今回は、1950年代のアメリカ軍の防寒パーカーを分析します。
日本では、あるドラマで主人公の刑事が着用したことから「青島パーカー」として有名ですね。
でも今回のモデルは、生地が全く違うモデルになります。
ある理由から、この時代まで極上品で残ったアイテムですよ!
目次
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1 アメリカ陸軍防寒M51パーカーシェル(初期型・11013)とは?
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」の名セリフで有名な「踊る大捜査線」。
なかなか面白いドラマだった…ようですね。
(一回も観ていないのですが…😓←世捨て人なのか?)
ドラマの中で、織田裕二さん演じる青島刑事は、スーツの上にM51パーカーを着用していましたね。
ある意味斬新なファッションでした!
おそらく、トレンチコートでは「昭和の刑事さん」になってしまうので、苦肉の策でM51パーカーにしたのでは?…なんて想像したりしています。
(でも衣装さんGJかも!)
ドラマヒットの煽りを受けて、放映当時から暫くはM51パーカーが官給品・モデル品問わずメチャクチャ売れましたね。
(お陰でマニアはヒヤヒヤものでした。でも嬉しい誤算も!)
でも、その多くがいわゆる「後期型」で、ナイロンとコットン混紡の「オックスフォード」という生地のモデル(又はモデル品)でした。
あまり知られていませんが、M51パーカー生産数の多くが「後期型」を主体に生産されました。
(その後に採用されたM65パーカーは、最初から全部オックスフォードでしたね。)
しかし、実はコットンサテン生地を用いたモデルもあったのです。
それが今回のモデルです。
…ですが今回のモデルは、製造ミスから支給されなかったのか?
それとも支給されたけど、全く使用されなかったのか?…と思うくらい、程度の良いパーカーですよ!
(残念ながら、今回はシェル(外殻、外皮)のみで、後日専用ライナーやフードを追記予定です。)
さてさて、それはどんな防寒パーカーなのでしょうか?
今回は、朝鮮戦争のアメリカ軍マニアのみならず、「踊る大捜査線」ファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
程度が良く、殆ど使用されていないように見えますね。
背面
生地には艶もあります!
前面裏側
ポケットや前身頃、そしてフードの生地が違っています。
(アメリカ軍物あるあるですね。モデル品はこの辺りが均質な生地になっています。)
背面裏側
前身頃はジッパーとダットファスナーです。
今回のモデルはスペシャルなタグが縫い付けられていました。
これは…
サイズスタンプ
実はMサイズと表記されていますが、本当はSサイズなんですね。
(いわゆる製造ミスです。)
そのため、元々のサイズMや適応サイズをフェルトペンで粗く消してあります。
データスタンプ
取扱方法のスタンプ
エポレットはテーパーなしのクサビ型です。
腰ポケット
ダットファスナー付きフラップで開閉
ポケット内側生地
勿論、毛布地でハンドウォーマーも兼ねています。
袖
肘以下は急激にテーパーを付けています。
袖口はボタンで開閉
タブにはゴムが連結されていて、いつでも手首を締める方向にテンションが掛かっています。
背面裾付近のダットファスナー
ウエストのドローコード
裾のドローコード。
前後を結ぶことにより、ズボンのように使用できます。
特徴的なフィッシュテイルは、ダットファスナーで捲り上げておくことも可能です。
前身頃裏側や袖口裏側には、専用のライナーを取り付けるボタンが縫い付けられています。
ジッパー
オールド「TALON」のアルミ製です。
ダットファスナーは「SCOVLL」
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3 その特徴とは?
シェルの生地はOG(オリーブグリーン)のコットンサテンで、やや厚く重量もありますが、風を通さないようですね。
デザインは、前作M48パーカーをやや簡略化した物になります。
構成はフード、エポレット付き、腰ポケット×2で、着丈が長いのが特徴です。
ポケットは内側が毛布生地になっていて、ハンドウォーマーも兼ねていますよ。
(これは助かりますね。)
全体的な縫製は、アメリカ軍オリジナルの「少々雑ですが強度は抜群!」です。
特筆すべきはそのサイズ感です。
M51シリーズは、通常の戦闘服やセーターの上にライナー付きのM51フィールドジャケットを着用、その上に専用のライナーを取り付けたM51パーカーを着用するという、レイヤード(重ね着)システムを採用しています。
つまりM51パーカーは、最も外側(シェル)を担当する衣料品なんですね。
そのため通常のサイズより2〜3サイズ大きいデザインになっているのが特徴です。
私は、アメリカ軍サイズではMがジャストなのですが、普段着(セーターなどの上に)としてM51パーカーを着用する場合は、なんとXSがベストなのです。
M65フィールドジャケットがMなので、M51パーカーもMだ…と安易に購入してしまうと、かなり大きいサイズのパーカーになるので要注意ですね。
(経験者は語る…😎)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1951年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ S
(日本人のXL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約107cm
肩幅 約60cm
身幅 約66cm
袖丈 約63cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 ヤフオク
入手難易度 4(極めて困難)
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5 まとめ
今回のモデルは、いわゆるシェル(外殻、外皮)のみですが、本来なら専用のライナー、オプションのフードとともに支給されます。
勿論、現在のように軽量で暖かな化繊の中綿が存在しなかった時代のものなので、パーカーにライナーやフードを取り付けるとかなりの重量になりました。
(ましてやライナー付きフィールドジャケットとオーバーパンツを履けば、合計でとてつもない重量になりますね。)
そのため後期型では少しでも軽くなるよう、オックスフォードに変更されたのでした。
(でも、単体で着用する分には、サテンの方が防風性能もあって良いと思うのですが…。)
また今回のモデルは、サイズ表記(スタンプ)がMになっていますが、サイズ的にはSなので、後に修正が入っていますね。
でも、もしかしたら後期型の出現で、支給されずに終わったのかもしれません。
(だから極上品で残ってたのかも?)
私が入手できたのは、ただの偶然だったのですが、本当にラッキーでした。
じつは初期型はいうに及ばず、もはや後期型でも官給品は減っていて、しかもとても高価になりました。
(今から30年前までは、まだ後期型のデッドストックがそこそこの値段で入手できたのですが…。)
でも「踊る大捜査線」の影響で、精巧なモデル品が数多く製造されましたよ。
こちらなら、まだ現在でも普通に入手可能ですね。
(しかも、カラーにはバリエーションがあり、かつM65パーカーのライナーが装着できるモデルもあるのでとても軽量になります。)
いよいよ本格的な寒波到来ですが、今からでもM51パーカーの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
今回は、日本のドラマでも大活躍した、アメリカ軍M51防寒フィールドパーカーシェルを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240119更新)
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参考:オックスフォード生地を用いたモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルの専用ライナーに関する記事はこちらです。⬇︎
他のM51系装備に関する記事はこちらです。⬇︎
その他のアメリカ軍朝鮮戦争装備に関する記事はこちらです。⬇︎
M51パーカーが影響を与えた他国のパーカーはこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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