今回は、1980年代のアメリカ軍M65シェルパーカーを分析します。
有名なM51シェルパーカーの後継モデルですね。
現在、何故か日本で大流行中です！
今回もデッドストックですよ！‘
目次
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１ アメリカ軍M65シェルパーカー（フィッシュテイルパーカー・ライナー付き・フードなし）とは？
朝鮮戦争で極寒地の韓半島で戦ったアメリカ軍。
そこで開発されたのがM51シリーズの防寒装備でした。
中でもM51シェルパーカーは、その名の通り「最も外側」に着用するコートタイプのパーカーでしたね。
元々フードが付属した薄い生地のパーカーでしたが、専用のハードフードやライナーを取り付けると高い防寒性能を発揮する装備でした。
でも
「ライナーはともかくハードフード後付けするのなら、簡易フードは無くてもよのではないか？」
とか、
「ヘルメットを被って戦闘を行う場合、ヘルメットの上からフードを被ると周囲の音が聞こえなくなったり、違って聞こえる！」
などの意見が前線から送られました。
そこで、M51シェルパーカーのデザインをそのままに、シェルと同じ生地でできたフードを省略したモデルが開発されましたよ。
（同時にライナーも改良して軽量化しました。）
それが今回のM65シェルパーカーです。
（M51同様「フィッシュテイルパーカー」とも呼ばれていますね！）
ウッドランド迷彩のゴアテックスパーカーが採用される1980年代まで使用されましたよ。
このパーカーは、面白エピソードがあることでも有名ですね！
さてさて、それはどんなシェルパーカーなのでしょうか？
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、ファッションリーダーのあなたと一緒に、確認していきましょう！
２ 全体及び細部写真です！
前面
背面
前面裏側
（ライナー付き）
背面裏側
（ライナー付き）
前面裏側
（ライナーなし）
背面裏側
（ライナーなし）
襟周りレイアウト
前合わせはジッパーとダットファスナー。
ジッパーはブラス。
シェルのタグ
1985年度契約品です。
（末期に近いですね。）
右胸のネイム用テープ
予め縫い付けられています。
テープにはいくつかバリエーションあり。
ウエストのドローコード
腰ポケット
ダットファスナーで開閉
勿論、ポケット口の折り返しもあります。
ポケット内側はいつもの毛布生地
…と思いきや、カラーがオリーブグリーンでナイロン製でした。
（M51はカーキのウール製でしたね。）
袖
立体裁断です。
袖口はボタンとタブで調整
勿論タブはゴムを内蔵したネット状のテープで繋がっています。
背面裾のダットファスナー
裾のドローコード
ウエストのドローコードとその出口
ボタンは大型のODプラスティック製で薄い通常タイプ
ジッパーは「SCOVILL」
背面裏側
うなじ付近のライナー取り付け用ボタン
袖口
今回のライナーはシェルとサイズが違っていますが、取り付けることができました。
やはりボタンがシェルに付いているタイプ。
良く見ると左右非対称です。
ライナー
前面裏側
背面裏側
袖には２本のボタンホール付きタブ
ライナー取り付け用ですね。
ライナータグ
ライナーは1973年契約品です。
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３ その特徴とは？
シェルはOG（オリーブグリーン）のコットン／ナイロンの混紡で、オックスフォードと呼ばれる生地ですね。
緻密に織られていて防風性能が高いですが、軽量で肌触りが良く、かつ丈夫です。
デザインは、M51シェルパーカーからフードを排したイメージですね。
構成は、エポレットなし、スタンドカラー、腰ポケット×2のコートタイプで、着丈が長いのが特徴です。
ライナーはナイロン製で、インターライニング（中綿）はポリエステル製。
軽量ながら意外に暖かいですね。
（M51シェルパーカーのライナーに比べると大幅に軽量化が図られていますよ。）
今回のモデルは、シェルがサイズMでライナーがSなのですが、普通に装着できました。
（少々身幅が狭まりますが…😅）
全体的な縫製は、やはり少々雑ですが強度は抜群なアメリカ軍スタンダードです。
特筆すべきはそのサイズ感で、タグの表記サイズで購入すると、とても大きいサイズになってしまいます。
これは、防寒着（セーター等）＋M65フィールドジャケットの上にM65シェルパーカーを着用することを前提に設計されているからですね。
４ 製造とサイズのデータです！
製造・契約年度 1985年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
ウール
表記サイズ M
（ライナーはS）
（日本人のXXL）
各部のサイズ（平置）
着丈 約106cm
肩幅 約60cm
身幅 約72cm
袖丈 約65cm
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 愛知の専門店
入手難易度 1（容易）
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５ まとめ
M51パーカーのフードを無くし、ライナーを新設計したため、全体的に大幅な軽量化が達成できました。
実際に着用してみると、その軽快感は素晴らしいものがありますね。
これは戦場の兵士にも好評だったかもしれません。
でも、もっと大好評だったのがファッション関係者です。
より自由度がアップしたM65シェルパーカーは、男女を問わず多くのファッションリーダーに取り入れられていますね。
日本でも大人気で、インスタグラムではM65シェルパーカーを観ない日はないくらいです！
特に女性の着こなしが可愛いですね。
着用例また、映画やMVにも多く出演していることでも有名です。
M65シェルパーカー出演映画に関する記事
（映画観てみたいですね！）
M65シェルパーカー出演ミュージックビデオ
（映るのは一瞬です😅でも早希ちゃんに合うサイズって…？🤔）
話題になったグループ
数年前にセカイノオワリが着て流行った米軍の80s？M65パーカー、今やフルセットで買った頃の価格の3倍はする
— 🔦MAKOTO🔦 (@makochan_xx) 2022年11月24日
ずっと寝かせてたけど今年は着るか pic.twitter.com/bP3l0b15La
じつは、さる刑事ドラマの影響で、M51シェルパーカーが大人気となり飛ぶように売れた90年代には、なんとM65シェルパーカー改造のM51シェルパーカーが製造されたりしました。
ぱっと見違和感がないのですが、袖ボタン、ジッパー、ライナーと、その取付用ボタンをみると、識別できましたね。
なかなか面白いモデル品でした。
（買っておけばよかったかも😅）
そんな在庫が有り余るほど払い下げられていた今回のモデルも、昨今は程度の良いものが減ってきましたね。
それでも業者によっては、現在でもデッドストックを販売しているところもあるようです。
また中古品なら普通に入手可能ですよ。
それに忠実に再現した各種モデル品も販売されていますね。
（ファッションブランドからも販売されているようです。）
あなたの資金やシチュエーションに併せて購入できるのが嬉しいところですね。
これを機会に、もう一度M65シェルパーカーを見直してみませんか？
そうそう、購入する場合はサイズに注意してください。
より身体にフィットさせたいなら、2サイズ小さいものを選ぶのがコツですよ！
今回は、改良で軽快感や汎用性の増したアメリカ軍M65シェルパーカーを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね！
それではまた、次回をお楽しみに！
（20231129更新）
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参考：M65シェルパーカーに取り付ける専用ハードフードに関する記事はこちらです。⬇︎
今回のモデルの前に採用されていたM51シェルパーカーに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍M65装備はこちらです。⬇︎
他国のM65フィールドジャケット類似品に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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