今回は、1980年代のアメリカ軍M65フィールドジャケット用フードを分析します。
一般的には、M65パーカー用のフードだと思われているようですね。
でもじつは、M65フィールドジャケットにも取り付けることができるのです!
今回のフードはデッドストックですよ!
目次
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1 M65フィールドジャケット用ヘビーフード(OG・アクリルファー)とは?
ところで、みんな大好きM65フィールドジャケット…ですが、主に襟周辺に意味不明なボタンやボタンホールそれに ダットファスナーがあることをご存知ですか?
それは概ね以下のようなものです。
(お手持ちのM65フィールドジャケットでも確認してみてください。)
襟先端のボタンホール2つ
前身頃裏側トップの ダットファスナー(凹)1個
同じく前身頃表側のボタン1個
これらは普段全く使用しないものなのですが、じつはM65フィールドジャケットと同時期に開発されたM65パーカーと共通のフードを取り付けるためにあります。
このフードはかなりヘビーデューティな造りで、ジャケットに専用ライナーとこのフードを取り付けて使用することにより、アメリカ空軍のN–2又はN–3フライトジャケット並みの防寒性能を有するようになりますよ。
さてさて、それはどんなフードなのでしょうか?
今回は、M65フィールドジャケットファンのあなたと一緒に、確認していきましょう!
(おまけで、取り付け方も解説します!)
2 全体及び細部写真です!
前面
ファーはアクリル製ですが、メーカーや納入時期によってはコヨーテファーもありますね。
フード下部はシェルと毛布生地のライニングの2枚合わせになっています。
毛布地を捲ると、ボタンとボタンホールがあります。
背面
左側面
右側面
左側面裏側
右側面裏側
タグ①
1984年度契約品です。
タグ②
おまけ
ジャケットへのフード取り付け方法
今回のジャケットのモデルは、M65フィールドジャケット2ndの「ダイソン君」です!
(生地の違いを強調するために、あえて中古品を選びましました。)
フードの取り付け方法
フードは基本、ジャケットのボタン、ボタンホール、 前見頃裏側のダットファスナーを利用して取り付けます。
まずエポレットを外します。
センターを確認しながら、エポレットのボタンにフード下部外側のシェルを留めます。
(その後エポレットは通常の位置に留めます。)
内側の襟下にあるライナー用ボタン2個に、フードのライニング(毛布生地)を留めます。
フードのシェルとライニングで襟を挟み込むイメージですね。
フードのシェル内側にあるボタンをジャケットの襟に取り付けます。
フードラインイングの毛布生地を襟のボタンに取り付けます。
フードライニングの裏側にあるダットファスナーをジャケット内側に取り付けます。
この時点での全体型はこんな感じです。
向かって左側のマジックテープに右側のマジックテープを上にして取り付けます。
右側マジックテープの下にあるループを前身頃のボタンに取り付けます。
完成です!
向かって左側のファーは右まで回り込んでいますね。
完成形側面
とても大きいフードで、当時のM2ヘルメット着用したままフードを被れます。
完成形背面
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3 その特徴とは?
シェル(外皮)は、OG(オリーブグリーン)のコットンとサテンの混紡で、通称「オックスフォード」と呼ばれる薄い生地です。
細い糸で緻密に編まれていて、ある程度の防風性能があります。
ほぼ全面に毛布生地のライニングがあって、裾が二重になっていますよ。
また頭の部分には、合計二本のドローコードがあって、サイズを調整できますね。
フード前縁にはアクリル製のファーが縫い付けられていて、前面からの風の侵入をある程度防いでいます。
(生産時期やメーカーによっては、コヨーテファーもありました。)
私が確認したのはいずれもOGのみですが、ウッドランドもあったという情報もあります。
(信頼性は低いです。)
全体的な縫製はジャケット同様、少々雑ですが強度は抜群ですよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1984年
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ナイロン
ウール
表記サイズ なし
(各サイズ共通)
状 態 デッドストック
官民区分 官給品
入手場所 岐阜の専門店
入手難易度 2(やや困難)
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5 まとめ
M65フィールドジャケットの謎がまた一つ解けましたね。
ジャケットにフードを装着すると、本当に暖かいですよ。
頭部の特に首筋が完璧に保温されていて、毛布生地のライニングのせいでしょうか?完璧に断熱しています。
これは使えるフードですね。
ただし、欠点もあります。
それは
- 取り付け、取り外しに時間がかかり、着用には熟練を要する
- 一旦フードを被ってしまうと、外の音が聞こえにくい
- 白いアクリルファーの抜けが多く、慣れない人は肌がかゆくなるとともに、夜間戦闘では一際目立つ
ということす。
このため、訓練や実戦でもあまり使用されることがありませんでした。
朝鮮半島やアラスカのような極寒地では、ジャケットにフードを取り付けず、パーカーに取り付けて、パーカーをジャケットの上に着用することが多かったようですね。
最終的に今回のフードやM65パーカーは、1980年代に開発されたゴアテックス製のECWCSシリーズに置き換えられて廃盤となりました。
朝鮮戦争を契機に開発されたM51シリーズの防寒装備も、時代の波には勝てなかったようですね。
それはともかく、行動する事前準備としてジャケットにフード(とライナー)を装着しておくと、真冬の狩猟、野鳥観測でも十分に使えますね。
しかしサバイバルゲームは、音が聞こえづらいし、保温力があり過ぎるので汗をかく恐れがあります。
気温によっては風邪をひいたりする恐れもありますので注意です。
兵士にも人気がなかった今回のモデルですが、じつはマニアにも不人気です。
(…と言いますか、かなりのマニアでもこのフードがM65フィールドジャケットに取り付けることができるということを知らない場合が多いですね。)
しかし不人気であるがため、現在でもたまにデッドストックが入手できます。
それでも、探しているあなたは、なるべく早く購入していた方が良いようです。
嬉しいことに、大手通販サイトでも安価に販売している場合がありますよ。
探していたあなたは、ぜひ覗いてみてください。
私はファーがコヨーテファーのデッドストックを探してみたいと思います。
今回は、不人気ながら高い防寒性能を持ったM65フィールドジャケット用ヘビーフードを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240118更新)
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参考:アメリカ軍M65フィールドジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
M65フィールドジャケットと世界の仲間たちに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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