今回は、1950年代のアメリカ海軍G-1レザーフライトジャケットを分析します。
当ブログでは、これまでいくつかG-1レザーフライトジャケットを分析してきました。
でも今回は、数あるG-1の中でもMILSPECが制定後初のモデルになります。
実際にパイロットが使用していた中古品ですが、迫力ある一品ですよ!
目次
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1 アメリカ海軍G-1レザーフライトジャケット(ター・国産H社モデル品)とは?
第二次大戦前の1920年代に開発されたアメリカ海軍M422レザーフライトジャケットを祖とするG-1。
M422は、その後
- M422A (1930年代)
- AN6552 (1940年代)
- AN-J-3A(1940年代)
とモデルチェンジを重ね、一時期は陸軍との共通レザーフライトジャケット開発を模索しつつ頓挫。
そして1950年代には
- SPEC 55J14
が採用され、ここで初めて「G-1」という型式番号が付与されました。
その後1950年代には陸・海・空軍の共通軍用規格である「MIL SPEC」が制定。
今回のモデルは、その「MIL SPEC」制定後に製造されたG-1レザーフライトジャケットになります。
長い歴史のあるG-1ですが、より近代的な規格に則った最初のG-1ですね。
当然ながら後のモデルとは一部違った箇所やパーツがありましたよ!
さてさてそれはどんなG-1レザーフライトジャケットなのでしょうか?
今回は、アメリカ海軍装備マニアのみならず、G-1をこよなく愛するあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
前面裏側
前見頃以外のほぼ前面にナイロンのライニングあり。
背面裏側
背面のライニングは中央が変色しています。
襟周りレイアウト
天然ムートン襟。
よく見ると襟のムートンが左右で厚みが違っていますね。
襟はチンストラップで立てることができます。
前合わせはジッパーのみ。
アルムジッパーに注意!
タグ
文字の一部が擦り減っていますが、SPECの「7823」は辛うじて確認できますね。
勿論、MIL-SPEC制定後最初のG-1なのでサブタイプはありません。
メーカーは「L.W.フォスタースポーツウェア」社
ストームフラップ(ウインドシールド)のUSNパンチングは上から。
内ポケット
ダットファスナーで開閉。
ポケット内側記事は生成りのコットンツイル。
ジッパー
刻印は「CONMAR」
スライダーとプルタブはブラス。
でもアルミジッパーですね。
右腰ポケット
ボタンで開閉。
ポケットフラップは直線的なタイプ。
裏側のフラップ付け根にサイズタグ。
左腰ポケット
ペン用ポケットが後のモデルより幅広いですね。
袖
勿論テーパー付き。
袖ニット
もしかしたら交換されているのかも。
脇の通気孔
金属製ハトメ付きで、片側3個。
背面左右にあるアクションプリーツ
左右はゴムで繋がっていません。
腰ニット
二段織。
こちらはオリジナルのようです。
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3 その特徴とは?
レザーは濃いブラウンに染められたゴートスキンで、現時点では硬化やコーティングの剥がれがあります。
襟は天然ムートンのボアで、微妙なグラデーションが魅力的ですが、何故か右襟の部分が薄いですね。
デザインは、エポレットなし、腰ポケット×2で、左腰ポケットにはペンポケットがあります。
大戦中のM422から継承されいる伝統的なデザインですね。
でも後のG-1とは違って、フロントのジッパーがアルミ製でした。
少々脆弱な印象もあり、後のモデルではブラス製のゴツいジッパーに変更されたのは正解だったかもしれませんね。
全体的な縫製は、正確かつ丁寧で確かな技術で仕立てられていますよ。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1950年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 ゴートスキン
ナイロン
コットン
表記サイズ 40
(日本人のM〜L)
各部のサイズ(平置)
肩幅 約45cm
身幅 約55cm
着丈 約64cm
袖丈 約62cm
状 態 中古並品
官民区分 官給品
入手場所 大阪の古着屋
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
今回のモデル以降、正式なSPECが決定し、安定したG-1が製造・支給されるようになった…訳ではなく、その後も改良が加えられ最終的には細部の違う様々なのG-1が製造されました。
しかも1976年〜1984年(諸説あり)の間はG-1の未支給期間があり、この間に製造された民生品(といっても官給品の製造ライン(?)を経たほぼ官給品と同製品)もあって、少なからず混乱をきたしていますね。
そんな中、辛うじて今回のモデルを入手できたのは幸運でした。
ただし同じサブタイプなしのG-1でも、ポケットフラップの形状が違うモデルがあり、今後もコレクションは終わりそうもありません。
(楽しみです!)
それはさておき、この言わばMIL SPEC無印(サブタイプなし)G-1は、製造数が少なかったのか意外に見つけるのが難しかったですね。
また今回のモデルの程度でも価格が高く、販売しているSHOPも少ないです。
加えて同じモデルと思われる個体でも、タグが失われているものが多いので悩むところです。
入手は困難ですが、全く入手できない訳ではありませんので探しているあなたは諦めず、各SHOPやオークション、そして古着屋さんをチェックしてみましょう!
私はさらに前のモデルや、もっと程度の良い個体を探してみたいと思います!
今回は、MIL SPEC制定後初のアメリカ海軍G-1レザーフライトジャケットを分析しました!
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
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参考:他のG-1レザーフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のレザー装備に関する記事はこちらです。⬇︎
他のフライトジャケットに関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の防寒着に関する記事はこちらです。⬇︎
他のアメリカ軍装備に関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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