンバーが最も最初のモデルになります。
でも生地が後期のものに変更されたいましたよ。
過渡期の製品でしょうか?
とても珍しいものだと思われます。
さてさて、それはどんなM51パーカーシェルなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、青島パーカーをこよなく愛するあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
一見、何の変哲もない後期型のM51パーカーシェルですね。

背面

前面裏側

背面裏側

フード周りレイアウト

前合わせはジッパーとダットファスナーです。

ジッパーは「CROWN」の鋳造ジッパーです。

フードにあるサイズ、SPEC及び契約年月日
1952年度契約品。
でもSPECが「MIL-P-11013」ということに注意。

サイズスタンプ。

データスタンプ

パーカーシェルの取り扱い説明スタンプ

フード
前縁にあるボタンホールは、専用のハードフード取り付け用ですね。

ボタンホールは頂部にもあります。

左側面

右側面

フードのロック
厚いレザー製。

エポレット
テーパーなしのクサビ型。

腰ポケット
ダットファスナーで開閉。


ポケット内側生地はカーキの薄いウール製。

腰ポケット内側生地
カーキのウール製。

ウエストのドローコード
コードの出口は金属製ハトメ付き。

袖
肘から下に強いテーパー付き。


袖口
ゴムで伸縮するタブとボタンで開閉。


ゴムテープは、ゴムを内蔵した太めの糸で編まれています。

袖口のボタン
ブラウンの肉厚プラスティック製。

エポレットやライナー取り付け用ボタン(小)

裾のスワローテイル

背面裏側裾付近にはダットファスナー凹部があって、裾を上げた状態にできます。



ライナー用タブとボタン。
アメリカ軍物の多くは、ボタンがシェル側にあるモデルが多いですね。

腰ポケット内側生地の外側はシェルと同じ生地でした。


ダットファスナー凹部裏側の刻印

ウエスト部のドローコード出口
ちゃんと補強されていますね。

袖にもライナーボタンあり。

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3 その特徴とは?
生地はオリーブグリーンに染められたコットン/ナイロン混紡のオックスフォードで、軽量なら防風性能が高いです。
反面、防寒性能は低いので寒冷地や寒候期で使用する場合には専用のライナーが必要ですね。
デザインはフード・エポレット付き、腰ポケット×2で、着丈が長く背面裾はダットファスナーで捲り上げることができますよ。
腰ポケット内側生地にウールを使用しているのもポイント高いですね。
注意すべきはサイズで、表記サイズよりも2〜3サイズ大きい作りになっているところです。
これはM51パーカーが、セーターやフィールドジャケット着込んだ上に着用するよう設計されているからですね。
(極寒地で最も外側に着用する衣類なのです。)
全体的な縫製は、少々雑ですが強度はそれなりに保っているスタンダードなアメリカ軍衣類そのものです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1952年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
ウール
表記サイズ M
(日本人のXXL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約59cm
身幅 約72cm
着丈 約105cm
袖丈 約60cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 大阪の専門店
入手難易度 3(困難)
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KU305 アメリカ軍 M51 M-51 フィッシュテールパーカー 初期型(オックスフォード)
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5 まとめ
さて今回のモデルですが、フード裏側にあるスタンプから、SPECが
「MIL-P-11013」
というのがわかりました。
今回のモデル
(1952年11月5日契約品)

一方以前分析した、生地がコットンサテンモデル(初期型と呼ばれています。)も同じSPECでした。
(1951年5月21日契約品)

…ということは、生地の変化(コットンサテン→コットン/ナイロンオックスフォード)がSPEC上の仕様変更ではなかったということなのでしょうか?
ちなみに後に「11013A」というサブタイプの付いたコットン/ナイロン生地のモデルが存在します。
これが後期型とされていますね。
(1953年6月16日契約品)

上記サブタイプAのモデルと今回の無印モデルの違いといえば、ジッパーの材質と腰ポケットの内側生地くらいでしたので、そこが仕様変更の要だったのでしょうか?
…最悪、ただのスタンプミスも考えられますね。
うーんやはり謎ですが、今後も調査を「ケイゾク」して解明していきたいと思います。

さてM51パーカーシェルは、デッドストックはともかく、中古品なら大手通販サイトで入手可能です。
他のネットSHOPや有名SHOPでも在庫しているので入手は容易でしょう。
ただしSPECが今回のモデルと同じで生地がコットン/ナイロンの個体は、もしかしたら少ないかもしれません。
探しているあなたは、見かけたM51パーカーシェルのSPECを全て確認して購入を決定しましょう。
(その際には損傷・修理・汚れ・欠品にも要注意です。)
今回はサブタイプのないSPECながら、生地がオックスフォードだったM51パーカーシェルを分析しました!
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:アメリカ軍M51パーカーに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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