今回は、1940年代の旧ソ連陸軍スナイパー用迷彩ユニフォームを分析します。
以前近年のインド製モデル品を分析しましたね。
でも今回は純ソ連製のモデル品で、戦後の1960年代生産品になります。
中古品ですが、程度は極上ですよ!
目次
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1 旧ソ連陸軍スナイパー用迷彩ユニフォーム(アメーバパターン・ソ連製戦後モデル品?)とは?
第二次大戦中の旧ソ連軍は、当初迷彩服の重要性について、ある程度認識していました。
…というのも、当時のドイツ軍(特に武装親衛隊)の各種迷彩生地を用いた個人衣類を目の当たりにしていたからですね。
(開戦当時は、独ソ不可侵条約を結び、仲良しのフリをしていました。そのためお互いの軍の視察を行ったりしていましたね。)
そこでいくつかの迷彩服(あくまでスモックなどの制服の上に着用する衣類)を開発、限定的に支給していました。
それには大きく2種類のパターンがあって、一つは文字通り細かい葉の模様を描いたリーフパターン(使用されているカラーから2種類ありました。)
この迷彩パターンは、後の北朝鮮軍やルーマニア軍が使用していましたね。
大戦中の旧ソ連軍リーフパターン迷彩服(3カラー)
大戦中の旧ソ連軍リーフパターン迷彩服(2カラー)
(上2枚とも、Dennis Desmond著「CAMOUFLAGE UNIFORMS OF THE SOVIET UNION AND RUSSIA」より引用)
そしてもう一つが今回のアメーバパターンです。
一説には、アメーバパターンの採用が早かった(1930年代?)とか?
ある意味伝統的な迷彩服だったのですね。
今回のモデルは、1960年代に当時のソ連で製造されたモデル品と思われますが、もしかしたら官給品の可能性もあります。
(現時点では、映画撮影用の衣装では?…なんて思っています。)
さてさて、それはどんな迷彩服なのでしょうか?
今回は、旧ソ連軍装備マニアのあなたと一緒に、確認していきましょう!
2 全体及び細部写真です!
スモック
前面
(フード前面開放状態)
背面
前面裏側
背面裏側
襟周り
周囲はテープ(平紐)で絞ることができます。
フード前面はボタンで開閉
最下部のボタンは胸元のものを使用
フード前合わせを閉めた状態
開口部にはフェイスベールあり。
袖
強いテーパー付き
袖口はテープ(平紐)で絞るタイプ
前身頃のスリット
ポケットではありません。
金属製ボタン
どこかで見たボタンですね。
トラウザーズ
前面
背面
前面裏側
背面裏側
前合わせはテープ(紐)のみ
右側面
上部になるのはこちらもスリット
ポケットではありません。
裾
スリット付き。
やはりテープ(平紐)で絞るタイプ
着用例(1940年代)
(J.F.Borsarello著「CAMOUFLAGE UNIFORMS of European and NATO Armies 1945 to the Present」より引用)
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3 その特徴とは?
迷彩は、濃いカーキにブラウンで大まかなアメーバパターンを描いています。
前回分析したモデルは明るいカーキでしたが、今回のモデルはグリーンとカーキの中間色ですね。
(実際、官給品迷彩生地の色調にはいくつかバリエーション(製造誤差でしょうか?)が存在しています。)
生地はコットンの平織で、薄く軽量です。
フードのボタンが旧ソ連の軍KLMKリバーシブル迷彩カバーオール(初期型迷彩)などに用いられているものと同じですね。
デザインは、フード付き、エポレットなし、胸スリット×2で、フード内側にはフェイスベールを装備。
一方トラウザーズは、腰スリット×2のみです。
いずれも当時の制服(ルパシカ)の上に着用する簡易迷彩服なので、防寒性能はありません。
(着ていると若干の防風性能はあるかも。)
サイズはそれこそ1サイズで、一番大きい人でも着られるようにしてあるので、平均的な日本人ではブカブカです。
全体的な縫製は、ソ連製ながら正確かつ丁寧で、やはり戦後の製品という印象を受けました。
4 製造とサイズのデータです!
製造・契約年度 1960年代
製造場所 旧ソ連
契約会社 旧ソ連
製造会社 〃
材 質 コットン
表記サイズ なし
(日本人のXL〜XXL)
各部のサイズ(平置)
スモック
着丈 約68cm
肩幅 約82cm
身幅 約94cm
袖丈 約66cm
トラウザーズ
ウエスト 約53cm
着丈 約108cm
股上 約33cm
股下 約80cm
裾幅 約18cm
状 態 中古極上品
官民区分 官給品
入手場所 東京の専門店
入手難易度 3(困難)
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5 まとめ
何故かこの旧ソ連軍スナイパー用迷彩ユニフォーム(アメーバパターン)のモデル品は、傑作が多いですね。
単純な簡素な生地、単純な迷彩、大まかなデザインなどがその理由のようです。
(恵まれた迷彩服ですね。)
今回のモデルもレベルの高い製品になっていますね。
これならヒストリカルゲームやサバイバルゲームでも、スコープ付きのモシンナガンを持って参加しても無問題ですね。
ただし、やはりネックは入手ですね。
そうそう見つかるものではありません。
(モデル品でもそうなので、当時の官給品の入手はまず無理です。)
この製品ではありませんが、かつて国内の老舗ショップが、同じくアメーバ型の迷彩ユニフォームを販売していたことがあります。
(カラーは2バージョンありました!)
これなら、あるいは入手できるかも。
探しているあなたは、オークションサイトなどにキーワードを登録して待ってみましょう。
また上述の老舗ショップにもしかしたら在庫があるかもしれません。
(不定期で製造していますね。)
優しく問い合わせてみましょう!
私は、やはり官給品を探してみたいと思います。
今回は、純ソ連製の陸軍スナイパー用迷彩ユニフォーム迷彩服を分析しました。
いやー軍装品って、本当に素晴らしいですね!
それでは、また次回をお楽しみに!
(20240212更新)
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参考:同じくモデル品の迷彩スナイパースモックに関する記事はこちらです。⬇︎
他の旧ソ連軍装備品に関する記事はこちらです。⬇︎
第二次大戦参加国軍の装備に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍の迷彩服に関する記事はこちらです。⬇︎
各国軍装備のモデル品に関する記事はこちらです。⬇︎
✳︎ ✳︎ ✳︎
読んでいただき、ありがとうございました。
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