今回は、1940年代のアメリカ海軍フライトヘルメットを分析します。
第二次大戦物という説もある古い型式のヘルメットですね。
現在もフライトヘルメット製造しているメーカー製ですよ。
おそらくデッドストックです!
目次
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1 アメリカ海軍フライトヘルメット(7151〔AER〕・GENTEX社製)とは?
現代でこそ軍用機パイロットには、FRP(グラスファイバー)製の頑丈で機能的なヘルメットが支給されていますが、第二次大戦以前では、布や皮革製の薄いヘルメットを着用するのが普通でした。
これは航空機が開発されてすぐ使用されていた、頭部に密着する「飛行帽」そのものでしたね。
この当時のフライトヘルメットは、敵弾や事故から頭部を守る…ということよりも、頭部の保温、イヤホンの装備、視界の確保(首の自由度の確保?)が目的でした。
また航空機自体の性能が低かったため、できるだけ軽量な装備にする必要があったのかもしれません。
今回のモデルは、そんな時代のフライトヘルメット(飛行帽)になります。
資料によって諸説ありますが第二次大戦末期から朝鮮戦争にかけてアメリカ海軍で使用され、一部(後期型?)はハードシェルとコンビで使用されたとされています。
上質で丁寧な造りには、さすが航空先進国のアメリカと感動しましたよ!
さてさて、それはどんなフライトヘルメットなのでしょうか?
今回は、アメリカ軍パイロット装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
前面
背面
左側面
右側面
右側面裏側
左側面裏側
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MIL SPECは、7151〔AER〕ですね。
(読みづらいですね😅)
イヤーパッド
ゴム製で中にイヤホン(レシーバー)を仕込むことができます。
イヤーパッド
内側(耳に当たる箇所)にはクッション材が入ったドーナツ型のウール製。
左側チンストラップ
茶色ぽいナイロンのストラップ。
ダットファスナーで開閉。
チンストラップは、かなりの余裕がありますね。
ストラップを解きやすくするためのレザー製プルタブ。
ブラックのリベット付き。
右側チンストラップ
ODのコットン製は別機能のストラップ。
(酸素マスク用?)
肌に接するダットファスナーの部分には生地でカバーされていますね。
後頭部にはサイズを調整するストラップあり。
金属製バックル付き。
着用イメージ
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3 その特徴とは?
本体の生地は、OD(オリーブドラブ)のコットンギャバジン製です。
細い糸で緻密に編まれていて、軽量で肌触りが良いですよ。
(おそらく吸湿性や速乾性にも優れているのでは?🤔)
一方イヤーパットは外側がゴム製、内側が柔らかい鹿皮製ですね。
イヤーパットには無線のイヤホン(丸板タイプ)を取り付けることができます。
(現時点ではゴムが硬化していて、イヤホンのサイズによっては取り付けが難しいかも。)
デザインは昔ながらの布製飛行帽ですが、
- 大きなゴム製イヤーパット
- 前面下部の酸素マスク取り付け用ダットファスナー(レザーの補強付き)
- 後頭部のサイズ調整ストラップ
が特徴ですね。
チンストラップはナイロン製でダットファスナーで開閉しますが、肌の接触する金属部には本体の生地でカバーしてあります。
(これで、冬でもヒヤッとすることがありません。人に優しい設計?)
全体的な縫製は、まるで近年の日本製かと思うくらい丁寧で正確です。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1940年代
製造場所 アメリカ
契約会社 アメリカ
製造会社 〃
材 質 コットン
ゴートスキン
カウハイド
ゴム
表記サイズ EX-L(XL)
(日本人の60〜61cm)
状 態 デッドストック
官民区分 官給品?
入手場所 名古屋の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
凄いフライトヘルメットですね。
写真でもその片鱗を伺うことができますが、実物は写真よりも高品質ですよ。
(撮影技術の無さが悔やまれます。😅)
この時代に、こんな高品質の製品を量産できるアメリカ軍…勝てない理由の一つがわかったような気がしました。
それはともかく今回のモデルは、第二次大戦末期から朝鮮戦争時のアメリカ海軍パイロットを再現する上では重要なアイテムですね。
ちょうどこの頃はレシプロ機からジェット機への移行期でもあり、パイロットの装備も試行錯誤中でした。
そのため古い装備と新しい装備が混在する「面白い」時期でもありましたね。
そんな時期の装備は、意外に数が少ない場合が多いです。
今回のモデルも、国内のオークションでは、なかなか見掛けないですね。
(同時期のフライトジャケットに比べて、圧倒的に人気がないというのも一因ですね。😅)
私もミリタリーショップで、店長さんが販売するかどうか迷っていた(!)ところに偶然出会して、たまたま(半ば強引に?)入手したに過ぎません。
やはり入手は難しいでしょう。
(生産国のアメリカには多く存在するのでしょうか?🤔)
それでも、アメリカ軍パイロット装備マニアは探してみる価値がありそうですね。
また面白い使い方として、航空機プラモデルのディスプレイに使用するのはいかがでしょうか?
ハセガワ1/72のF-9Fパンサーやエアフィックス1/72のF-2Hバンシー(絶版?)あたりの完成品と一緒に展示すれば、あるいは映えるかもしれませんね。
欲しいあなたは、気長に探してみましょう!
私は、ハードシェル、酸素マスク及びゴーグルのセットを探してみたいと思います。⬇︎
今回は、アメリカ海軍の古い、でも高品質なフライトヘルメットを分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それではまた、次回をお楽しみに!
(20231123更新)
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参考:今回のモデルと同時期のフライトヘルメットに関する記事はこちらです。⬇︎
他のフライトヘルメットに関する記事はこちらです。⬇︎
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読んでいただき、ありがとうございました。
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ハセガワ 1/72 アメリカ海軍 F9F-2 パンサー プラモデル B12【沖縄県へ発送不可です】
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