今回は、1960年代のアメリカ軍M65フィールドジャケットを分析します。
ジッパーがアルミ製のシリーズ2番目のモデルですね。
でも一般的なモデルとは、大きく違ったところがありました!
中古ですが、殆ど使用感のない極上品ですよ!
目次
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1 アメリカ軍M65フィールドジャケット(2nd・グレイライニング)とは?
ところで、あなたは「ギザ10(十:じゅう)」をご存知ですか?
10円玉の中でも初期に生産されたものには周囲に筋が入っていて、ギザギザしているからそう呼ばれています。
中でも特定年代の「ギザ10」は製造された数が少なく、高値で取引されている物もあるとか。
貨幣価値としては10円なのですが、数万円(?)で取引されるなんて面白いですよね。
じつは、あなたもご存知のM65フィールドジャケットにも、「特定ギザ10」に相当するレアモデルが存在するのです。
ところでアメリカ軍のMIL-SPEC(軍用規格)は、とても厳格でクリアしていない製品は一切採用されないことで有名ですね。
これは衣類に限らず、そのパーツについても同様です。
(性能は世界一ながら、長い期間YKKジッパーが採用されなかったのは有名な話ですね。)
ところが今回のモデルは、明らかにSPECでは謳われていない(と予想される)点がありました。
さてさて、それはどんなM65フィールドジャケットで、一般的なモデルとは何が違うのでしょうか?
今回は、アメリカ軍装備マニアのみならず、M65フィールドジャケットファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
…もう違和感を感じますね。
背面
前面裏側
目の覚めるような(?)グレイライニングですね。
背面裏側
襟周りレイアウト
前見頃はジッパーとダットファスナーで開閉
タグ①
1968年度契約品です。
タグ②
エポレットはテーパーなしのクサビ型
胸ポケット
ダットファスナーで開閉
腰ポケット
こちらもボタンで開閉
ポケット内側の生地は生成りです。
袖
立体裁断ですね。
ほぼストレート。
袖口
マチがありマジックテープで開閉・調整
例の三角生地もあります。
背中のアクションプリーツ
襟裏にはジッパーがあって
背中には簡易フードが内蔵されています。
生地はコットンポプリン。
やはりフード付け根には、伸縮性のある生地が。
ウエストのドローコード
裾のドローコード
こちらはゴム紐です。
背面・前見頃・袖裏側の専用ライナー取付用ボタン。
襟裏にはチンストラップとマジックテープで襟を立てることができます。
ライニングの生地
グレイでやや艶があることから、生地はコットン/ナイロン混紡のオックスフォード?
襟のジッパープルタブとスライダー
刻印は「RAPID」
表面が腐食していますが、そのまま安定していて、腐食の進行はありません。
(開閉に支障なし!)
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3 その特徴とは?
シェルはOG-107に染められたコットン/ナイロンのサテンで、4thまで使用されたものと同じです。
デザインにおいても、エポレット付き、胸ポケット×2、腰ポケット×2のジャケットタイプというのも全く同じですね。
(当然ですが、袖の三角生地も一般的なM65フィールドジャケットと同じですね。)
ジッパーは全てアルミで、これは2ndの特徴でした。
しかし今回のモデルはライニングがニュートラルグレイです。
しかも生地は、手触りがサラサラしていました。
もしかしたらコットンとナイロン混紡のオックスフォードかもしれません。
ライニング比較
今回のモデル
一般的なモデル
(2nd)
明らかに違っていますね。
(程度の差はご勘弁!)
全体的な縫製は、アメリカ軍スタンダードの「少々雑だが強度は抜群」という仕立てです。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1968年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
表記サイズ S-R
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
着丈 約71cm
肩幅 約49cm
身幅 約58cm
袖丈 約61cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 沖縄の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
一般的な官給品M65フィールドジャケットのライニングは、コットン/ナイロンのポプリンと呼ばれる薄い生地で、その色調はOG(オリーブグリーン)なのがSPECのはずです。
でも、数は少ないものの「グレイライニング」モデルは存在していますね。
私が確認している限りでは、2nd、3rdモデルにおいて少量が生産されたようです。
面白いですね。
なぜこんなモデルが生産されたのでしょう?
理由は不明ですが、一説には空軍仕様がグレイライニングであった…とか?
でも、それにしては数が少なすぎる…ということから眉唾説ですね。
グレイライニングモデル製造について理由は不明ですが、今後も調査を「ケイゾク」していきますね。
さて、今回のモデルは一般的なモデルに比べて数が少ないことから、より高値で取引されている場合が多いです。
中にはプレミア価格として、目を疑うような価格設定のショップもありますよ。
ただじっくり探すと、一般的なモデルと同程度の価格で販売されているところもあります。
冷静なあなたは、慌てて高価格のお品を購入しないようにしましょう。
ライニングの色調はともかく、機能的には一般的なモデルと全く変わらないので、これからの季節にも活躍しそうですよ!
私は、グレイライニングモデルのサイズM-RもしくはM-Sのデッドストックを探してみたいと思います!
今回は、アメリカ軍M65フィールドジャケットの「グレイライニング」モデルを分析しました。
いやー軍装品って、本当に面白いですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20240324更新)
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参考:他のM65フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎www.military-spec-an.com
M65フィールドジャケットに影響を受けた各国のモデルに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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