
今回は、1940年代と思われるアメリカ海軍AL-1ナイロン防寒パイロットスーツを分析します。
襟とライニングにとてもリッチな素材が用いられていますね。
このレベルのパイロットスーツを普通に量産できるアメリカは、やはり凄いです。
実際にパイロットが使用していたもので、足回りに汚れや傷みがありますが程度は極上ですよ!
目次
- 1 アメリカ海軍AL-1ナイロン防寒パイロットスーツ(カバーオール・OD・天然ムートン襟・アルパカライニング)とは?
- 2 全体及び細部写真です!
- 3 その特徴とは?
- 4 製造とサイズのデータです!
- 5 まとめ
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1 アメリカ海軍AL-1ナイロン防寒パイロットスーツ(カバーオール・OD・天然ムートン襟・アルパカライニング)とは?

国が軍隊の装備品を整える上で、必ず考えなければならないことの一つに費用対効果があります。
つまりコストパフォーマンスですね。
例えば、どんなに高性能の兵士用防寒着でも一着50万円も掛かるなら、普通その防寒着は採用されません。
ところが世の軍隊の中には、そこまでではないですが高性能の防寒着をあっさり開発して、あまつさえ多数を製造・支給そして運用してしまう国がありますね。
つまりコストパフォーマンスのレベルが、他の多くの国に比べて桁違いに高いところにある「持てる国」というわけです。
全く羨ましいですね。
今回のモデルは、そんな「持てる国」の一国アメリカが、1940年代に開発(大戦中との説もあり)した防寒パイロットスーツになります。
(型式は「AL-1」で、同じ型式のジャケットも存在していますが、今回はカバーオールです。)
その造りたるや、およそ当時の各国軍装備レベルの遥か上に設定されていたようです。
(あまりにも凄すぎて、軽い嫉妬すら覚えてしまいました!)
さてさて、それはどんな防寒パイロットスーツなのでしょうか?
今回は、アメリカ海軍装備マニアのみならず、最高性能の防寒カバーオールをお探しのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
全体前面
生地は真新しいナイロンのように艶があります。

前面上半身

前面下半身

全体背面

背面上半身

背面下半身

前面上半身裏側
袖を除いた胴体部分にはアルパカライニングを装備。

前面下半身裏側

背面上半身裏側
背面にはインナサスペンダーが縫い付けられています。

背面下半身裏側

襟周りレイアウト
襟ボアは天然ムートンですね。
現時点でもモフモフです。
とても約80年前のものとは思えないですね。

襟裏にはチンストラップがあり。

普段は左襟裏のボタンで留めていますが…

右襟のボタンに留めることで襟を立てることができます。

前合わせはジッパーのみ。
胸元から下にあるストームフラップ(ウインドシールド)に注意。

タグ
大戦終了後の1940年代末契約品と思われます。

ジッパー
プルタブやスライダーの刻印は「CONMAR」

ジッパーはもちろん上下から開くダブルジッパーです。

ジッパー背面には、ストームフラップ(ウインドシールド)あり。

ウエストのバックルは、インナーサスペンダー用。

バックルはレザーでしっかり縫い付けられています。

インナーサスペンダー
本来は背面から肩を通して前部裏側のバックルに留めます。
(あくまで撮影のための配置です。)

サスペンダーの肩に当たる部分はコットンポプリン声。

カーキの部分はゴムテープになっていますね。
とてもテンションが強いです。

バックルに通す部分はレザーで金属製ハトメ付き。
片側12個。

右胸ポケット
ボタンで開閉。


ボタン
マホガニーブラウンのプラスティック製。

左胸ポケット
こちらはポケットフラップ上部にスリットあり。


ポケット本体右側には、ペン用ポケットあり。

ウエストサイズ調整ストラップ
左右にあります。
ボタンで調整。

腰ポケット
左右にあります
ボタンで開閉。


ボタンホールは閉じた生地に開けられているので、ボタンは留めづらいですね。

ポケット内側生地は、起毛したグリーンのナイロン製。

右膝ポケット
こちらもボタンで開閉。
ポケット本体裏側は腰ポケット内側生地と同じ。
横に広いデザイン。


右膝ポケット側面には、ジッパーで開く別のポケットあり。
つまり二重のポケットになっています。
このポケットのジッパーはとても繊細で脆弱ですね。
撮影のために開けたら、閉じなくなりました!

左腰ウエスト下にあるスリット

入り口付近には、アルパカライニングにもスリットがありました。
おそらく下に着用する専用の電熱服プラグを取り出すスリットでは?

左膝ポケット
こちらは左側面にあるジッパーで開閉。


やはりポケット本体裏側はグリーンの起毛した生地製。
こちらはシングルポケットですね。

ジッパーは、他と同様「CONMAR」
繊細で雑に使用すると壊れそうです。

裾
テーパー付き。


足首はジッパーで開くことができます。


ジッパー

右足後部ふくらはぎ部分には生地が傷んでいました。😭

足回りには薄いオイル汚れあり。


袖
テーパー付き。
袖にはアルパカライニングがありませんが、内側には起毛された生地になっています。


袖口はジッパーで拡がりますが、マチ付きです。
マチの部分はオリーブグリーンの生地製。
(シェルがODに変色しているわけではありません。)


袖は二重になっていて内側にはニットがあります。

袖裏側
奇跡的にニットの破損はありませんでした。

気になる袖口の擦り切れはありません。

袖ポケット
左袖にあります。
6本用ですね。

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3 その特徴とは?
シェルは明るいODに染められた美しいナイロン製で、表面に艶があります。
これは同じくナイロン製のアメリカ海軍パイロットスーツ(ナイロン・ライトウエイト)と似ていますね。
一方ライニングは、アルパカウールのライ二ングがあります。
デザインは、エポレットなし、胸ポケット×2、腰ポケット×2、膝ポケット×2、袖ポケットで、インナーサスペンダーも用意されていますね。
また襟には天然のムートン付きで、首元の保温に一役買っていますね。
面白いのは、左ウエスト付近にスリットがあるところです。
ここにはアルパカライニングにもスリットがあって、下に着用する電熱服のプラグを出すスリットではないかと思われます。
全体的な縫製は、多種に及ぶ素材を使用しているのにも関わらず、丁寧で正確です。
思えばこのメーカーは、堅実なG-1レザーフライトジャケットを製造することでも有名でしたね。
確かな技術を持ったメーカーということを再確認しました。
(何故かこのAL-1防寒パイロットスーツはこのメーカーのものしか見たことがありません。)
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1940年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ナイロン
アルパカ
表記サイズ 42
(日本人のL〜XL)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約55cm
身幅 約65cm
着丈 約175cm
袖丈 約63cm
ウエスト 約58cm
股下 約76cm
裾幅 約17cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 宮城の古着店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回ほど自分の撮影センスを恨んだことはありません。
全ての面で今回のモデルの素晴らしさを、全く表現できていないですね。
(反省!チャンスがあったら、撮り直ししたいと考えています。)
しかし…いやはや、とんでもない防寒パイロットスーツですね。
一説によると、第二次大戦中のアメリカ海軍パイロットは、約6万名が在籍していたとか?
当然、その全てに今回のモデルが支給された…わけではありませんが、数千着は製造されたのでは?
とするならそのコストもさることながら、そもそもこのレベルの防寒パイロットスーツの量産を許可したアメリカは、やはり凄い国と言わざるを得ないですね。
現代の戦争は国家同士の総力戦だと言われています。
軍事分野のみならず、政治・経済果ては社会心理まで、その全て出し切って戦うことが求められていますね。
総力戦という意味では、少なくとも1940年代のアメリカは、たかがパイロットスーツでさえこのレベルを達成していたことを考えると、余裕で戦争に勝つ事のできる国だったのかも?
(戦前から、わかってはいた事なのですが…。)

…それはともかく、一着の防寒着としてみた場合、当然ながらとても暖かいカバーオールですね。
ただシェルがナイロンなので火気に弱いのが難点です。
バイクなどの使用に打って付けのカバーオールなのですが、その場合はエキゾーストパイプやマフラーに要注意ですね。
(接触すればシェルが溶けます。)
また四輪車や公共交通機関内では、オーバースペックなので着用は控えた方が良さそうです。
あとポケットや足回りに使用されているアルミジッパーは、とても脆弱なので取り扱いには細心の注意を払って開閉する必要があります。

さてこの優秀な防寒パイロットスーツですが、入手は意外と難しいですね。
でも時々大手通販サイトで取り扱われていることもありますし、国内外のオークションでは数は少ないものの稀に出品されています。
ただ小さいサイズが主流なので、購入の際には実寸をよく確認しましょう。
またアルミジッパーが破損しているものも多いので要注意ですね。
古い製品ということを念頭に置いて、購入を検討してみましょう!
今回は、1940年代のアメリカ海軍AL-1防寒カバーオールを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他のアメリカ海軍パイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のパイロットスーツに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の単色衣類に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒装備に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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