今回は、1950年代のアメリカ軍M51フィールドジャケットを分析します。
シリーズの中でも初期に生産されたモデルですね。
後のモデルとは少々違った箇所がありました。
まさかのデッドストックですよ!
目次
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1 アメリカ軍M51フィールドジャケット(11448・1952年契約品)とは?
前作M50フィールドジャケットが、大戦中のM43フィールドジャケットのマイナーチェンジに終始したのに対し、M51フィールドジャケットは、より本格的な対寒冷地仕様を目指し、新しく設計されました。
そのためライナーなどのオプションを装着することで、防寒・防風性能が飛躍的に向上しましたね。
その形式番号が示す通り、1951年から1965年くらいまで(製造終了には諸説あり。)長期間製造された傑作防寒戦闘服でした。
でもその長い歴史の中では、いくつかバリエーションが存在しますね。
今回のM51フィールドジャケットは、正式採用まもなくの製品で、朝鮮戦争真っ盛りの時期に製造されたモデルになります。
当ブログでもこれまで、中期型、末期型を取り上げましたが、晴れて今回は初期型を記事にすることができました。
しかもデッドストックというのは、令和現在では珍しいかもしれませんね!
さてさて、それはどんなM51フィールドジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、M65フィールドジャケットに疑問を感じているあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
やはり裏側のほぼ全面に、ODのコットンポプリン製ライニングがあります。
(裾はシェルに巻き込まれて縫い付けられていますよ。)
背面裏側
襟周りレイアウト
襟は付属のボタンで立てることができます。
襟下のボタンは専用のハードフード用。
前合わせはジッパーとダットファスナーです。
背中にあるサイズスタンプ
(ステンシルかも?)
その下にあるデータスタンプ
1952年度契約品です。
腰のドローコードはシェルの外側に出すことができます。
腰のドローコード
コットン製。
前合わせには専用のライナー用ボタンあり。
エポレットはテーパーなしのクサビ型
ボタンで開閉。
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
腰ポケット
こちらもダットファスナーで開閉
ポケット内側は、大戦中のウールシャツと同様のカーキで薄い生地。
ジッパー
刻印は「TALON」
ジッパーの歯は、まるで昨日製造されたようにピカピカです。
袖
袖口はボタンで開閉
マチ付きです。
袖裏側にもライナー用のボタンあり。
ポケットの中には、一部のカッタータグが入っていました。
おまけ
M51フィールドジャケット専用フード
(デッドストック)
左側面
右側面
右側面裏側
左側面裏側
データスタンプ
1953年度契約品です。
SPECは11377A
1944年登録のデザインでしょうか?
サイズスタンプ
ストックナンバーも記載
(FSN以前のものですね。)
前縁のドローコード
コードの出口は金属製のハトメ付き。
M43用ではレザーで補強されていましたね。
ボタン
1個のみ。
M43用では2個でしたね。
ジャケットに取り付けるためのボタンホール
M43用フードと同様、エポレットのボタンを使用して取り付けます。
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3 その特徴とは?
シェルはのコットンサテンで、高級感のある生地ですね。
かなり緻密に編まれていて、防風性能が高そうです。
シェルの色調は、OG(オリーブグリーン)なのですが、まだこの頃はOD(オリーブドラブ)に近いですね。
ほぼ裏側全面に明るいODのコットンポプリン製ライニングがあります。
デザインは、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2で、腰にドローコードがありますが、ドローコード末端は表出しですね。
前合わせのジッパーはアルミ製で、後のM65フィールドジャケットに取り付けられているものより動きがスムーズです。(私見)
面白いのは腰ポケット内側の生地で、大戦中のウールシャツに似たカーキの薄い生地が使用されていました。
中期型以降のように、やや厚い起毛した毛布のような生地ではありませんでしたよ。
韓半島のあまりの寒さに、回収されたのでしょうか?
(でも…もしかしたら製造メーカー由来のバリエーションなのかも?)
今回のモデル
中期型
やや厚い毛布生地で、明らかに違っていますね。
いずれもハンドウォーマーも兼ねた造りになっています。
全体的な縫製は、アメリカ軍物にしては正確かつ丁寧で、意外に上質な仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1952年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ M-R
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
着丈 約81cm
肩幅 約50cm
身幅 約58cm
袖丈 約63cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
前作M50フィールドジャケットと比べると、格段に防寒性能が向上していますね。
そして生地やジッパーなどのパーツを見ると、当時としてはとてもリッチな装備だとわかります。
なるほど朝鮮戦争に参加していた各国が参考にするはずです。
(例:イギリス軍P60スモック)
またM51フィールドジャケットは、M43/M50フィールドジャケットからの進化型なので、襟の形が普通なのもファッション的に優れていると言えます。
(コアなフィールドジャケットマニアに中には、M51最良説を信じて疑わない方もいらっしゃるようです。ねえ先輩!)
まるで古いアメ車のような重厚で、それでいて趣のあるジャケットとも言えますね。
しかし時代から、より近代的かつ戦闘とさらなる防寒に特化したM65フィールドジャケットにモデルチェンジしていくのでした…。
さて、そんなM51フィールドジャケットですが、中古品ではまだ大手通販サイトで入手可能です。
チャンスがあったらデッドストックも入手可能かもしれません。
購入する場合は、当ブログの記事を参考に、初期・中期・末期のどのモデルを選ぶとともに、サイズや程度を考慮して決定しましょう!
私は末期モデルのデッドストックを探してみたいと思います。
(まだ入手できると信じています!…って、誰に伝えてるの?)
また私の記憶が確かなら、以前からモデル品も発売されているはずです。
国産は、かつてのC社から、最近ではS社でしたでしょうか?
実用目的のあなたは、モデル品を選んでみましょう!
今回は朝鮮戦争に使用された初期のM51フィールドジャケットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20241202更新)
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参考:他のM51フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
朝鮮戦争期に使用されたアメリカ軍の他の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣料に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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